タイガーだけは両チームを超えた存在、人気
米国チームにはブーイングが浴びせられていた。素振りをするたびに、それに合わせて声を発する。素振りが多い選手ほど影響は大きかったのではないだろうか。ポーカーフェースで、いつも通りのルーティンに徹しているようでも、少なからずいつもとは違った入り方になっていたに違いない。そんなギャラリーの悪ふざけも優位として受け入れられることがホームゲームの特徴なのかもしれない。
そんな中でもタイガー人気は特別だった。初日からタイガーへの声援は欧州選手を超えて突出していた。ツアー選手権での5年ぶりの優勝を経て、3大会ぶりにライダーカップの舞台に戻ってきたという経緯を含め、タイガー目当てに開場に足を運んだファンも多かったのだろう。

「ル・ゴルフナショナル」アルバトロスコース2番ホール(171Y・P3)
残念だったのは成績が振るわなかったこと。4戦4敗でポイント獲得ならず。タイガー自身も米国敗退の原因は自分にあると語っていた。
そんなタイガーと対照的だったのが、タイガーと3回対戦して全勝、最終日の個人戦にはフィル・ミケルソンに勝利を挙げ、欧州チーム史上初となる全勝の活躍をみせたのがフランチェスコ・モリナリ。フランスの隣国イタリア人初のメジャー制覇(全英オープン)を果たして、その勢いのままの強さを見せた。
最終日には5万人の応援団
モリナリの母国イタリアは、2022年のライダーカップ開催国として決まっている。メディアセンターではイタリアの開催コースの魅力を伝える資料が配られた。
最終日には5万人を超す大ギャラリーが詰めかけた。「ル・ゴルフナショナル」での大成功を機にヨーロッパ各国のゴルフ熱を高めていこうという機運が伝わってきた。

18番(431Y・P4)は最後の難関ホール。通常はパー5でプレー

パリ郊外のコースらしく施設の雰囲気は欧州のエグゼクティブリゾート

クラブハウス内のUSAコーナー

【ル・ゴルフナショナル アルバトロスコース】
18H・7183Y・P71(ライダーカップ開催時)
設計:R・V・ヘギー
開場:1990年
TEXT/Msato Ideshima
週刊GD2018年10月23日号より