高いボールは、
実は距離感が合わせにくい
残り80ヤード~100ヤードという、グリーンまであと少しのシチュエーション。
当然、アプローチウェッジを手にしてピンを狙っていきたいところですが、フルショットか、それに近いスウィングなのに、なかなか距離感が合わないという方も多いのではないでしょうか。
実は、アプローチウェッジのフルショットで距離を合わせるのは、やさしいショットではないと、グランディスタ「RS-Wブラックアウトウェッジ」の開発者・吉田一尊プロは言います。
吉田 ショートアイアンで打てば、ロフトが寝ているのでボールは高く上がります。高さとスピンでボールを止めることができますが、この「高く」というのが実はクセものなんです。
100ヤード前後からピンを狙うなら、
弾道は低めがいい。
吉田 たとえばキャッチボールをするときに、相手に高い球を投げませんよね。相手のグローブを狙って正確に投げようとしたら、無意識のうちに少し低めのボールを投げているはずです。100ヤードくらいの飛距離のショットも同じです。風の影響も受けやすくなり、キャリーと方向性を安定させるのに、高いボールは難しい弾道なんです。
プロや上級者の打つ「ライン出し」のように、アプローチウェッジでも、低く抑えた球のほうが狙ったポイントに着弾させやすいということ。
吉田 弾道を抑えるために、ライン出しのように打てればいいですが、フェースを立てて、目標にまっすぐ出していくのはテクニックのいるショットです。クラブにまかせて打つのが一番ですよ。
そこで吉田プロが取り出したのが、グランディスタ「RS-Wブラックアウトウェッジ」のロフト50度と52度の2本。いわゆるアプローチウェッジです。
ありえないほどスピンがかかる、
「RS-Wブラックアウトウェッジ」
前回紹介してもらったグランディスタ「RS-Wブラックアウトウェッジ」は56度と58度。ソケットをタングステン製にすることで、従来のウェッジよりも、高重位置をはるかに高くした新発想のウェッジです。
重心が高い位置にあることで、ハンドファーストがキープしやすく、ざっくりせずにボールをクリーンにとらえられる。ピッチエンドランがやさしく打てるのがおすすめの特徴。
しかも、高重心のおかげで、ギア効果でスピン量も増加。ありえないほどスピンがかかると人気を博しています。
今回は、その「RS-Wブラックアウトウェッジ」のロフト50度と52度のアプローチウェッジを紹介してもらいました。
低くめのボールで飛距離と方向を合わせ、
ありえないほどのスピンで止める!
ロフト50度と52度の「RS-Wブラックアウトウェッジ」
吉田 前回紹介したロフト56度・58度のタングステンソケットは15㌘でしたが、ロフトが50度・52度のソケットは10㌘。これはアプローチウェッジでは、高重心にしすぎるとボールが上がらなくなって距離が出なくなってしまうためです。
グランディスタの「RS-Wブラックアウトウェッジ」は、高重心化によって、ハンドファーストがキープしやすくなっている分、通常のウェッジより弾道は低くなります。その分をソケットを軽量化することで調整されているのです。
吉田 「RS-Wブラックアウトウェッジ」は、重心が高いのでスピンがとても良くかります。低く抑えたショットでもしっかりスピンが入るので、距離と方向性を安定させて、高スピンでボールを止めることができます。
またソケットを重くしたことで、一般的なウェッジよりも重心深度が浅い(ヘッドの後方ではなく、より前方にあるソケットが重い)ので、つかまった球が打ちやすく、右にすっぽ抜けるような球が出にくいのもおすすめのポイント。
上級者向けウェッジのような見た目とは裏腹に、「RS-Wブラックアウトウェッジ」は、やさしさを追求した設計になっています。また、中弾道の球が打ちやすいとは言え、ロフトを開けば高い球がきちんと打てるのは言うまでもありません。
「RS-Wブラックアウトウェッジ」を吉田プロが試打
ピンまで100ヤードのフェアウェイから試打。
計測にはフライトスコープを、
ボールはブリヂストン「ツアーB X」を使用しました。
52度の計測結果
吉田 ピンまで100ヤードの位置から試打しました。少しフォローでスピンがほどけやすい状況でしたが、スピンは10000回転を超え、ランもほとんど出ずに止まりました。ロフト52度のアプローチウェッジでキャリー100ヤードのショットですが、打ち出し角が25.5と低く抑えられているのが分かると思います。
一般的なアプローチウェッジで同じボールを打とうとしたら?
吉田 重心よりかなり下、トップしてしまうギリギリのところでボールをとらえながら、ハンドファーストをキープしてボールを押し込んでいく必要があります。なおかつ、ハンドファーストにかまえるとインサイドから入りやすくなるので、体の回転もしっかり使って左に振り抜かなければいけません。かなり難しいショットになってしまいますね。
吉田 100ヤードくらいの飛距離のショットが苦手という方はもちろんですが、競技に出ている方など、もっとピンを狙ってバーディチャンスを作りたいという上級者の方にもおすすめですので、ぜひ使っていただきたいですね。
グランディスタ「RS-Wブラックアウトウェッジ」、
50度・52度は"距離のあるバンカー"でも威力を発揮
また、ロフトが50度・52度の「RS-Wブラックアウトウェッジ」は距離のあるバンカーショットでも使いやすくておすすめだと吉田プロ。
吉田 では実際に、エッジまで40ヤードくらいのバンカーから打ってみましょう、56度や58度ではクリーンにヒットしないとグリーンに届きません。ダフったらアウトな状況です。でも高重心な「RS-Wブラックアウトウェッジ」ならエクスプロージョン、ふつうにダフって大丈夫です。
そう言って吉田プロが打ったボールは、パンという乾いた音を残して、40ヤード先のエッジへ。
吉田 今のはうまく打てましたが、実はこのアプローチウェッジなら距離のあるバンカーショットもやさしくなります。ハンドファースをキープしやすいので、上から打ち込むのではなく、シャローにふって、ソールが砂にふれるだけくらいの意識で大丈夫です。重心が高い分だけスピンもかかりやすく、距離も出やすくなりますよ。おすすめです。