フィル・ミケルソンやセルヒオ・ガルシア、石川遼が使用していることでも知られ、日米のゴルファーに人気上昇中のキャロウェイ"クロム ソフト"。はるばるアメリカまで行って、製造現場を直撃。人気の秘密を探ってきた。

東京から18時間。マサチューセッツ州のクロム ソフト製造現場に到着

東京からニューヨークJFK空港に到着し、そこから北東へ車で2時間。マサチューセッツ州の小さな町チコピーにあるキャロウェイのボール工場。歴史を感じさせる煉瓦造りの建物の内部では近代的なマシンがうなりをあげていた。

画像: キャロウェイゴルフのボール工場

キャロウェイゴルフのボール工場

画像: キャロウェイのゴルフボール部門の前身、スポルディング社時代からの歴代ボールがずらり

キャロウェイのゴルフボール部門の前身、スポルディング社時代からの歴代ボールがずらり

画像: 昔のボールの金型を発見。それぞれディンプルに違いがある

昔のボールの金型を発見。それぞれディンプルに違いがある

「ここは100年以上前からボール作りに携わってきたんです」とヴィンス工場長。100年前といえば日本では大正時代。

2003年にキャロウェイがスポルディング社のゴルフ部門を買収したときに作られていた"トップフライト"や"ストラータ"の製造を引き継ぎ、以降、世界に流通するすべてのキャロウェイのボールを一手に製造してきた。

ボール職人と最先端マシンが融合

「やわらかいのに飛ぶ」と評判の"クロム ソフト"と"クロム ソフトX"。米国でのシェアは17%強とタイトリストに次ぐ業界2位。初代の発売が2015年で、今年(2018)で三代目。短期間で爆発的にシェアを伸ばし、この工場で1日数万個が製造されている。

「売り上げは右肩上がりで今後も拡大傾向です。全米でこれほど急成長しているボール工場はありません」とヴィンス工場長は胸を張った。歴史があるだけに、熟練の腕を持つ職人が多いのが強みなんだとか。もの作りはテクノロジーが進んでも、やっぱり人ということだろう。

画像: 日々数万個のボールが生産され、世界中へ出荷されていく

日々数万個のボールが生産され、世界中へ出荷されていく

画像: ボールの原料となるアイオノマーを持つスタッフ

ボールの原料となるアイオノマーを持つスタッフ

画像: 日本でも人気のクロムソフトの「トゥルービス」バージョンのデザインには若手のメイヴさんが抜擢

日本でも人気のクロムソフトの「トゥルービス」バージョンのデザインには若手のメイヴさんが抜擢

画像: キャロウェイ"クロムソフト" ソフトなのに、圧倒的な飛びと打ちやすさも追求したツアーボール。全てのコアの層を再設計し、画期的な新素材「グラフェン」を注入。ボールの初速が劇的に向上した

キャロウェイ"クロムソフト"
ソフトなのに、圧倒的な飛びと打ちやすさも追求したツアーボール。全てのコアの層を再設計し、画期的な新素材「グラフェン」を注入。ボールの初速が劇的に向上した

"クロム ソフト"が作られるまでの作業工程
工程1.ゴムを練る
工程2.ゴムを成形しインナーコアを作る
工程3.インナーコアにアウターコアをかぶせる
工程4.射出成形で中間層、ウレタンカバーを作る
工程5.出来上がったボールにプリントする
工程6.コーティングして検査を経て出来上がり

HS40m/s以下の人こそ使うべき! 人気に火をつけたのはアマチュアの口コミ

クロム ソフトの人気の秘密をボール開発部のロック石井氏に聞いてみた。

画像: 左)ヴィンス工場長 右)ボール開発の雄ロック石井氏

左)ヴィンス工場長 右)ボール開発の雄ロック石井氏

石井 ツアーモデルですが、アマチュアの口コミで人気が広がっていったんです。プロ発信ではなく、アマ発信。新しいパターンですね。

── ツアーボールと聞くと、ヘッドスピードが速くないと飛ばせない気がしますが。

石井 やわらかいボールのメリットは低ヘッドスピードでも初速が出せること。インパクトで球がつぶれることでスピンも減り飛距離が伸びるんです。

── ボールの構造について教えてください。

石井 グラフェンというナノテク炭素繊維を採用しました。これは地球上で一番軽くて強い素材です。アウターを薄くできるぶんインナーコアを大きくできます。しかも、ウレタンカバーだからスピンが効く。使うとみんな「これいいね!」ってなるんです。

画像: これがあの"グラフェン"をボールに注入するマシーン。中身はさすがに非公開

これがあの"グラフェン"をボールに注入するマシーン。中身はさすがに非公開

飛ばしたいアマチュアの心をくすぐる革新的な技術と熟練の職人技。この2つがクロム ソフト人気の根っこでした。

月刊GD2018年10月号より

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