春先の芝の薄いライはダフりやすく、苦手意識がある人は多いはず。しかしそんなイヤ~なライからでもアイアンを「横から打ていれば苦になりません」と矢野東プロは指摘する。そのコツを教わろう!

【解説/矢野東】
1977年生まれ。ツアー3勝。2008年には賞金ランキング2位に入った。右ひじの手術に伴う休養から昨年夏に復帰。復活を誓う

高くティアップした球を「上から」打ちますか?

「薄芝のライに苦手意識を持っている人は、ダフリを避けようと“上から”打とうとしてミスを助長しがち」と指摘する矢野東プロ。「ティアップ」「フカフカのフェアウェイ」「薄芝フェアウェイ」どんなライでも、同じように打てればダフることはないという教えだ。

矢野 ボールをクリーンに打ちたいのはわかりますが、どうして“上から”打つ必要があるんでしょう? 高くティアップした球をアイアンで打とうとしたら、「上から」打とうとはしませんよね。「上から」、つまりヘッドを鋭角に入れるのは、インパクトが点になるし軌道も安定しにくいので、むしろミスのリスクは高まるんです。

画像: ティアップした状態

ティアップした状態

画像: フェアウェイがフカフカでボール下に隙間がある状態

フェアウェイがフカフカでボール下に隙間がある状態

画像: 芝が薄く隙間がなく絶好のライ

芝が薄く隙間がなく絶好のライ

矢野 アイアンショットは「横から」ボールをとらえる意識が不可欠で、むしろ薄いライでは尚更です。

「空中」を振る、スウィングの基本を知る

画像: 右手のひらで横から打つイメージを持つ

右手のひらで横から打つイメージを持つ

矢野 アイアンで「空中」をキレイに振れるスウィングを、前傾して行うイメージです。右ひじを下に向け、体の回転で振る。これができれば芝が薄いライだって関係ありませんよ。

画像: 空中をしっかり振る動き。右ひじは下向き

空中をしっかり振る動き。右ひじは下向き

画像: 上から打とうとすると右ひじが離れて、軌道が波打つ。これがダフる動き

上から打とうとすると右ひじが離れて、軌道が波打つ。これがダフる動き

右ひじが下を向いた「空中を振れる形」から、前傾したのがスウィング

右手1本でクラブを持ち、上体を前傾させずに胸の前のボールを打つイメージで素振りをしてみる。

画像1: 「空中」を振る、スウィングの基本を知る

空中を振る動きから、上体を前傾させたのがスウィング。

画像: 前傾してスウィング

前傾してスウィング

矢野 スウィング中、右ひじがつねに下を向いて動くことが、ボールを「横から」とらえる必須条件。右手のひらでボールの横っ面を叩こうとしてみれば、右ひじの正しい動きがわかるはずです。

画像: 胸の前の球を横から叩くイメージ

胸の前の球を横から叩くイメージ

画像: 右ひじは体にくっつく

右ひじは体にくっつく

【ポイント】右ひじの位置はスウィング軌道の要

スウィングを飛球線後方から見たときの右ひじの動きは、ヘッド軌道=スウィングプレーンを左右する大事な要因。右ひじが自然にたたまれ、体の回転と同調して動くことが重要だ

画像2: 「空中」を振る、スウィングの基本を知る

右手を「横から」持つと、右ひじがいい位置に収まる

ボールを「横から」打つには、スウィングする以前にアドレスのセットアップを正さなければ意味がないと矢野プロ。

矢野 薄芝でダフってしまうアマチュアの多くは、構えからしてボールを「横から」打てないアドレスをしている人がほとんど。右ひじの向きと位置が重要だと言いましたが、構えたときに右ひじのポジションがズレていたら、スウィング中もズレて当たり前。右手は必ず「横から」もしくは「下から」握ってください。

矢野 ボールを「上から」打とうとする人は、右手のグリップも「上から」握っているケースが多く、その結果、右ひじのポジションも前に出て、体全体が左を向きやすいという。

矢野 まずはアドレス時の正しい「景色」を知ってほしいですね。手元はハンドファースト。ボールを右から見る形になるので、フェースはかぶって見えてOK。(下の写真)の「景色」を真似てください。

*ダフらない構えはこの景色***
手元は左股関節の前にあり、かなりのハンドファースト。真ん中より少し左にあるボールを右から見ているのでフェースも若干かぶって見えるくらいが本来のスクェア。

画像: 手元の位置はこんなに、。フェース面はかぶって見えてOK

手元の位置はこんなに、。フェース面はかぶって見えてOK

この景色はダフる構え

画像: 手が「真ん中」でボールを上から見ている

手が「真ん中」でボールを上から見ている

画像1: 右手を「横から」持つと、右ひじがいい位置に収まる

この構えなら横から打てる!
右手ひじが体の近くにあって右手は横かやや下から握っているので、体を回すだけで右手は「横から」ボールをとらえる動きになる。

画像2: 右手を「横から」持つと、右ひじがいい位置に収まる

少しシャットに上げるのがポイント

正しく構えることができて、右ひじを下に向けたまま振れば、あとは何もしなくてもボールを「横から」とらえられると矢野プロ。あえて注意点を挙げれば、バックスウィングでフェースを開きすぎないことだと言う。

矢野 バックスウィングでフェースを開いてしまうと、ダウンスウィングでそれを強引に戻さないとスクェアに当たりません。この開閉動作はスウィング軌道を波打たせる要因になるので極力減らしたい。普段、開きがちの人にとっては、シャット(閉じて)に上げる意識が必要でしょう。

矢野 バックスウィングで手元が腰の高さにきたところで、リーディングエッジが上体の前傾と平行。ほんの少しだけシャットな「ナチュラルシャット」を目指しましょう。

画像1: 少しシャットに上げるのがポイント

ナチュラルシャットの特徴
●上体の前傾とリーディングエッジが平行
●右ひじは下向き

矢野 あとは手首を使わずに体を回すだけでボールは「横から」とらえられます。もう薄芝だってダフりませんよ。

ややシャットがいちばん安定するポジション
右ひじを下に向けたままクラブを持ち上げただけのもっとも自然なポジションなので、余計な動きが不要で軌道も安定する

画像2: 少しシャットに上げるのがポイント

【ポイント①】手首を返さずにローテーションは最少

「ナチュラルシャット」なバックスウィングから、そのまま手首を使わず、右ひじを下に向けたまま体を回せばOK。バックスウィングで開いていないので、フェースを返す意識は必要ない。

画像: この形に向かって体を回します

この形に向かって体を回します

【ポイント②】右ひじを下に向けたまま体を回すだけ

スウィング中、アドレス時に作った右ひじが下に向いた状態をキープすることが大事。自然と右わきも締まり、腕と体が同調する。

画像: ひじはつねに下向きです

ひじはつねに下向きです

【ポイント③】少しハンドファーストに横からインパクト
高くティアップした球を打つように、インパクトは「横から」。実際に高くティアップしてアイアンで低い球を打つ練習も効果的。

画像3: 少しシャットに上げるのがポイント
画像4: 少しシャットに上げるのがポイント

【ドリル】右ひじを下に向けたまま「右手1本打ち」

右ひじを下に向け、体と同調させてスウィングする感覚をつかむには、右手1本でクラブを持って球を打つ練習がもっとも効果的。アドレス時の手元の位置に注意しよう。

画像: アドレスの手元の位置と右ひじの位置に注意してからスタート

アドレスの手元の位置と右ひじの位置に注意してからスタート

EDIT/Kousuke Suzuki PHOTO/Katsumi Aida

月刊2019年4月号より

This article is a sponsored article by
''.