ただいま賞金ランクトップの今平周吾プロは、60度ウェッジ1本で打ち分け
現在、賞金ランキングトップを走る若手実力者、今平周吾プロは60度のウェッジ1本で、上げる、転がす、止めるを打ち分けているという。1本使いのメリットと打ち分けるために大切なことをミニインタビュー。(賞金ランクは2018年9月23日時点)
── ウェッジ1本で打ち分けることには、どんなメリットがあるのでしょう?
今平プロ どのアプローチでも同じ感覚で打つことができるのが最大のメリットです。アマチュアの方にとっては、ボールの位置が変わるとインパクトの精度が落ちるので、1本で打ち分けるにはある程度の練習量は必要になります。
── それでも、練習するだけの価値はあるということですね。
今平プロ ロフトのあるクラブでクリーンにコンタクトできるようになれば、フェースに乗る感覚が得られると思います。この感覚こそがアプローチで一番大事なポイントなんです。
── それはどんなアプローチでもですか?
今平プロ 上げるときも、転がすときも同様で、フェースに乗ることがボールを操作することにつながるんです。僕は手で投げる感覚でアプローチしていますよ。
── ミート率だけで考えるとPWなどで振り幅を小さくするほうが精度は高くなりそうですが、それだと微妙なコントロールができないデメリットがあるということですね。
今平プロ フェースに乗る感覚が持てるとインパクトしてから微調整ができるんです。つかまえたり、乗りすぎたと思ったらちょっと逃がしたり。そういう感覚を得られるのが1本でやる面白さですね。
基本のアプローチ。60度ウェッジのピッチ&ラン
60度のウェッジ1本でさまざまな球を打ち分ける今平プロ。「得意な1本を作るとアプローチで迷うことなくなります」とも付け加えてくれた。
上達のポイントは、フェースに乗せる感覚をつかむこと。
ウェッジ1本で上げて寄せるコツを幡地プロに聞いた
フェースに乗せることが重要性だという点では、幡地プロも同様だ。その上でボールを上げて寄せる場合に大切なことを聞きました。
幡地プロ 上げる球を打つ場合、フェースにボールを乗せる意識はあります。でも、体をオープンにしたり、フェースを極端に開く必要なありません。球を上げる一番簡単な方法はアドレスでややハンドレートに構えることです。
── アドレスを変えるだけでいいんですね。スウィングで意識することはありますか?
幡地プロ 一定のリズムで振ることです。そうすればボールはロフト通りに上がってくれます。ボールを上げようとカットに打ったり、左ひじを引いたり動きはスウィングを難しくするだけですよ。
ハンドファーストにしないことがポイントです!
ウェッジ1本で転がし寄せる秘訣を塚田プロに聞いた
転がしと聞くと、PWや9番アイアンを使いたくなるが、塚田プロは転がしにも58度のウェッジだという。
塚田プロ グリーン周りのアプローチは左足上がりになるケースが多く、球が上がりやすいです。58度で転がすには、ボールを右足の前に置き、ロフトを立てて構えます。
── スウィングで気をつけることは何でしょうか?
塚田プロ ロフトを立てると鋭角に入り、ヘッドが刺さりやすくなります。それを防ぐために、右手首の角度を最後までキープして押し込むように打ってください。
── 右手首の角度はアドレスからフォローまでキープですね。
塚田プロ 手元の高さを低く抑える意識を持つと、軌道がゆるやかになってミスの確率がグンと減りますよ。
「手元は低い位置でキープ!」 ウェッジで球を低く抑えてランで寄せるコツ
ウェッジ1本で‟スピンで止める”を出水田プロがレッスン
球を止めるには、フェースに乗る時間をいつもより長くして、ボールにスピンを効かせることが重要だと出水田プロは言う。
スピンをかけるアプローチは難しく感じやすいが、58度のウェッジで簡単に打つためのポイントを教えてもらいました。
出水田プロ フォローでフェース面が時分に向くように振ると、スピンが入りやすいです。スタンス方向ではなく、ターゲット方向に振り抜くことで高さが出しやすくなり、フェースに乗っている時間も長くなります。
── そのためのポイントはありますか?
出水田プロ インパクトでヘッドが手元を追い越していくイメージで振ることがポイントです。手元にブレーキがかかり、ヘッドが走っていくのでよりスピンがかかりますよ。
フォローで‟フェース面が自分を向く”ように振る
以上、4名のプロに効いたウェッジ1本で「上げる・転がす・止める」のコツ。いかがだったでしょうか。ぜひ、楽しみながらトライしてください。
PHOTO/Shinji Osawa、Hiroaki Arihara、ARAKISHIN
THANKS/フジサンケイクラシック、ぎふ美濃GC
週刊GD2018年9月25日号より