タイガーは昔から"操作性"重視。それがアイアン選びに表れる
ジュニア時代、キャビティバックのピンアイ2のアイアンからスタートしたが、スタンフォード大学に入学したころから、徹底して操作性の高い小さなヘッドのアイアンを使ってきた。「タイガーは自分のスウィングでヘッドを操作したい。つまりインテンショナルに、ドローも、フェードも打ちたいし、弾道の高低も打ち分けたいタイプです。だから"操作性のいいヘッド"を好みます。ドライバーなら小ぶりなヘッド、アイアンならマッスルバックを選ぶ傾向があります。これが基本で、いつの時代も、標準の大きさのヘッドより小さいものを使ってきました」(松尾)
アマチュア時代はミズノのマッスルバックアイアン「MP-29」「MP-14」をコンボ
アマチュア時代の使用クラブ
1W:キングコブラ メタル
3W(14.5度):タイトリスト PT115
2~4I:ミズノMP-29
5I~PW:ミズノMP-14
56・60度:クリーブランド TA588
PT:スコッティキャメロン ニューポートトライレイヤード
プロ転向、タイトリストと契約、T刻印のマッスルバックアイアン
プロ転向直後の使用クラブ(1998年)
1W:タイトリスト チタニウム975D
3W(14.5度):タイトリスト PT115
2~PW:タイトリスト プロトタイプ フォージド
56・60度:タイトリスト ボーケイプロトタイプ
PT:タイトリスト スコッティキャメロン ニューポートトライレイヤード
ナイキがクラブ事業に参入。タイガーがナイキの顔になる
ナイキ移行後の使用クラブ(2003年)
1W:ナイキ プロトタイプ
3W(15度):タイトリスト 970
2~PW:ナイキ フォージドプロトTW刻印
56・60度:タイトリスト ボーケイ
PT:スコッティキャメロン ニューポート2プロト
2016年夏、ナイキゴルフがクラブ事業から撤退。その当時のタイガーの動向について、こんなことを明かしてくれた。「ナイキがクラブ事業から撤退し、テーラーメイドに移る前に、さまざまなメーカーに『小さなドライバーヘッドはないか』とタイガー自身が問い合わせていました。その事実がそれ(タイガーはそこまで操作性を重視していた)を裏付けています」
テーラーメイドに変更。ドライバーのウェート位置に注目
現在のクラブ(2018年)
1W:テーラーメイドM3 460
3W:テーラーメイドM3フェアウェイウッド
2I:テーラーメイド ツアープリファード
3I~PW:テーラーメイド TWフェーズ1
56・60度:テーラーメイド ミルドグラインド
PT:スコッティキャメロン ニューポート2 GSS
「現在、テーラーメイドのM3(460cc)を使っていますが、タイガー用にヘッド体積400ccくらいの『M3 TW』か『M5 TW』を作るのでは? と思っています。私ならそうします」と松尾氏。
タイガーのボール変遷
タイガーがナイキの2ピースボールを使って、00年の全米OPを15打差で圧勝。その後、メジャー4連勝の「タイガースラム」を達成。これをきっかけに世の中から糸巻きボールは消滅する。ナイキがボール事業を終了した後、さまざまなボールをテストした結果、ブリヂストンとボール契約を結んだ。
ネオマレット型を実戦で使った後、今はエースパターに戻る
メジャー14勝のうち13勝を挙げたのがスコッティキャメロンのニューポート2タイプ。9月のツアー選手権で80勝目を挙げたときもこのパターだった。
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佐藤信人とタケ小山がスウィング変遷を分析。「2019年のタイガーは無敵だった2000年よりも強くなる、可能性アリ!」
週刊GD2018年11月6日号より