昭和40年の開場以来、紫雲ゴルフ倶楽部は、県内の名門への階段をしっかり上り続けている。コースは「天」「地」「人」の合作だと語る。天とは歳月と気象、地は自然の地形、人は設計と造成であろうか。なかでも大前提は、その地のありのままの自然を活かしたコースである。

ゴルフコースことはじめ
文芸評論家を経て、ゴルフジャーナリストとしても活躍した田野辺薫氏。ゴルフコースの目利きとして全国のコースを取材し、週刊ゴルフダイジェストで「ゴルフの歴史を歩こう」を連載(2005~2013年)。それを一冊にまとめた「美しい日本のゴルフコース」から多くの人に名コース誕生の歴史を知ってもらおうと再編集公開しています。

紫雲GCの敷地は、生まれながら合格点の素材だった。新潟から東北へ20キロ、溝口藩10万石の城下町新発田から海岸へ6分、紫雲寺海岸は、磐梯朝日国立公園の飯豊山系から日本海に流れ込む加治川に沿って、赤松の広大な原生林が広がる砂丘地帯である。

昭和36年10月、その景観に「この砂丘地帯がすばらしい」と衝撃を受けた人物がいた。葉山健二郎。「ここにゴルフ場を造ろう」素早く動く。「あんな景観は初めての経験だった」。感動が彼を性急にした。

昭和37年経営母体の東新起業㈱設立、社長・葉山健二郎。地元紫雲寺町を口説いて、町役場内に対策本部を設置。葉山のポケットマネーで始めた買収にも、新潟相互銀行(後に新潟中央銀行)社長・大森健治という支援者が現れ、地元財界も「町の発展なら」と動く。

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設計は井上誠一の師匠格、藤田欽哉

設計は、名門 霞が関CCキャプテンの藤田欽哉。設計界では井上誠一の師匠格の人物。彼は自然の大木を大切にした。千葉CC野田コースでは大木があると決して伐らず、移植もせずに設計変更、必ずグリーン周りに活かした。

そのために野田コースにはドッグレッグが多い。藤田は紫雲GCでも、赤松の大木を天然のハザード、景観としフェアウェイやグリーン前に置いて戦略化を図るなど120%活かし切った(紫雲GCでは6ホールがドッグレッグとなった)。

画像: 4番ホール/534㍎/パー5(加治川)フェアウェイが右、左とS字にうねり、グリーン周辺にはバンカーを巧みに配置

4番ホール/534㍎/パー5(加治川)フェアウェイが右、左とS字にうねり、グリーン周辺にはバンカーを巧みに配置

画像: 13番ホール/527㍎/パー5(加治川) 壮観な松林が正確なティショットを求める。2打目は落としどころが狭く感じられ、飛距離よりも正確性が求められる

13番ホール/527㍎/パー5(加治川) 壮観な松林が正確なティショットを求める。2打目は落としどころが狭く感じられ、飛距離よりも正確性が求められる

画像: 8番ホール/407㍎/パー4(加治川)やや距離のあるホール。グリーン左手前の松の木はスタイミーになる

8番ホール/407㍎/パー4(加治川)やや距離のあるホール。グリーン左手前の松の木はスタイミーになる

画像: 14番ホール/422㍎/パー4(飯豊)右サイドに広がる大きなウォーターハザードが特徴的なホール。左サイドから狙っていきたい

14番ホール/422㍎/パー4(飯豊)右サイドに広がる大きなウォーターハザードが特徴的なホール。左サイドから狙っていきたい

昭和40年12月9ホール、43年3月18ホールが開場。一人の男の一瞬のインスピレーションから、日本海側屈指のシーサイドコースが生まれた。6、14、16番は、加治川沿いに並べてリバーサイドコースの風趣も併せ持つ。

昭和45年7月9ホール増設。昭和57年7月、日本海側のコースとして日本プロ選手権開催、優勝した中嶋常幸は9アンダーだった。紫雲GCは、名門の階段をひとつ上がった。

平成7年9ホール増設。日本的正統派林間調の加治川コース、アメリカンスタイルの飯豊コース(設計D・グリフィス)36ホールとなった。

紫雲ゴルフ倶楽部
新潟県新発田市元郷211 ☎0254-41-2471
開場日:昭和40年12月5日
コース:18H/6621Y/P72(加治川)
    18H/6847Y/P72(飯豊)
設計:藤田欽哉(加治川)
   デニス・グリフィス(飯豊)
公式ホームページ

美しい日本のゴルフコースより(弊社刊)

取材・文/田野辺薫

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