パットの距離感や方向性に悩むと、打ち方や道具を変えて対応しようとする人が多い。でも、実はスタンス幅を変えるだけでも、さまざまな効果が期待できるのだという。今よりもっと寄る、入る、自分にあったスタンス幅を小野寺誠プロに聞きました。

【解説】小野寺誠プロ(おのでらまこと)
米国でティーチング理論を学んだ理論派。とくにショートゲーム、パッティングのレッスンに定評がある

方向性重視なら、フェースの向きが変わりにくい広いスタンス!

基本的に、スタンスを広くするほど重心は低くなり、下半身が安定します。そして、重心が低くなるほど手元が地面に近くなるため、両ひじは曲がり、両肩、両ひじ、手元が五角形を描く構えになるわけです。

画像: 方向性重視なら、フェースの向きが変わりにくい広いスタンス!

また、両ひじを曲げると、両ひじでクラブの重さを感じるようになり、ひじからヘッドまでを一体として使いやすくなります。その分、支点が体に近くなるため、機械的なショルダーストロークがしやすくなるのです。

広いスタンスの最大のメリットは。方向性の良さにあります。下半身を固め、体幹でストロークできるので、ストローク中にフェースの向きが変わりにくいのです。

また、重心が低い分、傾斜地や風の強いときにバランスを保ちやすいのも大きな利点と言えるでしょう。

ただし、スタンスが広くなるほど微調整が効かず、体の向いた方向に球が出るため、普段からフェースと体をラインにきっちりスクェアに合わせる練習、前傾角度や両腕が作る五角形の角度を一定にする練習が必要になります。

距離感重視なら、リズムとスピードが安定する狭いスタンス!

逆にスタンスを狭くするほど、重心は高くなります。そして、重心が高くなるほど手元が地面から離れるため、両ひじは伸び、両肩と手が三角形を描く構えになるのです。

ヘッドの運動量の大きなストロークをヘッドの重さに任せて打てるため、リズム、スピードを安定させやすいというメリットがあります。

画像: 距離感重視なら、リズムとスピードが安定する狭いスタンス!

また、重心が高いと目線が高くなるぶん、ラインが見やすくなるのも長所です。

タッチや方向性を微調整しやすいため、フィーリングを重視するプレイヤー向きのスタンス幅であると考えてください。ただし、微調整ができるということは、プレッシャーがかかる場面ではタッチや方向性に影響がでやすいということです。また、きつい傾斜や強い風のときはバランスを崩しやすくなります。

長いパットは狭く、短いパットは広く、ハイブリッドもおすすめ

極端に広いスタンス、狭いスタンスを紹介してきました。このどちらかがピッタリくるのであれば、それを採用すればいいですが、少し広げたり、狭めたりするだけでも同様の効果は得られます。いろいろと試して自分にあったスタンス幅を見つけてください。

また、状況やその日の調子に合わせてスタンス幅を変える、ハイブリッド型のアドレスもおすすめです。

距離のあるファーストパットはタッチを出しやすいように狭めのアドレスで、入れにいくツーパットめはスタンス幅を広げて打つなどのテクニックが身につくと、パッティングの精度が大きくアップすると思います。

画像: 松山英樹は、肩幅より広いスタンスでパッティング

松山英樹は、肩幅より広いスタンスでパッティング

画像: リッキー・ファウラーのアドレスは、両足の幅が肩幅よりグッと狭い

リッキー・ファウラーのアドレスは、両足の幅が肩幅よりグッと狭い

週刊GD2018年8月21・28日号より

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