パットの転がりや打感、打音を左右するパターのフェース。かつては平らなツルツルのフェースがほとんどだったが、研究が進みフェースに溝を入れることでボールの転がりをコントロールし、順回転までの時間と距離を短縮、さらに打点ミスにも強くする効果を上げている。最新パターのフェース面を超接写、その違いを観察しよう。

距離感がつかみやすい「ノンインサート」

「トゥーロン パター ポートランド」(オデッセイ)

ひし形の溝は打感と打音を、短い水平の溝が直進性を生む

画像: ひし形の溝は打感と打音を、短い水平の溝が直進性を生む

フェース全面にひし形の溝(ダイヤモンドパターン)が深くミーリングされており、その中央にある小さな溝がボールのディンプルと噛み合い、転がりを良くしている。金属系の打感と高めの打音が心地よい。

ロフト角/3.0度 ライ角/70度 ヘッド素材/303ステンレス、スチール+アルミニウム

「セレクト ニューポート2」(スコッティキャメロン)

狭い間隔で太く刻まれたフェースミーリング

画像: 狭い間隔で太く刻まれたフェースミーリング

フェース素材にソフトステンレスを使用しているが、ディープミルド加工によりツアープロや中上級者が好むソフトな打感を生んだ。澄んだ打音と相まって方向性と距離感がイメージしやすい。

ロフト角/3.5度 ライ角/70度 フェースインサート/303ソフトステンレス ヘッド素材/303ソフトステンレス

「セレクト ニューポート3」(スコッティキャメロン)

アルミ素材のフェースは溝が浅く、ソフトな打音

画像: アルミ素材のフェースは溝が浅く、ソフトな打音

ステンレスのボディにアルミのインサートを使用したマルチ・マテリアル構造。弧を描く溝構造はニューポート2と同じだが。こちらは材質がやわらかいアルミニウムフェースなので溝が浅く、打音は小さい。

ロフト角/3.5度
ライ角/70度
フェースインサート/6061アルミニウム
ヘッド素材/303ソフトステンレス

転がりと打感をよくする「樹脂インサート」

「EXOパター SEVEN」(オデッセイ)

樹脂のインサートに埋め込まれたステンレスの突起

画像: 樹脂のインサートに埋め込まれたステンレスの突起

オデッセイの代名詞「ホワイト・ホット」と、転がりに特化した「マイクロヒンジ」が融合。「打音」「打感」「ボールスピード」の3要素に、順回転のかかりやすさがプラスされた。

ロフト角/3.0度 ライ角/70度 フェースインサート/ホワイト・ホット マイクロヒンジ・インサート ヘッド素材/ステンレス+アルミ

「オー・ワークス ツアー #2シルバーバージョン」(オデッセイ)

黒いウレタンでカバーされた無数のステンレス突起

画像: 黒いウレタンでカバーされた無数のステンレス突起

インパクト直後のボールはすぐに「転がる」のではなく「跳ねる」「滑る」と言われ、このときに芝との摩擦や芝目に影響される。その時間を短くし、素早く順回転をかけるための突起が「マイクロヒンジ」だ。

ロフト角/3.0度 ライ角/70度 フェースインサート/マイクロヒンジ・インサート ヘッド素材/ステンレススチール

「レッドボールパター」(オデッセイ)

樹脂の小さな楕円でボールの横滑りを防ぐ

画像: 樹脂の小さな楕円でボールの横滑りを防ぐ

フェースの開閉はボールがフェース上を滑る要因とされる。その滑りをなくし、直進性を高めるのが「ホワイト・ホット」だが、突起を楕円形状にすることで、より安定した転がりを実現している。

ロフト角/3.0度 ライ角/70度 フェースインサート/ホワイト・ホットRXインサート ヘッド素材/ステンレススチール+アルミ

「シグマ2 アンサー」(ピン)

中心部が最も深く、上下左右を浅くした樹脂フェース

画像: 中心部が最も深く、上下左右を浅くした樹脂フェース

強度の違う樹脂「ぺバックス」を使用した二重構造インサートの採用で、打感と打音が向上。溝の深さを均一でなく、中心を深くした「TR溝」の効果で、ミスヒットしても転がる距離が安定。しっかりカップまで届いてくれる。

ロフト角/3.0度 ライ角/70度 フェースインサート/ぺバックス(エストラマー) ヘッド素材/14-7ステンレススチール

「スパイダー ツアーレッド ダブルベント」(テーラーメイド)

下向き45度に刻まれた溝で、インパクト時から順回転

画像: 下向き45度に刻まれた溝で、インパクト時から順回転

ディスタンス系ボルフボールのカバーと同じ「サーリン」素材のインサートに、下向き45度の角度で溝が刻まれている。インパクト時にボールをしっかりとらえ、インパクト直後から順回転を作り出す。直進性の高いスムーズな転がりが特徴。

ロフト角/2.5度 ライ角/70度 フェースインサート/アイオノマー(サーリン) ヘッド素材/アルミニウムボディ+スチールフレーム

週刊GD2018年12月11日号より

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