「グラファイトコンポジット」「ツイストフェース」、MのDNA

グラファイトコンポジットのクラウン、異素材のソールパネルの採用等により多くの余剰重量を生んだ
「M3」「M4」のDNAが注入された「Mグローレ」は、必然的にフルチタンヘッドからグライファイトコンポジットへと舵を切った。これだけでも、前作「F2」よりもやさしく高弾道のドローが打ちやすくなったと言う。MのDNAはまだまだ続く。フェース面をツイスト(捻じる)させることで、打点のバラつきによる曲がり幅と飛距離ロスの軽減を実現させたツイストフェース。「Mグローレ」では、これを鍛造製法によるフォージド ツイストフェースとし、前記性能に加えて、カーボンクラウンとは思えない、心地よい打感と打音となった。音や感触にこだわる日本人ゴルファーに合致した性能まで得たわけだ。
ヘッドの複合素材コンポジット化により50グラムの余剰重量を確保。その重量をヒール後部と周辺部にバランスよく配置したことで「つかまりの良さ」がさらにアップした。

50万発のデータから、ミスヒットしやすいトウ上とヒール下をねじり、曲がりを緩和する「ツイストフェース」。最新技術をフォージドで実現したことで、性能はそのまま、打感と打音が向上した

複合ヘッドによる余剰重量を最適配置。つかまりの目安となる重心角は30.8度。前作F2と比べて約5度大きく(編集部調べ)

ロフト ライ 弾道調整機能をなくした。ヘッド重量は195グラムに抑えられた。これも最適重心機能に起因

2本のリブが反発力を上げるハンマーヘッド。ソールのフェース側に溝を設け2本のリブで支えている。これにより反発力が高まった
Mグローレ試打。「前作F2よりも飛ぶ。打感が明らかにソフト」

「M3」、「M4」と比較しながらMグローレを試打テスト

【試打解説】福永和宏プロ
スウィング理論とともにギアにも造詣が深い。ツアー1勝
「グラファイトコンポジットのクラウンとは到底思えない爽快な音と打感、気持ちいいです。弾きが強いのに、フォージドフェースのせいかボールがフェースに乗る感じもある。弾きつつ押せるというか、パワーが伝わる感じです」とその弾き感に驚く福永プロ。
インパクトのフィーリングだけでなく弾道については、「総重量281グラム(S)は僕にとってはアンダースペックだけど、吹き上がらずに、強くて重い高弾道のドローがいとも簡単に打てる。ドローが打ちやすいだけでなく、とても重い球で飛んでいくところがポイント。何より打感が柔らかくて、飛距離も出て、風にも強い球で飛ぶ。この進化には正直びっくりです」
「球の高さは、高弾道順に『Mグローレ』・『M4』・『M3』。『Mグローレ』は高いけど吹けずにドローで伸びていく。ひたすら真っすぐの『M4』、操作できる『M3』という感じです」。さらにツイストフェースの効果について、「叩いても過度にフックしないのは、ツイストフェースの効果でしょう。今まで培ってきたグローレの良いところは残しつつ、プラスアルファの高性能を身につけた印象です。腕前を問わず武器になるドライバーだと思います」と絶賛だった。

スクェアな顔で座りがいいby福永プロ
「ヘッドを置いたときスクェアに収まるから構えやすい。白い部分のおかげでラインも出しもラク」

弾くのに打感がソフトby福永プロ
「M3、M4より打感が柔らかく、前作F2よりも明らかにソフト。打感と打音も複合素材のヘッドとは思えない」

伸びるドローボールが出るby福永プロ
「打感はソフトなのに、弾き返す感じが強い。そして、球がつかまります」
【福永プロが分析した「Mグローレ」飛距離アップの好循環】
曲がらない・明確につかまりやすいからやさしい
↓
フルスウィングに集中できる
↓
ヘッドスピードがアップする
↓
さらに飛ぶ!

ヘッド構造でつかまえるので、見た目は構えやすいスクェアフェース。グローレF2よりもフェースの出方が小さくなり、そのぶん深重心になっている

フジクラと共同開発した軽量の「スピーダー」。全体がなめらかにしなりつつ、先端が軟らかい強い弾き感が得られ、飛距離アップにつながる。ヘッド内部のヒール側とヒール後方にウエイトを配置。つかまりやすさを追求しているのがわかる
日本人のために進化を遂げたMグローレ、打ってみる価値はきっとある。
月刊GD2018年12月号より