今や1000以上のゴルフ場が、なんらかの形で法的整理の経験を持っています。その理由のほとんどが「預託金制」による償還問題です。その波は、日本のベスト100コースにも及びました。しかし、名コースの破綻を放ってはおきませんでした。新スポンサーのもと法的整理が行われ、「再生の道」を歩みだしています。

日本の成長から生まれた「預託金制会員権」

昭和23年に開場した新日本開発が造った伊東パーク(現ゴールド川奈)が日本最初の預託金制ゴルフ場といわれています。ゴルフ場の土地代、建設費などの資金は会員権を発行し調達するようになりました。(高度成長期からバブル期にかけて)ゴルフ会員権は値上がり、投資の対象にもなり、会員募集も順調に進んだため、ほとんどのゴルフ場経営者は「預託金制」を採用しました。

10年据え置き、10年後に返還請求があれば、預託金を返還する。

会員権が値上がりすれば、市場で預託金以上の金額で売却できるため、ゴルフ場は預託金を返還する必要がないと考えていました。

しかし、バブル崩壊で会員権相場は下落。相場が預託金額を下回る会員権が続出してしまいました。
会員権所有者は預託金を返還請求し、裁判をしてでも取り返そうとしました。その結果、預託金償還不能で倒産するゴルフ場が多発してしまいました。

預託金問題は、日本の名コースまでもを…

その中のひとつが、全国的に高級ゴルフ場としてその名を轟かせていた、「レイクウッドゴルフクラブ」でした。多くのゴルフ場が民事再生法や会社更生法といった「再建型」を選ぶ中、レイクウッドは、「清算型」となる「特別清算」だったことから、「高額会員権が紙屑になる」との憶測が乱れ飛んだのは2004年の8月のことでした。

バブル期、会員権相場で小金井GCを抜いたこともあるレイクウッドの経営会社の突然の倒産は、会員権市場に激震をもたらす出来事でした。

週刊ゴルフダイジェスト、当時の記事はここをクリック

その後、日本土地建物、清水建設、損保ジャパンが株主となり再建を果たしましたが、有名コースの破綻は続きました。2006年に「河口湖」、2007年には「総武」・・・。

浜野、清川、唐沢、石坂、木更津、南総…「会員が立ち上がり」再生したゴルフ場とは違い、今回取り上げた10コースは、経営交代「新スポンサー」のもと法的整理が行われました。

「会員が立ち上がり」再生したゴルフ場の記事はこちら↓

コース内容、施設内容、立地条件、会員の数や質には問題なく、(新スポンサーに)手を出さないのはもったいない、と思わせるゴルフ場になります。

平塚富士見の場合、一時相場を下げましたが、徐々に回復。現在では「売り優勢」の相場上昇物件のひとつになっています。

避暑地の雄「河口湖」は、銀座松屋から「東京建物」へ、日本のトーナメント史を飾ってきた名コース「総武」は、「グランPGM」となり、新スポンサーのもと再スタートを切っています。

いずれも、以前に比べ、入会しやすいお値段となっていますので、ご検討なされてはどうでしょうか。

平塚富士見カントリークラブ(神奈川県)

会員権相場/売り460万、買い395万/名変料170万

レイクウッドゴルフクラブ(神奈川県)

会員権相場/売り1800万、買い1300万/名変料300万

平成16年(2004年)8月、同じグループのレイクウッドGC、サンパーク明野、レイクウッドGC富岡など湘南観光開発(株)は、過大な借入金と預託金償還問題が原因で特別清算となりました。平成17年1月に可決。負債額は約600億円、うち預託金は約280億円でした。事業継承した新会社(株)レイクウッドコーポレーションの株主には、日本土地建物、清水建設、損保ジャパン。継続会員は弁済率5.88%に基づく金額を新預託金額面としています。

河口湖カントリークラブ(山梨県)

会員権相場/売り40万、買い20万/名変料100万

平成18年(2006年)12月、民事再生法を申請。預託金償還問題に加え、冬季クローズで集客低下の影響も大きかったようです。負債総額は約102億円(うち預託金約91億円)でした。

「東京建物(株)」が新スポンサーとなり、親会社だった「(株)松屋」も一部を出資。預託金の59%をカットし、残り41%を一括弁済しました。継続する会員はその中から新預託金5万円を拠出して、継続会員となりました。

総武カントリークラブ(千葉県)

画像: 総武カントリークラブ(27H・10643Y・P108)

総武カントリークラブ(27H・10643Y・P108)

会員権相場/売り285万、買い225万/名変料80万

平成19年(2007年)4月、預託金償還問題で総武CCの経営会社「総武都市開発(株)」が民事再生法を申請。同グループの負債は約386億円でした。平成19年8月、スポンサーを模索するなかで一番条件の良かった、パシフィックゴルフ(現PGM)を新スポンサーに選定。継続会員は預託金カット後の23%が新預託金となりました。

KOSHIGAYA GOLF CLUB(埼玉県)

会員権相場/売り220万、買い145万/名変料25万

平成16年(2004年)2月、経営会社の「大洋緑化(株)」が会社更生法を申請。負債総額は約1100億円。うち預託金は約502億円だった。新スポンサーとしてローンスター(現在のPGM)が選定されます。継続会員の預託金は97%カット。残り3%が新預託金となりました。

平成26年新クラブハウスの完成を機に、ゴルフ場名を「越谷ゴルフ倶楽部」から「KOSHIGAYA GOLF CLUB」に変更。平成25年10月1日より、36ホールから、18ホールになっています。

「KOSHIGAYA GC」奇跡の復活、記事はこちら↓

東京国際ゴルフ倶楽部(東京都)

会員権相場/売り165万、買い110万/名変料100万

平成15年(2003年)10月、「有限責任中間法人東京国際クラブ」設立し、平成17年3月、会社更生法を申請。一般債権や会員の預託金については、82.5%をカットし、残り17.5%を弁済。

継続会員は、正会員100万円、平日会員60万円の新預託金を拠出し、間接株主会員制としてスタートしました。

平成19年9月、東京国際カントリークラブから「東京国際ゴルフ倶楽部」に名称変更。平成24年4月、「(株)シャトレーゼHD」の傘下となりました。

宍戸ヒルズカントリークラブ(茨城県)

会員権相場/売り45万、買い20万/名変料50万

平成12年(2000年)3月、宍戸コース、静コースともに会社更生法を申請。負債は約228億円、ほぼ預託金でした。「森ビル(株)」が新スポンサーとなり、配当率は36.08%、「額面無し」のプレー会員権として新会員権を発行。

宍戸ヒルズCCの「ゴルフ場身体検査」記事はこちら↓

大多喜城ゴルフ倶楽部(千葉県)

会員権相場/売り65万、買い40万/名変料30万

平成16年(2004年)12月、民事再生法を申請。負債額は約274億円、うち預託金は約230億円。平成17年、「東急不動産(株)」がスポンサーとなり、継続会員は預託金94.4%カット、残り5.6%を新預託金となり、新しい「入会保証預託証書」が発行されました。

平川カントリークラブ(千葉県)

会員権相場/売り110万、買い75万/名変料100万

平成16年(2004年)12月、民事再生法を申請。負債額約231億円、うち預託金は約176億円。平成17年、東証1部上場の「日神不動産㈱」がスポンサーに決定し、継続会員は預託金95%カット後の5%を預託金として新証券が発行されました。

平川CCの会員権記事はこちら↓

猿島カントリー倶楽部(茨城県)

会員権相場/売り240万、買い160万/名変料100万

平成10年(1998年)に「大日本土木系列」のゴルフ場として開場。パブリックコースで運営。 平成14年に経営会社が民事再生法を申請後も 。「㈱猿島カントリー」としてパブリック運営を継続。 平成17年12月、㈱猿島カントリーの全株式を「東急不動産㈱」が取得し、メンバーシップコースとしてスタートしました。

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