コンペ成功のカギは「コース選び」と「組み合わせ」
幹事歴30年の和田さんによれば、コンペには大きく分けて3つの種類があるという。
「ひとつめは社員のみのコンペ。二つめはお客様を呼ぶコンペ。そして三つめが仲間内だけのコンペです。この中で一番気を遣うのは二つめですが、これは社内の幹部が仕切るうえに予算もつきやすく、実はやりやすい。ひとつめと二つめは、誰がキーマンかを見極め、その人が気持ちよくプレーできるように気遣えば大丈夫です」(和田さん)
キーマンとは、お客様のなかのご意見番だったり、長老であったり、自社の幹部にいるケースもある。要はそれを見極める目が大切というわけだ。
そのうえで、コンペを成功させるには、どんなことに注意すべきなのか。
「コンペで大切なのは『コース選び』と『組み合わせ』です。ここが上手くいけば、ほぼ7割は成功したといえるでしょう」
コース選びのポイントは「アクセス」とコースの「グレード」
「埼玉の人が千葉に行くのが大変なように、アクセスは重要課題。参加者の技術レベルを考慮しつつ、アクセスのいい場所を選ぶのがセオリーです」と和田さん。ちなみにお客様を呼ぶコンペはコースのグレードにも注意。"あの会社は、あんなところでコンペをやるのか"なんて言われないように。またコースを決めるときは必ず上司や先輩の確認をとりましょう。
Point.1 「キャンセル料の有無を確認」
コンペは人数が確定しないまま予約することも多い。急な仕事で参加者がドタキャンする可能性もあります。現在もキャンセル料が発生するコースがあるので事前確認を忘れずに。
Point.2「ICから20分以内などアクセスを重視」
IC(インターチェンジ)から20分以上走ると誰もが遠く感じるので、少し遠いICでもいいから20分以内のコースを探すようにします。
Point.3「プレー費はセルフで1.5万円以内が理想」
コンペは休日開催が多く、プレーフィも高くなりがち。交通費も乗合や電車利用などでコストダウンを図れば若手も参加しやすくなります。休日セルプレーで1万5000円が理想です。組数をまとめることで、割引きになるコンペプランのあるコースもあります。
Point.4「アップダウンや狭いコースは極力避ける」
コンペ参加者の技術レベルはあまり高くないと考えたほうが無難。であれば、難しいコースよりも優しいコースのほうが、誰もが回りやすくて笑顔が増えます。
Point.5「コースの予約は最低1ヵ月半前に」
コンペは複数組をまとめて予約する必要があるだけでなく、案内状の手配や、参加者の日程調整を考えると速めの予約がおすすめです。
組み合わせのポイントは「上司」「女性」のスタート時間
コース選びの次は、組み合わせ。もちろん、こちらにも相応の気遣いが必要です。
Point.1「スタート時間は9時台がベスト」
首都圏や近畿圏在住の場合、スタート時間が早ければ5~6時に自宅を出発することになり、遅いスタートだと渋滞に巻き込まれる恐れがある。同乗者を迎えにいくケースも想定します。
Point.2「経験者は振り分け、ハンディを均等に」
経験者やベテランは世話役として各組に振り分けるのがポイント。プレー進行がスムーズになり、トラブル時の対応も任せられます。
Point.3「幹事、上司、女性はできるだけ早い組に」
幹事はパーティの準備があるし、女性は身だしなみの時間が必要。上司に時間の余裕も与えたい。となれば、できるだけ早い組にするのが賢明です。
Point.4「組み合わせがNGの人は事前に確認」
幹事歴が浅い人は、ゴルフ好きのベテラン社員を相談役に頼むと心強い。社内の人間関係やクルマ乗り合いのアドバイスをもらいましょう。
競技形式は「新ぺリア」が無難。賞品は「下手な人に厚く」が盛り上がる!
「コース選び」と「組み合わせ」で7割が決まる。残りは競技方法やパーティ、賞品や景品などが、コンペを盛り上げる『アクセント』となるという。
「ゴルフ初心者から上級者まで、さまざまなレベルのゴルファーが集まることを考えれば、複雑な競技方法は適しません。コンペで最も一般的な『新ぺリア』なら、どこのゴルフ場でも対応してくれますし、コースがパソコン集計してくれて成績表も短時間でプリントアウトされます」(和田さん)
「新ぺリアのいいところは、スコアが100台の人でも優勝できることです。事前にゴルフ場に頼んで『1ホール・ダブルパーまで』の制限を外してもらえば、スコア120台でも優勝することがありますよ」
新ぺリア方式とは?
「ダブルぺリア方式」とも呼ばれ、通常アウト・インで各6ホール、計12ホールを隠しホールとし、12ホールのスコアの合計を1.5倍し、そこからパー72を引いた数に0.8を掛けた数をハンディ換算表と照らし合わせ算出する。集計は大抵のゴルフ場がやってくれる。乗用カートにスコア入力システムがあれば、各ホールで総合順位も確認できる。1ホールの打数制限やハンディの上限を取り除けば、100以上を叩いた人でも優勝の可能性が出てくる。サプライズがあり盛り上がる方式だ。
「仲間内であれば、レベルもわかっていますから、新ぺリアだけでなくダブルスやマッチプレーなど趣向を凝らすことも楽しむポイントです」
また、コンペは上級者よりも初心者をどう楽しませるかがカギだそう。
「プレー中であれば独自ルールや世話役にお願いし、できる範囲でカバーしてもらいます。さらに入賞や特別賞などがもらえるようなら、モチベーションアップにつながりますし、また参加したいという気持ちにさせられます」
賞品の分配を幅広く設けることで、次回の参加者確保にもつながるのだ。
パーティや表彰式を盛り上げるのも、幹事の腕の見せ所
パーティは基本的にプレー終了後、できるだけ早く開始し、早めに終わらせれば渋滞回避につながり喜ばれるそう。サッと終わらせて帰りたいという参加者も多いからだ。
「パーティを盛り上げるには、ひょっとしたら商品がもらえるかもという期待感を多くの参加者にもってもらい、表彰を待つ時間も苦にしないことが大切です。先ほどお話した賞品の分配だけでなく、別イベントを企画するのもおすすめです」(和田さん)
例えば、和田さんがよくやるのは、パーティルームを使ったパッティングコンテスト。
「クラブハウスはほとんど絨毯ですので、そこにカップとパターをもちこみ、ニアピンコンテストを開催するんです。カップをオーバーしたら失格。初心者や女性は2パットまでOKなど、みんなが盛り上げるよう工夫しましょう。もちろん商品も用意します」
さらに大叩き賞やOB賞などを設けるとさらに盛り上がるとアドバイス。
賞品がもらえなかった人だけでじゃんけんして賞品を取り合うなどのアイデアを提案してみたところ、「おもしろそうですね」とのお言葉。参加者全員が楽しめる1日を演出するには細やかな心遣いが名幹事の入口だ。
週刊GDより
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