アドレスの決め方① 入射角がゆるやかになるアドレス
─── アプローチではダフりそうな気がして、ボールを右足の前に置きたくなります。
小鯛 確かに芝が薄いときやディボット跡など、ライがよくないときはボールを右足寄りに置いて鋭角に打ちます。
小鯛 でも、花道のようにライがいい場合は入射角をなるべくゆるやかにしたほうがミスになりませんし、スピンがかかりやすいんです。
─── ポイントを教えてください。
小鯛 一番大切なのは、クラブヘッドがスウィング軌道の最下点にきたところでインパクトを迎えることですが、点でとらえるのではなくゾーンでとらえる準備をします。
小鯛 ボールをスウィング軌道の最下点にセットするのではなく、少し左足寄りに置いてシャフトを真っすぐにして構えます。その準備を説明しますね。
ボールは左寄り。ハンドファーストではなく、シャフトを真っすぐに構える
小鯛 ボールを少し左足寄りに置いてシャフトを真っすぐにして構えます。ボールが左にあると、上体も左に傾きやすいので注意しましょう。
─── ハンドファーストではないのですね。
小鯛 そうですね。ヘッドが手元よりも前にある感じです。
アドレスの決め方② フェースを閉じて構えよう
小鯛 ここからが肝心です。フェースはスクェアではなくフェースを閉じます。
─── えっ、フェースを閉じるのですか!?
小鯛 フェースを開くとバウンスが点になりますが、フェースを閉じればバウンスの幅を広く使うことができます。AWではなく、ソール全体が丸みを帯びているSWを使います。
SWのフェースを閉じると、バウンスの幅が広くなる
─── 開くのではなく、逆に閉じる。この考え方は斬新ですね。
小鯛 フェースを軽く閉じてハンドアップ気味に構えるのがコツです。リストを固定しやすくなり、緩やかな入射角でボールを正確にとらえやすくなります。
ハンドアップにしてリストを固定する
小鯛 ハンドアップにするとリストを固定しやすくなり、緩やかな入射角でボールを正確にとらえやすくなる。構えた時にヒール側に空間ができるのが正解です。
振り子の原理でスウィングするだけ!
─── スウィングで注意しているポイントは?
小鯛 難しいことを考えずに、振り子の原理でスウィングするだけです。スクェアスタンスに構えるのも、スウィングをできるだけシンプルにしたいからです。
─── フェースを少し閉じてハンドアップ気味に構えるとリストを固定しやすいといいましたが、これもスウィングを単純化するためなのですね?
小鯛 そうです。強いていえば左の股関節に軸を意識することと、構えたときのグリップエンドとお腹の間隔をキープして胸を左右に回すことくらいですね。
─── アプローチのスウィングはパットの延長という感じですか?
小鯛 そうですね。そのくらいシンプルに考えるのがいいです。クラブヘッドを構えた位置に戻しやすいスウィングが一番ですから。
左股関節に軸をイメージして振ろう
小鯛 左股関節を意識するため、右足を浮かせてスウィングしてみましょう。左股関節に上体のウェートを乗せて、振り子運動で左右の胸を回すだけです。実戦でも、このまま打つのもありですよ。
グリップエンドとお腹の間隔をキープ
小鯛 お腹の前にあるグリップエンドがズレないように、バックスウィングで胸を右に回し、フォローでは胸を左に回すだけです。これで正解なアプローチを打つことができます。
【ドリル】「打ち込み」、「すくい上げ」を矯正しよう
小鯛 ボクはアプローチの調子がおかしくなると、ボールをティアップして打つ練習をします。クラブの入射角をすぐにチェックでき、スウィングの修正に大きく役立ちますよ。
─── 鋭角に打ち込んでも、下からすくい上げても、ボールに正確に当たりそうもないですね。
小鯛 いつものとおり、フェースを少し閉じて、シャフトが真っすぐになるように構えます。
小鯛 そして、クラブヘッドがスウィング軌道の最下点にきたところでヒットします。この練習を繰り返すことで、入射角が整ってきます。
基本はSW。状況に応じて3本を使い分け
小鯛 これまで説明してきたのがボクのアプローチの基本形です。状況によって持つクラブが変わっても、スウィングは変えません。
小鯛 上げて止める基本はSWです。低く転がしたいときは9I、キャリーとランの比率をほぼ半々にしたければAWです。打ち方は一緒です
Text/Takashi Mishiro
Photo/Masaaki Nishimoto
週刊GD2018年9月4日号より