タイガーは昔から"操作性"重視。それがアイアン選びに表れる
ジュニア時代、キャビティバックのピンアイ2のアイアンからスタートしたが、スタンフォード大学に入学したころから、徹底して操作性の高い小さなヘッドのアイアンを使ってきた。「タイガーは自分のスウィングでヘッドを操作したい。つまりインテンショナルに、ドローも、フェードも打ちたいし、弾道の高低も打ち分けたいタイプです。だから"操作性のいいヘッド"を好みます。ドライバーなら小ぶりなヘッド、アイアンならマッスルバックを選ぶ傾向があります。これが基本で、いつの時代も、標準の大きさのヘッドより小さいものを使ってきました」(松尾)
アマチュア時代はミズノのマッスルバックアイアン「MP-29」「MP-14」をコンボ

全米アマ3勝を遂げたタイガーは、当時の先駆けともいえる2種類のアイアンを組み合わせていた。MP-29はロングアイアンとして、MP-14をミドルアイアンからショートアイアンとして使っていた。(1997年)

MP14とMP29。タイガーが使っていたアイアンの同モデル
アマチュア時代の使用クラブ
1W:キングコブラ メタル
3W(14.5度):タイトリスト PT115
2~4I:ミズノMP-29
5I~PW:ミズノMP-14
56・60度:クリーブランド TA588
PT:スコッティキャメロン ニューポートトライレイヤード
プロ転向、タイトリストと契約、T刻印のマッスルバックアイアン


タイトリストと契約したタイガーは、自身初のチタンドライバーを手にし、ウェッジをボーケイに変えた。ノーメッキのボーケイは、その後、ツアーで急速に広まった。(1998年)
プロ転向直後の使用クラブ(1998年)
1W:タイトリスト チタニウム975D
3W(14.5度):タイトリスト PT115
2~PW:タイトリスト プロトタイプ フォージド
56・60度:タイトリスト ボーケイプロトタイプ
PT:タイトリスト スコッティキャメロン ニューポートトライレイヤード
ナイキがクラブ事業に参入。タイガーがナイキの顔になる

2001年にナイキがクラブ事業に参入。タイガーは02年からナイキを使い始めた。1Wは小さなチタンヘッドのプロト。460ccヘッドは05年から使い出したが操作しにくいクラブで操作しようとする葛藤が見え隠れした。(2003年)
ナイキ移行後の使用クラブ(2003年)
1W:ナイキ プロトタイプ
3W(15度):タイトリスト 970
2~PW:ナイキ フォージドプロトTW刻印
56・60度:タイトリスト ボーケイ
PT:スコッティキャメロン ニューポート2プロト

2009年のセッティング。ドライバーはサスクワッチ DYMO。3Wはサスクワッチ。2Iを外してサスクワッチの5Wを入れて話題になった。この時、タイガーは34歳
2016年夏、ナイキゴルフがクラブ事業から撤退。その当時のタイガーの動向について、こんなことを明かしてくれた。「ナイキがクラブ事業から撤退し、テーラーメイドに移る前に、さまざまなメーカーに『小さなドライバーヘッドはないか』とタイガー自身が問い合わせていました。その事実がそれ(タイガーはそこまで操作性を重視していた)を裏付けています」
テーラーメイドに変更。ドライバーのウェート位置に注目

2017年よりテーラーメイドと契約。「現在使用するM3(460cc)は、前モデルのM2より操作性はいいが、かなり大きく、操作できるヘッドとはいい難いです」(松尾)。ソールのウェートをヒール寄りに動かして、操作性を高めているのがわかる。アイアンはTWフェーズ1と刻印されたマッスルバック
現在のクラブ(2018年)
1W:テーラーメイドM3 460
3W:テーラーメイドM3フェアウェイウッド
2I:テーラーメイド ツアープリファード
3I~PW:テーラーメイド TWフェーズ1
56・60度:テーラーメイド ミルドグラインド
PT:スコッティキャメロン ニューポート2 GSS
「現在、テーラーメイドのM3(460cc)を使っていますが、タイガー用にヘッド体積400ccくらいの『M3 TW』か『M5 TW』を作るのでは? と思っています。私ならそうします」と松尾氏。
タイガーのボール変遷

タイトリスト 「プロフェッショナル90」(糸巻きボール)

ナイキTOUR ACCURACY(2ピースボール)

現在はブリヂストンゴルフ TOUR B XS
タイガーがナイキの2ピースボールを使って、00年の全米OPを15打差で圧勝。その後、メジャー4連勝の「タイガースラム」を達成。これをきっかけに世の中から糸巻きボールは消滅する。ナイキがボール事業を終了した後、さまざまなボールをテストした結果、ブリヂストンとボール契約を結んだ。
ネオマレット型を実戦で使った後、今はエースパターに戻る

ロフト/3.5度、ライ角/70度、長さ/35インチ
メジャー14勝のうち13勝を挙げたのがスコッティキャメロンのニューポート2タイプ。9月のツアー選手権で80勝目を挙げたときもこのパターだった。
【タイガー・ウッズ研究 前編】はこちら
佐藤信人とタケ小山がスウィング変遷を分析。「2019年のタイガーは無敵だった2000年よりも強くなる、可能性アリ!」
週刊GD2018年11月6日号より