筋トレを一切しないで404ヤードのドラコン公式記録を持つ今泉健太郎プロ。普段はインストラクターで、ドラコン競技があれば選手として出場する二刀流プロ。そんな今泉プロの仕事場を怪人・青山薫プロが密着ルポ、いよいよ後編。「古武道の教えでは、中指に“正中線”が通っていて、中指と薬指が体の芯になるといいます。この2本さえしっかり握れていれば、他の指はゆるめても大丈夫。実際にやってみるとわかりますが、中指と薬指だけで握る感覚だと、手首がスムーズに動きますよ」(今泉)

〝小指外し〟で振ってみよう。速く振れちゃう今泉流グリップ

小指を立てたこのポーズが、飛距離アップにつながるという。今泉プロいわく「古武道の教えでは、中指に“正中線”が通っていて、中指と薬指が体の芯になるといいます。この2本さえしっかり握れていれば、他の指はゆるめて大丈夫。実際にやってみるとわかりますが、中指と薬指だけで握る感覚だと、手首がスムーズに動きますよ」

今泉 ボクは小指を左右両方とも外してグリップしているんです。これも前腕を速く振るためのコツのひとつです。
青山 (実際にやってみて)確かに、小指を外すとめちゃくちゃヘッドが走るね。
今泉 メジャーリーグで活躍した松井秀喜やイチローは、バットのグリップエンドから小指を外して握っていましたよね。以前、それを真似してみたら、すごく飛んだんです。

青山 ドライバーのようにヘッドスピード重視のクラブは、小指を強く握らないほうがいいのか。
今泉 手首がスムーズに動くようになるし、ボクが取り入れている古武道の動きとしても、理に適っているんです。

結んだタオルでバッグを叩く

「腕や手首を柔らかく使えないと、タオルのように軽くて柔らかいものを速く振れません。先を
結んだタオルでバッグを強く叩いて、インパクトでパワーを集中させるコツをつかんでください」

画像: 結んだタオルでバッグを叩く

タオルの片側を結んで振りましょう

画像: 「小指をゆるめたまま、前腕を上から下へ」。インパクトにパワーを集中

「小指をゆるめたまま、前腕を上から下へ」。インパクトにパワーを集中

手首の動きがよくなり、ヘッドが走る

「両手の親指と人差し指、小指も離して、中指と薬指だけでクラブを握ります。この状態でクラブをグルグルと回してみてください。10本の指でしっかり握るより、手首が柔らかく使えてクラブを回
しやすいはず。この感覚でスウィングすればヘッドが走ります」

ねん転差なんて要りません!クラブかついで、おなかを右に向けるだけ!

トップでは腰を45度、肩を90度以上回せ……。〝上下のねん転差=飛ばしのパワー〞とよく言われるが、今泉プロのレッスンを受けるアマチュアの人たちはみな、上も下も一緒に回っちゃっている。ホントにこれでいいの?

「意識的にねん転差を作ろうとすれば、体は動かなくなります。体はみぞおちの所で上下がわかれますが、肩を回して上をねじるのではなく、おなかを右に向けて、下を回してやるんです。これでトップでは勝手に上下のねじれができるし、このほうが体もスムーズに動く。人間の体は消しゴムやコンニャクと同じ構造じゃないんですよ」(今泉)

体がスムーズに動かないと、前腕を速く振ることができないと今泉プロ。「体のどこにも力を入れずに、脱力することが大事。だから、トップで両ひじが曲がっていてもOK。グリップの小指を外しているから、ヘッドも垂れます。でも、これでいいんです。驚くほどヘッドが走るようになりますよ」

画像: トップでヘッドは垂れてOK

トップでヘッドは垂れてOK

ねじらない!

「腰を正面に向けたまま肩を回して、無理にねん転差を作ろうとすると、筋肉が緊張して体がスムーズに動かなくなります。体全体を右に向ければ、自然とねじれは生まれます」

画像: 体全体を右に向ける

体全体を右に向ける

タメない!

「ダウンスウィングで意識的にタメを作ろうとすると、ヘッドは振り遅れます。トップでクラブのタメはすでにできているので、あとは手首の角度を保ったまま、腕を真下に下ろすだけですだけです」

画像: トップから腕を下ろすだけ

トップから腕を下ろすだけ

踏ん張らない!

「スウィングは軸が大事。軸がブレなければ、両足で踏ん張っているように見えるだけで、意識的に踏ん張る必要はないんです。脱力して体全体を右に向ければ、トップも深くなりますよ」

画像: 力を使わず右に向くだけ

力を使わず右に向くだけ

力で振らない。脱力して、上から下へ

いかに前腕を速く振るか。これこそが今泉プロの、飛ばしの肝だ。では、ダウンスウィングからインパクトで、前腕をどう動かせばいいのだろう。

「ひじは曲がる方向が決まっていますよね。曲がるのは上下(縦)で、左右(横)には曲がりません。つまり、上から下に向かって、どれだけ速く動かせるかでスピードが決まる。繰り返しますが、脱力はとても重要。力で振るのではなく、力を抜いて素早く振るんです」

みんなスピードアップしちゃいました

三好裕之さん。47歳、ゴルフ歴7年。「200ヤード飛ばなかった飛距離が、当たると250~260ヤードになりました。体をねじらず、右を向いたまま腕を振る感じでスウィングしています」

画像: HS425.m/s

HS425.m/s

山口 修さん。45歳、ゴルフ歴8年。「ヘッドスピードが5m/sくらい上がりましたね。以前は腕力で飛ばしていたんですが、力を抜いて振るほうが、ヘッドが走ってくれることがわかりました」

画像: HS48.3m/s

HS48.3m/s

中道知里さん。29歳、ゴルフ歴4年。「ゴルフを始めたときから今泉プロに習っています。ボールを見ないでクラブを振れ、という教えを守って、240ヤードくらい飛ぶようになりました」

画像: HS39.3m/s

HS39.3m/s

福田健蔵さん。1946年生まれ。40歳から始めたゴルフにハマり、飛ばしに目覚めて本まで出したスーパーアマ。「ドラコン会場で、ごく普通の体でブッ飛ばしていた今泉プロの飛ばしの秘訣が気になって、東京から通い始めました。最初は、『腕を振るだけ』と聞いてとても驚きましたが、少しずつ感覚をつかんできて、ヘッドスピードが5m/s上がりました」

画像: HS47.1m/s

HS47.1m/s

青山プロ、今泉プロのHSアップ法いかがでしたか?「目からウロコだね。トップのひじ曲げ」

満足げな表情で〝飛ばしの虎の穴〞を後にする青山プロ。「トップではひじを曲げ、真下にヘッドを振り下ろす、か。セオリーとは真逆だけど、理に適っているよ。筋力も体力も違うんだから、プロとアマで飛ばしの方法論が違うのは当然。飛ばしはパワーだけじゃないってこと。茨城に帰ったら、さっそく今泉プロの理論を取り入れて、若い頃の飛距離を取り戻すか!」(青山)

画像: 青山プロ、今泉プロのHSアップ法いかがでしたか?「目からウロコだね。トップのひじ曲げ」

TEXT/Toshiyuki Funayama
PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/磯島ゴルフセンター

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