藤田寛之は、つねに新しい武器となるクラブを探り、日々、試しているプロのひとり。そんなクラブセッティングにまつわるエピソードを、シーズン前半の実例とともに語ってくれた。
変化を恐れずトライ&エラー
「少し前の話になりますが、今シーズンの開幕前にクラブセッティングを見直して、4番アイアンをバッグに入れました。とても気に入っていたのですが試合で使うと、上の番手のユーティリティとの飛距離差が開いてしまった」
「25ヤードの開きができてしまい、それを解消するべく、日本プロ選手権から4番と5番のアイアンをディスタンス系の飛ぶタイプを試したのです」
「最近のクラブはユーティリティやウッド系がとくに飛ぶようになっています。2年くらい前からそれを感じて、構想を練っていたトライでした」(藤田)
常に新しいことにトライし続ける。50歳を前にしてレギュラーツアーで戦うには、この向上心がすべてだろう。ただし、結論から言うとこの試みをシーズン途中で断念。
「キャディのピータから『アイアンの縦の距離感のズレが大きすぎる』と指摘されたんです。それで元に戻すことに決めました。アイアンは5番からで、その上に2本のUTを入れて飛距離の流れを作っています」
ツアープロにとって距離感は生命線。今回は「勇気ある撤退」を選択したが、トライ自体を失敗とは捉えていない。近い将来の「進化」につながることが分かっているからだ。
引き締まった“男前”な顔が好み。高初速で直進力のあるRMX118プロト
思いどおりに操れるスプーン
どんなライでも高い球が打てるRMXの5番ウッド
ウェッジはボーケイ一筋。53度と58.5度のSM7
飛距離の階段が揃うようにセッティング
PHOTO/Shinji Osawa
週刊GD2018年8月21・28日合併号より