
【解説】伊藤有志プロ
いとうゆうし。1994年生まれ。東北福祉大ゴルフ部出身。アイシグリーンシステム所属
フェアウェイバンカーに入ったら、構える前に“あご”と“ライ”をチェック
── フェアウェイバンカーからグリーンを狙いたいけど、手前をダフって上手に打てないことがよくあります。
伊藤 それは打つ前のチェックの甘さが原因のひとつ。あごまでの距離と高さ、そしてボールのライをチェックします。フェアウェイバンカーはグリーンを狙えるのか狙えないのか、打つ前のチェック項目がガードバンカーよりも少ないので、状況判断はすごく簡単なはずです。

ガードバンカーはピンまでの距離やグリーン面、落としどころなど考えることがたくさんあるが、フェアウェイバンカーはあごとライだけでいい
── なるほど。あごとライを判断したうえで、グリーンを狙うかどうかを決めるわけですね。では、どうやって判断すればいいのでしょうか?
伊藤 あごまでの距離と高さの目安として、ひざまでの高さのあごであれば3ヤード、腰までの高さであれば5ヤード以上あごから離れていたら、グリーンを狙えます(6番アイアンから下の番手)。ライは、左足下がりや目玉でない限り狙っていいでしょう。

ボールが砂の上にきれいに乗っていて、平らな場所か軽い左足上がりならグリーンを狙える
── 番手はどう決めたら良いでしょう?
伊藤 8番で狙える距離ならば、7番を持ってください。基本的にクラブはひと番手上げて打ちましょう。

グリーンまで140ヤードなら8Iから7Iに持ちかえる
絶対にダフらない「8割スウィング」への準備
目線は低く! 目線が高くなると右肩が下がってすくい打ちになる
伊藤 バンカーのあごより高く打とうとして目線が高くなるとダウンスウィングで右肩が下がり、すくい打ちしやすくなります。肩のラインと目線は平行に保つことが大事です。

目線は上げずに、真っすぐ
伊藤 フェアウェイバンカーではダフリがもっともNGなミスです。それに対してハーフトップはOK。先ほどのあごの距離と高さの目安はそれを想定しての基準です。ハーフトップなら距離が十分出ますし、うまくいけばグリーンにも届きますからね。
── 意図的にハーフトップを打つなんて難しそう……。
伊藤 トップが出やすいアドレスをあらかじめ作っておくことです。軽いオープンスタンスに構えて体重を左足に多めに乗せておきましょう。構えができれば、あとは左足体重のままでスウィングするだけ。つまり、これが8割スウィングです。
ポイント①左6:右4の体重配分で構える

左足に6、右足に4の割合で左足体重にする

(左)あらかじめ左6、右4の体重でアドレスしておくと上から打ちやすい。(右)右足体重で構えると、バンカーではダフりやすい
── 体重移動をする必要はないんですね?
伊藤 そうです。今言ったように構えると、クラブがアウトサイドから下りやすくなります。つまり、上からとらえやすくなるんです。ウェートシフトなど考えずに、ボールをヒットしたら、クラブを左に振り抜くイメージを持ってください。
ポイント②体重移動を考えずに「左に振り抜く」

「カット軌道でいいんです」
伊藤 スライスを打つイメージで振るのがコツです。少しオープンに構えたスタンスなりのカット軌道で振ればいいんです。クラブが寝ずに、上からボールを打てるようになります。
ポイント③オープンに構えるのは「上から左に」振りやすくするため

伊藤 ボールを上から正確にヒットするには左足軸のイメージでスウィングするのも重要です。重心を低くキープし、アドレスの左足体重のままでクラブを振る感覚。「8割スウィング」ならば体重移動は抑えられるはず。
── フェアウェイバンカーはトップでもいいと思えば、気持ちが少し楽になりました。
振り幅8割の「8割スウィング」なら下半身がブレない
伊藤 バンカーは足場が不安定ですからフルショットを10とすれば振り幅を8割くらいに抑えます。自然と重心を低くキープできて、下半身が安定し出します。
ポイント④「8割の振り幅はこれぐらいです」

フェアウェイバンカーは足場が不安定なため、芝の上と同じようにフルショットするとスウィング中に両足がずれやすい。クラブを短めに持ち、振り幅をフルショットの8割程度に抑えよう。トップのイメージは両手が右耳の高さくらい。フィニッシュも両手が左耳の高さくらいが目安

フルスウィングだと、体のブレが抑えられなくなる
── 重心を落とした8割スウィングならば頭の上下動もなくなりそうですね。
伊藤 フルショットすると足元がぐらぐらしやすく、前傾角度も変わりやすい。その点、8割スウィングならミート率が上がり、ダフリを防止できます。
── 8割スウィングすることで距離は自然と落ちる。だから、番手をひとつ上げるんですね。これなら、グリーンオンが見えてきました!
伊藤プロ流8割スウィング






【最後にドリル】テープに触れずに打てたら合格!
伊藤 練習場のマットでは、本当はダフっていてもそれに気づかないケースがあります。そこで、ボールの少し手前にテープを貼って、ヘッドがテープに触れないように打つ練習が効果的です。バンカーを想定して、ヘッドをわずかに浮かせてテークバックをスタートしましょう。もちろん、8割スウィングですよ。

ボールの手前に10センチくらいの長さに切り取ったガムテープをマットに貼りつけて練習しよう。マットの場合、手前をダフってもヘッドが滑りやすいため、グッドショットになることが多く、ダフっていることに気づきにくい。番手は7番アイアンで練習しよう

テープに当たらないようになったらテープの位置をボールに近づけよう。ボールの真後ろにテープを張っても当たらなければフェアウェイバンカー名人級だ

伊藤 この練習を積めばフェアウェイバンカーに強くなるだけでなく、アイアンのレベルもかなり上がりますよ。

「8割スウィング」フェアウェイバンカーからグリーンを狙おう
週刊GD2018年10月23日号より