ドライバー同様に、今シーズンのニューモデルはFWも格段に性能アップを果たしている。とくに5Wの進化が目覚ましい。注目の11モデルを試打、その〝実力〟をチェックした。
画像: 【試打/堀越良和プロ】 毎年発売される新製品を余すことなく試打している、ギアに対する造詣の深いキング・オブ・試打

【試打/堀越良和プロ】
毎年発売される新製品を余すことなく試打している、ギアに対する造詣の深いキング・オブ・試打

打って実感。「一般のゴルファーには3Wより5Wが断然おすすめ」(堀越)

画像: 打って実感。「一般のゴルファーには3Wより5Wが断然おすすめ」(堀越)

3番ウッド(3W)と5番ウッド(5W)、アマチュアにとって、より飛距離を出せるのはどちらだろうか。「そんなの3Wに決まっている」と思ったアナタ、ことはそれほど単純ではないのだ。

クラブに精通する堀越良和プロは、「ロフト15度の3Wは、ある程度のヘッドスピードがないと、設計意図どおりの弾道の高さが出ないため、キャリーが伸びず、思ったほど『飛ばない』ということが考えられます。3Wできちんと飛距離が出せるヘッドスピードの分岐点は、ドライバー換算で42m/sではないでしょうか。その点、ロフト17~18度の5Wなら、アマチュアの平均的なヘッドスピードでも十分に球を上げられるので、安定的にキャリーを稼ぐことができ、結果的に3Wより『飛ぶ』ことが多いでしょう」と指摘する。

5Wの利点①
短いからミート率が上がる

画像: 3番ウッドは43~43.5インチで、5番ウッドは42.25~42.75インチが一般的。1インチほど短いので格段に扱いやすく、ミート率も高くなる

3番ウッドは43~43.5インチで、5番ウッドは42.25~42.75インチが一般的。1インチほど短いので格段に扱いやすく、ミート率も高くなる

また、5Wは3Wよりもロフトが寝ていることで、ミスヒットに対する許容範囲も広くなる。これは、ミドルアイアンよりショートアイアンのほうが真っすぐ飛びやすいのと同じ理屈。

5Wの利点②
ロフトがあるから楽に上がる

画像: ロフトが大きくなるとボールが上がりやすくなるだけでなく、バックスピン量が増えることでサイドスピンが抑えられる。つまり上がりやすく、曲がりにくい

ロフトが大きくなるとボールが上がりやすくなるだけでなく、バックスピン量が増えることでサイドスピンが抑えられる。つまり上がりやすく、曲がりにくい

さらに、5Wのほうが3Wより0.5~1インチ短い点も見過ごせない。「3Wは地面から打つクラブでいちばん長いので、そもそもミートするのが難しい。芯を外せば、飛距離はガクンと落ちるので、この点からも、『3W=飛ぶ』という法則は、アマチュアには必ずしも当てはまりません」

つまり、3Wは「1発の飛び」、5Wは「平均飛距離」が持ち味ということ。どちらのほうがスコアメークに有利なのか、答えは明白だろう。

5Wの利点③
上からボールをとらえられる

画像: ウッドが苦手な人は必要以上に上から打ち込んでしまう傾向があるが、5番ウッドは3番ウッドより短く、ロフトが大きく、さらに重心が高めなので、ある程度打ち込んでも問題がない

ウッドが苦手な人は必要以上に上から打ち込んでしまう傾向があるが、5番ウッドは3番ウッドより短く、ロフトが大きく、さらに重心が高めなので、ある程度打ち込んでも問題がない

飛距離にビックリ! の3モデル

G410 STD(ピン)
「カキーン」という打音で気持ちよく飛距離が出る

画像1: G410 STD(ピン) 「カキーン」という打音で気持ちよく飛距離が出る
画像2: G410 STD(ピン) 「カキーン」という打音で気持ちよく飛距離が出る

投影面積の大きいステンレスのボディに、弾きのいいマレージング鋼のフェースの組み合わせで初速アップを狙った設計。「ヘッドのトウ~ヒールが長く、重心距離の長さがフェースターンのスピードに変換される。加えてフェースの弾きがいいので、初速の速さを強く感じる。十分に球が上がり、アップライトでつかまりもいい」(堀越)

G410 STD(ピン)
長さ:42.5インチ
ライ角:58度
ヘッド体積:162cc
ロフト:17.5度
クラブ重量:318g
シャフト:ALTA J CB RED(S)

インプレス UD+2(ヤマハ)
立ったロフトと大型ヘッドでアイアン同様に激飛び

画像1: インプレス UD+2(ヤマハ) 立ったロフトと大型ヘッドでアイアン同様に激飛び
画像2: インプレス UD+2(ヤマハ) 立ったロフトと大型ヘッドでアイアン同様に激飛び

マレージング偏肉カップフェースを採用し、COR値0.815という高反発を達成している。「スピン量が少なく、3Wの代わりになるくらい飛距離が出る。ロフトが立っていて、弾道にボールを押す強さが加わる。フェース面が大きくどこに当たっても真っすぐ飛ぶようなやさしさも感じるクラブ」(堀越)

インプレスUD+2(ヤマハ)
長さ:42.75インチ
ライ角:58.5度
ヘッド体積:174cc
ロフト:17度
クラブ重量:307g
シャフト:TMX-419F(S)

スリクソンZ F85(ダンロップ)
ヘッドスピード42m/s以上なら驚くほど距離が出る

画像1: スリクソンZ F85(ダンロップ) ヘッドスピード42m/s以上なら驚くほど距離が出る
画像2: スリクソンZ F85(ダンロップ) ヘッドスピード42m/s以上なら驚くほど距離が出る

バネ材に用いられる高強度素材をフェースに使用し、ボディをマレージング鋼で成形することで、高初速と球の強さを演出している。「"飛ぶクリーク"という印象。重心深度はあまり深くなく、自分でスピードを出してヘッドをぶつけられる人が、より飛距離を出せるイメージ。ただ、つかまりがいいので難しさはあまりない。操作性もとてもいい」(堀越)

スリクソンZ F85(ダンロップ)
長さ:42.5インチ
ライ角:60度
ヘッド体積:155cc
ロフト:18度
クラブ重量:319g
シャフト:Miyazaki Mahana(S)

ヘッドの形状、大きさ、打音…。ドライバー以上に特徴はさまざま

プロにとって5Wは、飛距離を出すクラブというより、正確に距離を刻むクラブ。しかし、アマチュアが使うのであれば、飛距離は出るに越したことはない。

「その点、ヤマハ『インプレスUD+2』のように、飛距離を謳うモデルは高弾道・低スピンのドライバーのような球筋で、期待どおりの飛距離が出ます。ピンの『G410 STD』は、投影面積が大きく、重心距離の長さとヘッド重量で飛距離を出すモデル。スリクソンの『ZF85』は、オーソドッスな形状ですが、初速が速く、意外にも飛距離重視という印象です」と堀越プロ。

ヘッドの大きさという点に関して、ドライバーはすでに飽和点に達しているが、5Wにはまだ設計の自由度が残っており、そこに各メーカーの個性が出る。

サイズだけを比較しても、最大の「インプレスUD+2」(174cc)と、最少のブリヂストン「ツアーB XD-F」(137cc)では、かなりの開きがある。

画像: 左が137ccの「ツアーB XD-F」、右が174ccの「インプレスUD+2」

左が137ccの「ツアーB XD-F」、右が174ccの「インプレスUD+2」

高弾道にビックリ! の4モデル

EPIC FLASH STAR(キャロウェイ)
「やさしいFWウッド」の条件が詰まったクラブ

画像1: EPIC FLASH STAR(キャロウェイ) 「やさしいFWウッド」の条件が詰まったクラブ
画像2: EPIC FLASH STAR(キャロウェイ) 「やさしいFWウッド」の条件が詰まったクラブ

AI(人工知能)を使ってデザインされたドライバーの"FLASHフェース"を踏襲。クラウンにはカーボンを採用して軽量化、低重心化を図っている。「つかまりがよく、球も驚くほど上がる。アップライトな見た目も含め、やさしいウッドの条件がすべてそろっている。飛距離も文句なし」

EPIC FLASH STAR(キャロウェイ)
長さ:42.75インチ
ライ角:58.5度
ヘッド体積:161cc
ロフト:18度
クラブ重量:308g
シャフト:Speeder EVOLUTION for CW(S)

RS RED(プロギア)
上がりやすさは抜群。直進性も高く、気楽に打っていける

画像3: EPIC FLASH STAR(キャロウェイ) 「やさしいFWウッド」の条件が詰まったクラブ
画像4: EPIC FLASH STAR(キャロウェイ) 「やさしいFWウッド」の条件が詰まったクラブ

フルチタン製ヘッド。フェースは「薄肉L型カップフェース」で高反発エリアが広く、しかも、アマチュアの平均実打点付近の反発を高めている。「フェースとコンタクトさえすればボールが上がってくれる印象。高弾道性能と直進性の高さは抜群。いい意味で球を操作できないので、何も考えず、ただ真っすぐ打っていける」

RS RED(プロギア)
長さ:42.75インチ
ライ角:60度
ヘッド体積:172cc
ロフト:17度
クラブ重量:301g
シャフト:RS RED専用Speeder EVOLUTION for PRGR(S)

SFD X8 Titanium(ロイヤルコレクション)
FWとしての完成度の高さが魅力

画像1: SFD X8 Titanium(ロイヤルコレクション) FWとしての完成度の高さが魅力
画像2: SFD X8 Titanium(ロイヤルコレクション) FWとしての完成度の高さが魅力

フルチタン製ヘッド。特殊偏肉チタンフェースで、オフセンターヒット時の飛距離ロスを軽減している。「球の強さと高さのバランスがいい。フジクラ社製の専用シャフトの走りがよく、誰が打ってもボールを上げられる。程よくスピンが効いていて、グリーンで止められそうな印象。ウッドとしての完成度の高さはさすが老舗」

SFD X8 Titanium(ロイヤルコレクション)
長さ:42.5インチ
ライ角:59.5度
ヘッド体積:162cc
ロフト:18度
クラブ重量:317g
シャフト:Speeder RC LT-5(S)

GX(ミズノ)
やさしい見た目で落ち着いたミズノらしい弾道

画像1: GX(ミズノ) やさしい見た目で落ち着いたミズノらしい弾道
画像2: GX(ミズノ) やさしい見た目で落ち着いたミズノらしい弾道

フェースにマレージング鋼を採用。ソール部のフェースに近い部分に溝を設け、アマチュアに多い、下目の打点でも初速が落ちない設計。「アップライトでフックフェースなので、見た目からやさしさを感じる。スピンが効いたクリークらしい弾道。軌道のズレを感じて瞬時に自分で修整できそうな反応の良さもある。打音は落ち着いていて心地いい」

GX(ミズノ)
長さ:42.25インチ
ライ角:60度
ヘッド体積:165cc
ロフト:18度
クラブ重量:307g
シャフト:FUSION F(S)

画像3: GX(ミズノ) やさしい見た目で落ち着いたミズノらしい弾道

バランスのよさにビックリ!の4モデル

TS2(タイトリスト)
打点がズレても一定の範囲内に飛んでいく安心感

画像1: バランスのよさにビックリ! の4モデル
画像2: バランスのよさにビックリ! の4モデル

同社史上、最も薄肉・軽量化されたクラウンにより、深・低重心化。フェース肉厚をエリア別に設計する「超精密高初速フェース」で広範囲の高初速エリアを実現。「左に引きそうな不安がない見た目。打点による打球のブレが少なく、一定の範囲内にボールが飛ぶ直進性の高さを感じる。そうさせも高く、さまざまな打ち方ができる」

TS2(タイトリスト)
長さ:42インチ
ライ角:58度
ヘッド体積:155cc
ロフト:18度
クラブ重量:321g
シャフト:Titleist Speeder EVOLUTION(SR)

M6(テーラーメイド)
ヘッドは厚め。払うより打ち込むタイプに向いている

画像1: M6(テーラーメイド) ヘッドは厚め。払うより打ち込むタイプに向いている
画像2: M6(テーラーメイド) ヘッドは厚め。払うより打ち込むタイプに向いている

ステンレスボディとカーボンクラウンの組み合わせ。同社独自の「ツイストフェース」をフェアウェイウッドで初めて採用。寛容性と飛距離性能を高めている。「ディープフェースだがカーボンクラウンのおかげで重心は低いので球は上げやすい。拾うより、打ち込むほうが性能を生かしやすい。球筋を操作したいタイプに向く。飛距離も出ていた」

M6 (テーラーメイド)
長さ:42.25インチ
ライ角:57.5度
ヘッド体積:158cc
ロフト:18度
クラブ重量:318g
シャフト:FUBUKI TM5 2019(S)

TOUR B XD-F(ブリヂストン)
クラブとして総合的なバランスがとれている

画像1: TOUR B XD-F(ブリヂストン) クラブとして総合的なバランスがとれている
画像2: TOUR B XD-F(ブリヂストン) クラブとして総合的なバランスがとれている

クラウンのカーボンは金属弦と一体化されていて、たわみ後の復元スピードが速く、初速性能が高い。またヘッドのへじれが抑えられ、直進性もアップしている。「抜けがいい。コンポジットのわりにシャープな打音もいい。ロフトが多く見えてやさしい印象。それでいて左には行かない。総合的にバランスがよく、安心して使えるフェアウェイウッド」

TOUR B XD-F(ブリヂストン)
長さ:42.5インチ
ライ角:57.5度
ヘッド体積:137cc
ロフト:18度
クラブ重量:321g
シャフト:TOUR AD TX2-6(S)

TW747(ホンマ)
洋ナシ型でラインが出しやすく、それでいてやさしい

画像3: TOUR B XD-F(ブリヂストン) クラブとして総合的なバランスがとれている
画像4: TOUR B XD-F(ブリヂストン) クラブとして総合的なバランスがとれている

総ステンレス製ヘッド。ウェートビスに加え、20gもの内部ウェートにより、重心を最適化し、点で狙える5番ウッドに仕上がっている。「ほぼ絶滅に近い洋ナシ形のヘッドで、左には絶対に行かない印象。ただし、スライスを打ってもスライスしないくらいつかまりはいい。球の抑えやすさ、ラインの出しやすさは抜群」

TW747 (ホンマ)
長さ:42.25インチ
ライ角:58.5度
ヘッド体積:163cc
ロフト:18度
クラブ重量:325g
シャフト:VIZARD for TW747(S)

自分好みのクラブが見つかる多様性

「ボールの上がりやすさは、5Wの必須条件のひとつですが、プロギア『RS RED』のように、見た目にも深い重心深度でボールを上げるモデルもあれば、キャロウェイ『EPIC FLASH STAR』や、ロイヤルコレクション『SFD X8』のように、やさしいヘッドと先端が走るシャフトの総合力で球を上げるタイプと、その“手法”は様々です」

もちろん、従来から求められている「クリークらしさ」を色濃く残したモデルもある。ホンマ「TW747」は、形状もクラシックな「洋ナシ」型で、その代表格だ。5W選びは、自分が「何を求めるか」が決め手。それに応えられるラインナップが、市場には揃っていると言えるだろう。

週刊GD2019年6月25日号より

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