家にいることが増え、久々のラウンドも少し不安。そんなゴルファーにおすすめしたいのが「ウォーキング」。たかが「歩く」、されど「歩く」。体力づくりやスコアアップにもつながる「歩き方」について聞きました。
画像: 【解説】池上信三 ヤッテミガル代表。スポーツ動作解析の専門家で多くのトップアスリートを指導。現在、順天堂大学駅伝部トレーナーであり、ゴルファーのパフォーマンスアップにも取り組む

【解説】池上信三 ヤッテミガル代表。スポーツ動作解析の専門家で多くのトップアスリートを指導。現在、順天堂大学駅伝部トレーナーであり、ゴルファーのパフォーマンスアップにも取り組む

1分間その場歩き
できますか?

―― 「よい歩き方を説明するとき、足の細かい回し方や接地位置などより、一番大事になるのが『その場
歩き』です。これは走り方でも同じです」と語るのは、多くのアスリートを指導する池上信三氏。

池上 順天堂大学駅伝部などの面々に“その場走り”してもらうと一流選手ほどブレない。その場で1時間まっすぐ走れない人は1時間正しく走り続けられないんです。皆さんもまずは『その場歩き』をやってみると意外に難しいのがわかるはず。1歩でブレたりふらついたりする方もいるのでは(笑)

―― 記者がやってみると、確かに10秒ほどで左にズレていった!

池上 重心を感じながら歩きましょう。だんだんとズレていくのを察知して修正できるようになります。これこそ常にブレない重心、スウィング軸につながる能力です。

画像: 床の模様を目安にしたりペンなど置いて歩いてみよう。「足元は見ずに重心を感じること。体重が小指側や親指側、かかと寄り、指先寄りになっていると気づくはず。自分のクセもわかります」

床の模様を目安にしたりペンなど置いて歩いてみよう。「足元は見ずに重心を感じること。体重が小指側や親指側、かかと寄り、指先寄りになっていると気づくはず。自分のクセもわかります」

―― 「その場歩き」のポイントは、かかとを着けない、腕や足を大きく動かす。そして、ゴルフに役立つ要素として「肩を回す」。

まずはやってみよう!

「肩を回す、かかとを上げる、大きく動く」

画像: かかとを上げるのはバランス感覚を養うため。正面を向いたまま、重心を感じながら肩を回し太ももを大きく上げて歩く。心地いいリズムで始め、少しずつ動きの幅を大きくする

かかとを上げるのはバランス感覚を養うため。正面を向いたまま、重心を感じながら肩を回し太ももを大きく上げて歩く。心地いいリズムで始め、少しずつ動きの幅を大きくする

ポイント
「肩ごと回して肩甲骨の可動域を鍛える」

肩を回すと難度は上がるが、よりバランス感覚ができ体幹も鍛えられる。肩先を固定した腕の動きではなく、肩先ごと回して肩甲骨を動かす。

画像1: 【スコアアップ術】技と体と心に効く。いつでもどこでもできる、ゴルフ力上昇ウォーキング
画像2: 【スコアアップ術】技と体と心に効く。いつでもどこでもできる、ゴルフ力上昇ウォーキング

池上 誰かに釣り竿で頭の上から吊り上げられているイメージがあると背骨がまっすぐに保たれます。これだけでスウィング軸は安定します。肩を回すと難度は上がりますが、よりバランス感覚ができて体幹も鍛えられる。ダイエットにもなるんですよ。肩甲骨の可動域も大きくなる。軸を安定させて回転の速さを出すときには、肩甲骨の動きが必要不可欠ですから。

―― 軸が安定するから再現性が高まり、可動域が大きくなるから回転の勢いもつく。

池上 左の肩甲骨の動きが少ない人は多い。バックスウィングはよくても、インパクト以降、肩と腰が一緒に回ってしまう。左の肩甲骨がしっかり回れば体が開かずフィニッシュもしっかりとれます。歩くのは足だけの運動ではなく全身運動。まずは『その場歩き』を1分でもよし、3分続けられると素晴らしい。日々のトレーニングにも、久々のラウンドにも役立ちます。

基本の「その場歩き」
に加えたい「歩き方」

池上 じつは、体力作りやスウィング作りにつながる歩き方と、効率よく動き続ける歩き方は違います。前者は神経刺激を与えながら動き、むしろ疲れたほうがいいですが、後者は血液の循環をよくし疲れずに移動したい。部屋でできる歩き方練習と、散歩や近所への買い物ついでの歩き方と、ラウンドでの歩き方とでは、運動強度を変えたほうがいい。外に行くにつれ、とくにラウンドでは疲れない、ケガしないことも考えるべきです。今、在宅時間も増えていますから段階を追って説明しましょう。

まず“おうち歩き”。前述の「その場歩き」に左右の動きを入れると、よりスウィングにつながる軸の意識とバランス感覚が養える。

池上 おうち歩きはトレーニングの要素が大きい。パワー・バランス系に循環系も組み入れましょう。血の巡りをよくするのは健康の基本ですし、楽に歩けるようになる。外での歩き方につながります。おうち歩きは、ラウンド前にクラブハウスなどで行うのも効果的。心拍数が上がりウォーミングアップとしてもいいんですよ。

①おうち歩き パワーとバランスと血の巡りを作る

画像: 血液は重力で下には行きやすいが上げるのは大変。筋肉をほぐす運動で上げていく。足を後ろに振り上げ、力を抜くと勝手に足が前に行く感じでその場歩き。腸腰筋や大殿筋、腰や腹の筋肉まで血の巡りがよくなる

血液は重力で下には行きやすいが上げるのは大変。筋肉をほぐす運動で上げていく。足を後ろに振り上げ、力を抜くと勝手に足が前に行く感じでその場歩き。腸腰筋や大殿筋、腰や腹の筋肉まで血の巡りがよくなる

画像: 軸はまっすぐのまま肩を回しその場で左右に歩く。片足ずつ1、2秒止まる感じで。難度が上がりバランス感覚がアップ。コースの傾斜への対応力もつく

軸はまっすぐのまま肩を回しその場で左右に歩く。片足ずつ1、2秒止まる感じで。難度が上がりバランス感覚がアップ。コースの傾斜への対応力もつく

次に“外歩き”。ラウンドにつなげつつトレーニングにも利用する。

②外歩き 動きは大きく重心をブラさず早歩き

画像: 「その場歩き」から重心を前に傾けると勝手に前に進む。足を後ろに蹴る意識はなくてもいい。足を置いた瞬間、重心が後ろに残っているとブレーキがかかりひざにも負担が。小さな歩幅から始めよう

「その場歩き」から重心を前に傾けると勝手に前に進む。足を後ろに蹴る意識はなくてもいい。足を置いた瞬間、重心が後ろに残っているとブレーキがかかりひざにも負担が。小さな歩幅から始めよう

最後に“ラウンド歩き。”こちらはもっとも「楽」に歩きたい。

③ラウンド歩き リラックスして効率よく歩く

画像: 水泳の前にブラブラするようなイメージで足首から先の力を抜く。ふくらはぎがゆるみ、ひざから下の“筋ポンプ”が働き、全身の血の巡りがよくなる

水泳の前にブラブラするようなイメージで足首から先の力を抜く。ふくらはぎがゆるみ、ひざから下の“筋ポンプ”が働き、全身の血の巡りがよくなる

「プロはコースでダラけて歩くんです」(池上)

画像: 「プロは自分がリラックスできる自然な歩き方をしています。1打に集中するためでもあり長丁場の試合で疲れないため。それがよいスウィングやリズムにもつながるんです」

「プロは自分がリラックスできる自然な歩き方をしています。1打に集中するためでもあり長丁場の試合で疲れないため。それがよいスウィングやリズムにもつながるんです」

池上 コースにはアンジュレーションがあるので、重心を常に意識し位置を修正しながら歩けばスウィングが安定しますし、とくにグリーンから次のティショットに移動するときは肩を大きく回す意識を。大きなクラブで飛ばすときは肩甲骨の可動域やスムーズさが大切です。

気持ちが落ち込む
ときこそ“よく歩く”

画像: 【解説:桐林宏光】 LPGAティーチングプロA級・ジュニアゴルフコーチ。心理面と技術面を融合し延べ1万人をレッスンしてきた。19年「LPGAアワード ティーチャー・オブ・ザ・イヤー清元登子賞」受賞

【解説:桐林宏光】LPGAティーチングプロA級・ジュニアゴルフコーチ。心理面と技術面を融合し延べ1万人をレッスンしてきた。19年「LPGAアワード ティーチャー・オブ・ザ・イヤー清元登子賞」受賞

普段から“歩き方”をすごく意識しているという青木瀬令奈。

「ひざから下だけで歩くと疲れやすく1ラウンドもちません。足先だけで歩くような感じに。ハムス
トリングスを意識すると股関節や骨盤が使えてくるから疲れずに歩ける。でもじつは、足先だけで歩
くときって、ショットが悪くなったり、気持ちが落ちたりするときが多いんです。無意識に姿勢が悪くなるからかもしれませんね」

画像: 気持ちが落ち込む ときこそ“よく歩く”

―― 歩き方はメンタルとも関係するのだ。心にも効く歩き方を桐林宏光プロに聞いた。

桐林 歩き方に心は出ます。遠くから見ても、意気消沈している人はトボトボ歩いている感じですし、調子がいい人は胸を張ってサッサッと歩いているのでよくわかる。だから逆に胸を張って歩いて、まずは気持ちを上向かせたいですよね。

―― 現在の状況下、気持ちが落ちている人も多いだろう。こういうときこそ歩くのがいいと桐林プロ。

桐林 気持ちが落ち込むときは、心拍数が上がる軽い運動をすすめます。心拍数が120くらいに上がると鬱状態になりにくいと言われている。歩いて少し息が上がるくらいの感じです。家で座ってエアーウォークからでもOK。ひざにもやさしく、腹筋にも刺激が入るので“自粛太り”の方にも効果的。外では『1歩1Y歩き』もいい。一生懸命歩かないと1Yにならないのでかなりの運動量になりますし、ゴルフ勘を“楽しく”取り戻せる。これらは、今後もずっと長く続けられるものです。

気持ちを上げる「歩き方」

①おうちで「エア―ウォーク」

椅子に浅く座り、ひじを後ろに引く感じで肩甲骨を動かし、ひざも上げる。腹筋のトレーニングにもなり、体幹も鍛えられる。テレビを観ながらでもOK。10回×3セットでも十分

②外では「1歩1Y歩き」などでゴルフ脳に!

ただ歩いてもつまらない。外では何でもゴルフにつなげて歩く。「1 歩1ヤード」で歩くと歩測幅が習得でき体力アップにも。目標を決めて歩いたり、1打分(150Yなど)で休憩したりすると、距離感も養える

③ラウンドでは「偉そうに歩く」

歩くときにも演技が必要。たとえばボギーが続いても「パープレーだ!」「バーディが続いた」と思い込み、偉そうに歩く感じでOK。また、「1、2、1、2」と小声で言いながら歩くと、後悔や不安など悪い感情が消え、今に集中できる

―― 歩くことは「ゴルフ力アップにつながる」と桐林プロ。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Yasuo Masuda、Shinji Osawa

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