世界中のゴルファーが憧れる「ペブルビーチ・ゴルフリンクス」は、サンフランシスコから南へ約2時間半、車を走らせたその先のモントレー半島にある。風光明媚で豊かな自然を感じることができるこの場所は、世界屈指の名コースが数多く点在する。

アメリカゴルフの聖地をめぐる

モントレー半島を訪れるゴルファーの多くがまず目指すのは、ペブルビーチ・ゴルフリンクスだろう。2019年に、開場100年を記念して全米オープンを開催したこのリンクスほど、モントレーの旅の幕開けにふさわしいコースはない。

サンフランシスコから車で向かう行き方なら、少し遠回りにはなるが、“17マイルドライブ”は「米国西海岸で最も美しい」といわれる海岸線の道。

太平洋を望む絶景を見ながらドライブでの行き方は、モントレー・ゴルフ旅の序章として、欠かせないものだ。

画像: モントレーを代表するコース、ペブルビーチ・ゴルフリンクス

モントレーを代表するコース、ペブルビーチ・ゴルフリンクス

帝王ジャック・ニクラスはペブルビーチ・ゴルフリンクスについてどう思うかとの質問に、こう答えている。

「もう一度だけしかプレーできないなのなら、ペブルビーチを選ぶだろう。初めて見た時から、私はこのコースを愛している。間違いなく世界最高のコースだ。」

ペブルビーチ、スパイグラスヒル、サパティエンポ…。アメリカが誇る名コースをめぐるモントレー半島の旅は、決して忘れられない旅となるだろう。

画像: ペブルビーチ・ゴルフリンクスのコースのマークにもなっている、モントレー半島のシンボル“The Lone Cypress”

ペブルビーチ・ゴルフリンクスのコースのマークにもなっている、モントレー半島のシンボル“The Lone Cypress”

ぺブルビーチ・ゴルフリンクス(Pebble Beach Golf Links)

あまり知られていないかもしれないが、ペブルビーチには4つのゴルフコースがある。スパイグラスヒルGC、ザ・リンクス・アット・スパニッシュベイ、そしてぺブルビーチ・ゴルフリンクスだ。

4コースともに、米国屈指の名コースなのだが、なかでも名高いのは“世界一のリゾート”“世界一のパブリック”といわれるぺブルビーチ・ゴルフリンクスだろう。

画像: 8番/427Y/パー4 2アdメガ海越えとなる、べブルビーチきっての難ホール

8番/427Y/パー4 2アdメガ海越えとなる、べブルビーチきっての難ホール

ペブルビーチ・ゴルフリンクスがゴルフコースとして高い評価を受ける理由は、もちろんそのデザインであり、ロケーションのすばらしさにある。しかし、それだけがペブルビーチゴルフリンクスの魅力ではない。

画像: 宿泊施設“ロッジ・アット・ペブルビーチ”。食事も美味しい

宿泊施設“ロッジ・アット・ペブルビーチ”。食事も美味しい

カーメル湾に張り出すように造られたペブルビーチ・ゴルフリンクスは、海流の影響で天候が変わりやすい。突然の霧に、コースの景色が一変することもしばしば。何度訪れてもドキドキしながらコースに向かってしまうのは、思ってもみないシーンに毎回のように出会えるからだ。

画像: 日暮れ間近の18番ホール。7番、17番などペブルビーチ・ゴルフリンクスには夕陽が美しいホールが多い

日暮れ間近の18番ホール。7番、17番などペブルビーチ・ゴルフリンクスには夕陽が美しいホールが多い

「Ask any golfer around the world to name a golf corse in the United States,
and Pebble Beach will be the first thing they say.」ーTom Watson
「世界中のゴルファーに『米国のゴルフコースの名を挙げて』と尋ねたら、『ペブルビーチ』と最初に答えるだろう」トム・ワトソン(1982年全米オープン優勝/ペブルビーチ)

ラウンドするたびに新たな顔を見せてくれる。何度プレーしてもあきることがない。

それがペブルビーチゴルフリンクスだ。

Pebble Beach Golf Links
18H/6828Y/P72
公式ホームページ

スパイグラスヒル・ゴルフコース(Spyglass Hill Golf Course)

ペブルビーチゴルフリンクス、モントレー・ぺニンシュラCCとともに、米ツアーのAT&Tぺブルビーチナショナルプロアマの会場コースとして知られるスパイグラスヒルGC。

米国を代表するコース設計家の一人、ロバート・トレント・ジョーンズ・シニアが設計した名コースは、戦略性の高さ、美しさとともに、自然の豊かさで名高い。

画像: R.T.ジョーンズSr.により設計され1966年に開場した米国を代表する難コース

R.T.ジョーンズSr.により設計され1966年に開場した米国を代表する難コース

画像1: スパイグラスヒル・ゴルフコース(Spyglass Hill Golf Course)
画像2: スパイグラスヒル・ゴルフコース(Spyglass Hill Golf Course)

コースが保護に力を入れているという草花や美しい海岸の風景を眺めながら、馬で散歩するツアーも人気だ。コースの行き帰りに、近くに点在する1950年代に作られた名建築を巡るのもいいだろう。

フランク・ロイド・ライト設計の「ウォーカー邸」など、歴史的な建物をめぐるツアーも行われている。

Spyglass Hill Golf Course
18H/6960Y/P72
公式ホームページ

パサティエンポ・ゴルフクラブ(Pasatiempo Golf Club)

オーガスタナショナルを設計した、アリスター・マッケンジー博士が終の棲家にしたコース。マッケンジー博士は、オーガスタの完成を観ずに、パサティエンポGCの6番ホール近くの自宅で亡くなっている。遺灰は遺言によりコースに撒かれたという。

画像: モントレー半島の北側、湾の対岸の丘上に造られた愛らしく手ごわい林間コース

モントレー半島の北側、湾の対岸の丘上に造られた愛らしく手ごわい林間コース

そのマッケンジー博士が終生愛し続けたコースを、現代の名設計家、トム・ドークが10年の歳月をかけて改造した。設計コンセプトはそのままに、コースはさらに磨きをかけられた。

“パサティエンポ”はスペイン語で“娯楽”を意味する。その名のとおりパサティエンポは、名コースだが気取らない、回って楽しい18ホールだ。

Pasatiempo Golf Club
18H/6500Y/P70
公式ホームページ[](https://www.pasatiempo.com/)

PHOTO&TEXT by Taku Miyamoto(ゴルフフォトグラファー)
初出/ゴルフダイジェスト・トラベラー Vol.32 (2018年冬号)

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