日本を代表する避暑地のひとつ「山梨県河口湖町」に老舗百貨店「松屋系列」のコースとして1977年に開場。光と影の魔術師と呼ばれるコース設計家ロバート・ボン・ヘギーによって河口湖カントリークラブは誕生した。開場以来「避暑地の名門」として多くのメディアから高く評価されてきた。

そんな河口湖カントリークラブも、2006年12月に民事再生手続きを申し立て。2007年、東京建物(東証一部8804)に経営が移った。2018年7月現在、会員権相場は売り/30万円、買い/10万円、名義書換料/100万円となっている。会員の質の高さ、コースの良さ、スタートの取りやすさ……、プライベートコースとしてその名を轟かせてきた河口湖カントリークラブの「現在」を東京建物リゾート渡邊有一常務執行役員に伺いました。

河口湖CC民事再生申し立てに関する当時の記事はこちら

週刊ゴルフダイジェスト2007年1月30日号

陳清波プロは「アメリカ遠征に行く前はここで特訓を……」。病みつきになる河口湖CCの難しさ

―― 中央高速、河口湖ICから10分、東富士五湖道路、富士吉田ICから5分。河口湖CCはインター至近で便利ですね。近所には「日本のベスト100コース・2018」富士桜カントリー倶楽部(サード30)、鳴沢ゴルフ倶楽部(サード30)といった名コースが立ち並びます。

新東名高速「厚木~御殿場」が開通し、須走道路・御殿場バイパスが東富士五湖道路に直結すると、東名高速沿線からのアクセスがさらによくなりそうですが……。

渡邊 そうですね。河口湖CCのメンバーは中央高速利用の方が多いと思います。現在は東名高速、御殿場ICから40分ほどかかりますので。新東名と東富士五湖道路をつなぐ須走道路・御殿場バイパスが開通すると時間はかなり短縮されると思うので、横浜、湘南、静岡方面からも来場しやすくなります。

―― 進入路を入り、森の中を走ってくるとクラブハウスが現れました。山小屋風の華美すぎない佇まいが周囲と調和し、違和感なく溶け込んでいました。

渡邊 ありがとうございます。クラブハウスは河口湖CCの自慢のひとつです。

―― 食堂は1階にあり、クラブハウスのコース側にはテラス席も。夏の天気のいい日にビールを飲んだら、美味しいでしょうね。

渡邊 こじんまりとしたクラブハウスですが、動線もよく、玄関をくぐったらすぐコースですし、週末のレストランはメンバーのサロンのようなとてもいい雰囲気となります。

―― まさにメンバーライフですね。今日、東京は35℃の猛暑日(取材は7月中旬)とラジオから流れてきましたが、河口湖CCで30℃を超える日はありますか?

渡邊 クラブハウスが標高950メートルで、コースの最高地点が1075メートル、最低地点が850メートルになります。温暖化なのか30℃を超える日も年に何度かありますが、高原特有の湿気の少ない気候なので暑さをそれほど感じず過ごしやすいと思います。

―― コースの標高差は200メートルですか。コースタイプは林間丘陵になりますか?

渡邊 そうですね。極端な打ち上げ、打ち下ろしはほとんどありませんが、唯一、豪快に打ち下ろすのが南コース8番185ヤード、パー3です。このホールのバックティから河口湖が微かに見ることができます。昔は樹木が低く、もう少しよく見えたと聞きます。

―― コース設計はロバート・ボン・ヘギーとブルース・デブリンとありますが、2人の共作ですか?

渡邊 コース造成に関する文書が残っていないので詳しいことはわかりませんが、設計はボン・ヘギーで、アドバイザーとして豪州のプロゴルファー、ブルース・デブリンが加わり、ボン・ヘギーの意向でデブリンの名を設計に入れたと聞いております。

―― そうなんですね。世界的に著名な設計家R・T・ジョーンズが軽井沢72を完成させたのが1971年。まだまだ外国人設計家が造ったコースは珍しく、「アメリカンコース」と呼んでいた時代でした。

渡邊 東コース、西コースに続き、2年後に南コースがオープンしますが、東コースと西コースは2グリーンで、南コースは1グリーンとなっています。南コースは所属プロの陳清波プロのアドバイスも入っていると聞いております。

―― 外国人設計家が日本特有の2グリーンコースを作るのはどういう経緯だったのでしょう。河口湖CCは気候的に寒冷地なのでベント芝でも夏を越えられるはずなのに……。

ロバート・ボン・ヘギー設計のコースは日本に「11コース」。うち1970年代に3コースデザインしています。有馬ロイヤルノーブルコース(1972年)、セントラル福岡GC(1975年)。有馬ロイヤルは1グリーン、セントラル福岡は2グリーンです。

渡邊 そこに関しても文書等が残っておらず、はっきりしたことはわかっていません。ただ河口湖CCの2グリーンは、各グリーンがそれぞれ独立していて、メイングリーンのすぐ隣にサブグリーンがあるのとは違い、ホールの途中からY字に分かれていたりします。1ホールの中に2ホールあるような独特なデザインになっています。

2グリーンはターゲットがぼやけると言われますが、河口湖CCの2グリーンはそれぞれが独立しているため、1グリーンのようにターゲットは絞りこまれていきます。

―― 西コース4番194ヤード(Aグリーン)、184ヤード(Bグリーン)、パー3はAグリーンとBグリーンの間に松林があり、それぞれのグリーンが独立していました。2グリーンのなのに1グリーンですよね。

渡邊 東コース1番パー5、6番パー4もフェアウェイの途中からY字に分かれ、その先にグリーンがひとつあるデザインになっています。

―― 河口湖CCは開場当時からバンカー数の多さが注目されていましたが、数の増減はありますか?

渡邊 「195個」で変わりません。通常のコースの倍以上の数になります。メンバーから「難しすぎるから、花道を作ってほしい」という声もあり、コース委員会で議論になっています。

―― 東、西、南の組み合わせで、メンバーに人気の組み合わせはどれですか?

渡邊 河口湖CCのフラッグシップは東、西のAグリーンになります。五大競技(クラブ選手権、シニア選手権、グランドシニア、理事長杯、社長杯※)はこの組み合わせで行われます。しかし、東コースのAグリーンは「難しすぎる」ということで、中級者、女性には「南、西」、上級者でも「東、南」の組み合わせを好まれるメンバーが多いですね。※社長杯のみBグリーン

―― 南コースが東、西コースに比べてやさしいと……。

渡邊 1グリーンなのでグリーンが大きめで、東、西コースと比べるとバンカーも少なく花道があるのでスコアは出しやすくなります。関東シニアの予選は「東、西のAグリーン」で開催しましたが、70台が3人、カットラインが「81」でしたので、他のコースよりも河口湖CCは難しい部類だと思います。

―― 陳清波プロは「アメリア遠征に行く前には河口湖CCで特訓を……」と言われたようですが、その意味は東コースの1番576ヤード、パー5のグリーンを見て「なるほど」と思いました。

渡邊 東コース1番のAグリーンは手前がバンカーで花道がなく、横長で奥行きがありません。ボールを止めるのは至難のわざです。打球は奥のバンカーにつかまります。

―― 難しそうですね。

渡邊 熟知したメンバーはピン位置にかかわらず、グリーンの右奥にボールを運びそこから寄せワンを狙っていきます。

―― スピンの効いた相当高い球でないと、ボールは奥のバンカーに飲み込まれ、またバンカーからグリーンオーバーする「往復ビンタ」になるわけですね。

渡邊 コースレートは西、東のAグリーンの組み合わせで「71.7」すが、スロープレートは「131」になります。

―― コースレートは「全長距離」が大きく影響しますが、スロープレートは「難易度」がそのまま数値化されたものです。最もやさしのが「55」で、最も難しいのが「155」。標準値は「113」なので、河口湖CCの「131」は相当高いですね。

渡邊 グリーンも富士山からの芝目が強く、乗ったから安心というパットはありません。50センチでもカップを外さなければいけないラインがあるので、「オッケー」はなかなかもらえません。

―― 芝種を教えてください。

渡邊 グリーンはペンクロスで、フェアウェイはケンタッキーブルーグラス、ラフはトールフェスクになります。当初はフェアウェイ、ラフとも野芝だったようですか、開場10年目ぐらいに寒波がきて凍害でやられてしまい現在のベントになったそうです。

―― グリーンの刈り高と速さを教えてください。

渡邊 刈り高は3.8ミリで、速さは8~9フィートです。それ以上速くしてしまうと、ボールが止まらずグリーンから出てしまうことがあるので、速さは抑えめにしています。

―― メンテナンスで気をつけていることはありますか?

渡邊 刈り込み頻度を上げて芝の密度をあげています。芝の密度があがると雑草の進入が防げます。河口湖CCのグリーンは密度を上げ、葉を細くして、速さを出す、そんな管理をしています。

東京から100キロ圏にこの環境。セカンドコースではもったいない

―― 現在メンバー数は何人ですか?

渡邊 2196人です。うち約400人が法人になります。

―― 男女比、平均年齢はどうですか?

渡邊 男性が85%、女性が15%です。平均年齢は65歳前後です。

―― メンバーは東京方面が多いですか?

渡邊 そうですね。9割が東京方面の方です。

―― 河口湖CCはメンバーの質が高いと聞きますが、会社経営者、医師、弁護士といった方も多いのでしょうか?

渡邊 多いですね。もともと松屋系だったので、老舗の創業家といった方もいます。医師に関しては「河口湖メディカル」という会があって、3組ぐらいはできるのではないでしょうか。しかし、ゴルフ場に入れば「先生」ではなく「さん」付けで呼んでいます。私も「さん」付けで呼ばせていただいています。

―― 河口湖CCは別荘地の中にありますが、いわゆる別荘族と呼ばれるメンバーはどれぐらいいますか?

渡邊 「3割」といったところでしょうか。坂を下ったところに東京建物が運営するホテル「レジーナ河口湖」があるんですが50室が分譲マンションスタイルとなっています。現在、「買いたい」というメンバー数人にお待ち頂いております。

―― レジーナ河口湖をホテルとして利用した場合、メンバーの割引等はありますか?

渡邊 あります。宿泊代が1000円安くなります。ただ週末は予約が取りにくいので、すぐ近くのビジネスホテル「登り坂」を利用されるメンバーは多いですね。登り坂もメンバー割引がありますので。

「ホテルレジーナ河口湖」について詳しくはこちら

ビジネスホテル「登り坂」について詳しくはこちら

―― 土日の混雑具合はどうでしょう。予約は取りやすいですか?

渡邊 夏のトップシーズンは混みますが、満員でプレーできないということは過去一度もありません。27ホールで1日最大69組と考えていますが、普段は60組程度です。ただ、キャディ数が47人なので、メンバーにはセルフをお願いすることがあります。

―― 土曜日曜のメンバータイム、フリー枠はありますか?

渡邊 15組あります。到着順でスタートしていただきます。

―― 平日は?

渡邊 平日は5組あります。

―― 年間の競技開催数はどれぐらいですか?

渡邊 予選決勝を入れて35回になります。

―― クラス分けはありますか?

渡邊 ハンディ10までがAクラス、11~15がBクラス、16からがCクラスです。月例杯の参加者は各クラス10組程度(40~50人)で、一番参加が多いのはBクラスです。

―― クラブ選手権はストローク戦ですか? マッチプレーですか?

渡邊 8年ほど前にストローク戦からマッチプレーになりました(予選はストローク戦)。メンバーから「マッチプレーで決めたい」という声が多く変更いたしました。

―― メンバー重視なんですね。

早朝、薄暮プレーは実施していますか?

渡邊 早朝はグリーンに朝露があるので実施していませんが、薄暮は実施しています。メンバーなら9ホール4000円でプレーできます。

2018年は7月、8月の2カ月限定で午後スルー(セルフ)を実施しています。13時~14時スタート、日没保障なし、コース指定なしの条件になりますが、1日10組まで受け付けています。メンバーは7000円、2サムプレーの割増なしです。状況を見て9月の実施も検討します。

―― 家族登録、家族割引はありますか?

渡邊 ありませんが、メンバー同伴で5000~7000円安くなります。友の会として「河口湖フレンド」があります。こちらはメンバーの紹介、日本国籍、18歳以上等の入会条件と年会費54000円がかかりますが、メンバー同様に練習場を使用することができます。プレー代はメンバーよりも高くなりますが、土日の予約も取ることができます。定員80人に対して現在68名となっています。

―― 河口湖フレンドから正会員になられる方はいますか?

渡邊  多いですね。


―― 練習場も充実していますね。雄大さに驚きました。世界遺産の富士山に向かって打ちっ放す280ヤードのドライビングレンジは日本一贅沢なのではないでしょうか?それとアプローチエリアもしっかり管理されていて、練習環境もトップクラスですね。

渡邊 ありがとうございます。メンバーであれば自由に練習ができます。プレーをせず練習だけしにくるメンバーも多いですよ。

―― 飯能ゴルフクラブと相互提携しているようですが、どのような使い方ができるのでしょうか?

渡邊 飯能さんに空きがある場合、グリーンフィ4000~5000円引きでプレーすることができます。予約は河口湖CCから飯能さんにいたします。

―― 最後に河口湖カントリークラブへ入会を検討されている方にメッセージをお願いします。

渡邊 河口湖CCは1人で来場されても安心してプレーできるゴルフ場です。メンバーの質の高さ、コースの戦略性、山小屋風のクラブハウスも自慢の施設です。メンバー枠は土日15組、平日5組あります。メンバーでプレーをお断りしたことがないのも自慢のひとつです。

ショートソックスは可か不可か問題になったとき、メンバー2000人にアンケートを実施しました。回答率は9割でした。メンバーはゴルフ場を大事にし、ゴルフ場はメンバーを大事にする。河口湖カントリークラブはメンバーシップ本来の姿と運営がなされています。

会員権のお問い合わせ、ご相談はゴルフダイジェスト社 会員権サービス部が承ります

河口湖カントリークラブ
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町船津6236
(電話:0555‐73-1211)
公式ホームページ:http://kcc.tatemono-golf.com/
営業形態:メンバーシップ
開場:1977年6月2日
ホール数:27ホール
設計:ロバ―ト・ボン・ヘギー、ブルース・デブリン
距離/パー/コースレート:6676ヤード(東・南/Aグリーン)/パー72/72.0
6653ヤード(東・南/Bグリーン)/パー72/71.3
6662ヤード(南・西/Aグリーン)/パー72/72.1
6597ヤード(南・西/Bグリーン)/パー72/71.6
6757ヤード(西・東/Åグリーン)/パー72/71.7
6385ヤード(西・東/Bグリーン)/パー72/70.5
アクセス:中央高速、河口湖ICより10分
東富士五湖道路・富士吉田ICより5分
富士急行河口湖駅よりタクシーで10分(約2000円)
(JR中央本線、大月駅よりクラブバスあり、完全予約制/大月駅8時05分発、コース着8時40分。帰りコース発16時30分)※新宿発7時00分発、大月7時55分のスーパーあずさ1号(立川、八王子に停車)に連結

画像: 御殿場付近の新東名高速道路の工事進捗状況。2020年の開通が待ち遠しい(写真2018年7月)

御殿場付近の新東名高速道路の工事進捗状況。2020年の開通が待ち遠しい(写真2018年7月)

掲載をご希望のゴルフ施設様は、当サイトトップページの「掲載についてのお問い合わせ」よりお問い合わせください。

画像: golfdigest-play.jp
golfdigest-play.jp

This article is a sponsored article by
''.