明日のゴルフで「芯に当たる」練習をする。“一夜漬け”のコツ
アベレージゴルファーがプレー前日の練習で、最も重視すべきことは何だろうか。「クラブをしっかり振ってボールを飛ばすこと」、「アプローチなど小技中心の練習」、「とにかく球数」、どれも当てはまりそうだが、武田プロに聞くと、違う答えが返ってきた。
── ラウンド前練習、何を考えて練習するといいのですか?
武田 翌日のスコアを良くしたいのならば、飛距離を伸ばすことよりも、『芯に当てる』ことをいちばんに考えるべきです。
── 「芯に当てる練習」ですか?
武田 「芯に当てる」というよりも、明日、確率よく「芯に当たる」ための練習です。ドライバーを短く持って、3割程度のチカラで打つ練習です。靴幅程度までスタンスを狭くして構えます。スタンス幅から腰や上体がはみ出ないように3割のチカラで打ってみましょう。「飛ばす」ことよりも、「芯に当たる」ことが大切。打っているうちにスウィング軸ができ上がってミートする感覚が養えます。
ラウンド前日練習① 狭いスタンスで「ドライバーの3割打ち」
スタンスを極端に狭くして、力を入れずにティアップした球をドライバーで打つ。腕の力は抜くが、下半身はしっかり使って打つ。軸がブレず芯に当たる感覚が身についていく。
── 3割くらいの力なら、芯にしっかり当たる感覚がわかりそうです。
武田 注意していただきたいのは、腕だけに頼らないこと。これが3割打ちのいちばん大事なポイントです。腕の力は極力抜いて、しっかりと下半身を使って打ってください。
ドライバーの3割ショットに続いて、「もうひとつやってほしい練習があります」と武田プロ。それがウェッジでフルスウィングをゆっくり行い、50ヤードを飛ばす練習だ。
武田 ウェッジをできるだけゆっくり振ることを心掛けてください。飛ばそうとしないで、大きくゆっくりで50ヤードを狙うこと。ゆっくり振ることだけに集中するほど「芯に当たる」確率が高まってきます。
ラウンド前日練習② ウェッジの「ゆっくりフルスウィング」で50ヤード。体幹を感じてできるだけゆっくり!
武田 通常のスウィングスピードだと飛びすぎてしまうので、できるだけゆっくりと振ることを心掛けます。
この2つが武田プロが提案するラウンド前練習。ややあっさりしている気もするが、武田プロはこの練習に集中するだけで十分だと念押しする。
武田 ラウンド前日にドラコン賞を夢見てドライバーを振り回したり、アレもコレもと練習の時から欲張るから、本番に活かせないのです。大叩きの多くは曲げることが原因です。いつもより飛距離が10ヤード、あるいは20ヤード落ちたからといって、それが大叩きの原因になることはありません。
武田 それがわかれば、ラウンド前日には「芯に当てる」、「芯に当たる」練習が大事だということが理解できるはず。きちっとフェースの真ん中でミートすることができれば、大きく曲がることはありませんし、結果として飛距離も伸びるんです。
最後に、しいて言うならば、との条件付きで、実戦的なラウンド前練習を付け加えてくれた。
武田 狭いホールや長いパー3があることを想定して、フェアウェイウッドやユーティリティのティショットを練習しておくといいですよ。
ラウンド前日・追加練習 ユーティリティのティアップ打ち
PHOTO/ Hiroshi Yatabe
週刊GD2018年10月9日号