ここぞという時のアイアンに限ってチーピンが出てしまう。そういう悩みを持つアマチュアの共通項は「インサイドから下ろす意識が強い人に多い」とティーチングプロの藤原慶昌プロが指摘。ここ一番のチーピンや引っかけをなくすべく、体とクラブの一体感のあるスウィングを藤原プロがレッスンします。
平均スコア92という松島さん「アイアンでチーピンが出ることが多い」
体を大きく使ったダイナミックなアイアンショットを披露する松島さん。ヘッドスピードは申しぶんなさそうです……。
松島 藤原プロ、よろしくお願いします。アイアンで左にミスすることが多いです。
藤原 いかにも腕力が強そうなスウィングです。少し厳しめに指摘してもよろしいですか?
松島 はい、構いません!
藤原 松島さんはトップでクラブを担ぎ上げていて、腕と体の一体感がなくなっているにもかかわらず、力づくで手を引きつけて、タメを作って下ろしています。ただし、その際に、右わき(右ひじ)を絞りすぎているので、手元が浮いて、ヘッドが「落ちて」しまい、必要以上にインサイドから打つ形になって、チーピンが出やすいんです。
松島 インから打つことよりも、腕と体を一体にして上げることのほうが大事、ということでしょうか?
藤原 そのとおりです。特に左わきの締めが重要です。この感覚を身につけるには、まず、普通に立った状態で、腕を真っすぐ前に伸ばして、クラブを垂直に立てて持ちます。そこから、左腕は伸ばしたまま、クラブを体の右側に引っ張って下さい。
松島 左腕が胸に密着して、左わきが締まります。
藤原 そうですね。そのまま上体を腰から前傾すると、テークバックの途中の形になります。それに肩の回転を加えるとトップです。
松島 藤原プロに教わったようにバックスウィングすると、腕が体と一体になっている感じがします。これに比べると、今までは腕と体がバラバラでした。
藤原 左わきが締まったトップができたら、そこから、グリップエンドをズボンの右前ポケットに向かって引き下ろすイメージで、クラブを下ろします。そうすると手元が浮かないので、ヘッドが「落ち」ずに、体の回転で自然なイントゥイン軌道で振れるんです。
見違えるほど変わった松島さんのアイアン
【ドリル】体の前で構えてからハーフショットでボールを打つ
藤原 直立して、クラブを胸の前に垂直に立てた状態から、腕だけでクラブを右に引き、上体を前傾、その姿勢からスウィングしてボールを打ってみてください。腕と体を一体にしたスウィングが身につきますよ。
松島 このドリルを続けてみます。チーピンに悩まずに済みそうです、ありがとうございました。
PHOTO/Yasuo Masuda
TEXT/Daisei Sugawara
週刊GD2018年10月30日号より