グリーン周りで「少し球を上げられれば…」なんて思ったとしても実際は、ミスが怖くて普段通りの転がしか、良くてピッチ&ラン。「でも、それではスコアは頭打ちになるのがオチ」と、ツアー優勝の経験を持つ竹谷佳孝プロに聞きに行った。「皆さんが思っているほど、難しいテクニックではないですよ。構えと理屈さえ覚えれば、明日からでもできます」という心強い言葉。早速、その方法を教えてもらおう。

【指導】竹谷佳孝プロ
1980年生まれ、山口県出身。14年「日本ゴルフツアー選手権 森ビル杯」を制し、ツアー初優勝を国内メジャーで飾る。ショートゲームとパットの上手さで飛ばし屋と対等に戦うプロのひとり

誰でもできる‟プチロブ”を覚えましょう。‟肩から肩”の振り幅で、ゆっくり振る

竹谷プロがお薦めする「上げるアプローチ」は、ミスが少なくすぐ体得できるというプチロブ。

竹谷 ヘッドを走らせるロブショットは、トップした時に飛びすぎるし怖がってゆるんだりもします。そこで覚えてほしいのが、ゆっくり振ってフワリと上げる打ち方。これだとミスの幅は小さく、免疫のない方でも実践しやすいはず。SWのフェースを開く必要もありません。

── でも、ゆっくり振るのって難しくないですか?

竹谷 手先でスピードを調整しようとするからですよ。手は極力使わず、体の回転だけで振るのがコツです。

20ヤードなら振り幅は肩から肩。普段の50ヤードを打つ感じ(竹谷)

画像: 肩から肩の振り幅で、アドレス時の手の位置を通過させる意識を持って振るだけ。つねに体の前に手があり、インパクト以降は惰性で動く。ひじを抜いたりする必要はなし

肩から肩の振り幅で、アドレス時の手の位置を通過させる意識を持って振るだけ。つねに体の前に手があり、インパクト以降は惰性で動く。ひじを抜いたりする必要はなし

画像: 20ヤード打った時のキャリー、ラン、高さの目安図

20ヤード打った時のキャリー、ラン、高さの目安図

【プチロブのポイント①】スタンスはスクェア。ボール位置は左かかと前

画像: 肩、腰、ひざ、足を目標に向け、ボールは左かかと前にセット。左のつま先を少しだけ目標に向ける。バンカーの手前、砲台グリーン、サブグリーンに最適。何事も無理は禁モツ

肩、腰、ひざ、足を目標に向け、ボールは左かかと前にセット。左のつま先を少しだけ目標に向ける。バンカーの手前、砲台グリーン、サブグリーンに最適。何事も無理は禁モツ

【プチロブのポイント②】体の回転を使ってゆっくり振る

画像: 体の正面に腕とクラブを置き、腕を正面に保ったまま左右に振る。「体で振るとブレませんし、動きがゆっくりになります」(竹谷)

体の正面に腕とクラブを置き、腕を正面に保ったまま左右に振る。「体で振るとブレませんし、動きがゆっくりになります」(竹谷)

竹谷 繰り返しになりますが、スクェアに構え、普段どおりイン・トゥ・インに振るだけ。開くとボール位置も分かりづらくなるし方向性もズレやすい。はじめての方でもすぐできるはずなので、コースで積極的に使って‟プチロブ”経験値を上げていきましょう。

中級編は‟ホンロブ”。高速グリーンの奥からや砲台グリーンで使います!

竹谷 前出のプチロブを体得したら、8割方の状況では切り抜けられます。せっかくなので、ワンステージ上がるテクニックも紹介しましょう。

── でも、切ったり、開いたり、超絶テクなのでは?

竹谷 そこまで難しく考える必要はありませんって(笑)。ちょこっと上げる‟プチロブ”が基本形とすると「もう少し上げたいな」という時は、気持ちフェースを開くか、ボール位置をさらに左へ置くだけで大丈夫。振り方は同じで構いません。

竹谷 手を使わずに、体で振ればゆるやかなヘッド軌道になります。払うように打つという基本さえ守っていれば、意外と難しくありませんよ。

【ホンロブのポイント①】プチロブの構えからフェースを開く

画像: 「フェースを少し開くだけで、アドレスや振り方はプチロブと同じ。距離感は覚えるしかないですが、目安としてはプチロブの飛距離より1~2割減くらいです」(竹谷)

「フェースを少し開くだけで、アドレスや振り方はプチロブと同じ。距離感は覚えるしかないですが、目安としてはプチロブの飛距離より1~2割減くらいです」(竹谷)

【ホンロブのポイント②】振り子のようにフェースを使う

画像: フェース開閉をすると、球が飛びすぎる。「勢いを殺すためには、振り子のように振る。パットのストロークに近いですね」(竹谷)

フェース開閉をすると、球が飛びすぎる。「勢いを殺すためには、振り子のように振る。パットのストロークに近いですね」(竹谷)

【ホンロブのポイント③】球を上げるには、恐れずヘッドを走らせることが大事

画像: 中級編は‟ホンロブ”。高速グリーンの奥からや砲台グリーンで使います!
画像: 「フェースを開き、思い切りヘッドを走らせる。成功すれば気持ち良いですよ」

「フェースを開き、思い切りヘッドを走らせる。成功すれば気持ち良いですよ」

PHOTO/Kazuo Iwamura

月刊GD2018年12月号

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