【指導】早川佳智
はやかわよしさと。1975年愛知県生まれ。新旧のスウィング論をつねに研究し、ギアにも精通する超理論派プロ
フェースにボールを乗せるには、両わきから両ひざの間を動かす
「アマチュアにはボールを上げようとする人が圧倒的に多いです。上げようとするとインパクトで手元が浮いてフェースが開くため、フェースとボールの接触時間が短くなります。そのためボールコントロールがしにくくなるので、いろいろな技ができないのです」(早川プロ)
では、それを解消するためには、どうすればいいのか。
「体を回転させて打つのがベースですが、両肩のラインを変えず、両わきから両ひざの間だけを回してスウィングします」
「すると手元もつられて動きます。でも、手元は体の正面から外れません。インパクトでフェースが開くことなく、フェースでボールを運ぶ感覚が出てきます」

お腹の回転でインパクトゾーンを長くする


ダウンで右肩を出さず伸び上がりを防ぐ


ボールを上げようとすると、インパクトで手元が浮き、フェース面が開いてしまう。狙った球種や距離感を出すには手元を低く。

左ひじを引いてボールを上げる人がいますが、フェースが開きやすく、ミスの元になる
ボールを乗せる感覚はウィークグリップで左手のひら側に折りつつ打つ
フェースをボールに乗せるためには、両わきから両ひざの間だけを回して打つという早川プロ。さらに、グリップをウィークにすることでボールを乗せる感覚が身に付きやすくなるという。
「フェースコントロールしてボールを乗せる感覚を身につけるには、少しつかまりの悪い状態、ウィークグリップで握ることをおすすめします」

左手親指を真上に乗せグローブのロゴマークがターゲット方向を向くようにウィークに握る。右手親指と人差し指の隙間が正面を向くように、右手を上からしっかりかぶせて握る。あえてボールをつかまえにくい状態を作ることで、しっかりつかまえようとする意識が持てるようになる
「左手小指を手のひら側に巻き込みながら握り、インパクトでもその状態をキープして振り抜くと、フェースにボールが乗っている感覚を強く感じることができます。この感覚が身につけば、ボール位置やフェース面の使い方でいろいろな球種が打てるようになりますよ」

左手小指を手のひら側へ巻き込むと、フェース面が閉じるのでフェースにボールが乗せやすくなる

左手甲をしっかり手のひら側に折り、その状態をキープしてフォローまでボールを押し込む。甲側に少しでも折れるとフェースが開くので要注意
即席! 超カンタン打ち分け術
打ち方を大きく変えなくてもボール位置の変更で、ある程度は打ち分けられるという早川プロ。右足寄りにボールを置けばロフトが立つので転がし。左足側に置けばロフトが寝るので自然と上がるアプローチになる。


それでもフェースにボールが乗らないときは……。
0.5度アップライトに調整してみよう
「ゴルフ工房でライ角を0.5度だけアップライトにしてみてください。これで普段どおり打つとボールがつかまりやすくなります。あとはボール位置、ヘッドの抜き方、走らせ方を変えて、"上げる・転がす・止める"などの打ち方にチャレンジしてみてください。フェースに球が乗っていると、どんな球種も打ちこなせるので、ゴルフがもっと楽しくなりますよ!」(早川)

ライ角をアップライトにするのは0.5度で十分。フェース面が左側を向くのでフェースにボールが乗せやすくなる
PHOTO/Shinji Osawa、Hiroaki Arihara、ARAKISHIN
THANKS/ぎふ美濃GC、東名古屋CC、日進ゴルフエトワス、ゴルフマイスター
週刊GD2018年9月25日号より