今季、賞金王レースを引っ張り続け、見事、初の賞金王に輝いた今平周吾。好調を持続したショット力の元をプロコーチ・江連忠が分析する。

今平周吾
いまひらしゅうご。1992 年生まれ。26 歳。11 年に19 歳でプロ転向。14 年にチャレンジツアーの賞金王となり、17 年に関西オープンでツアー初優勝を果たす。ツアー2勝。2018年賞金王。

平行な3本線がグッドショットを約束する!

五角形インパクトでラインを出す

自然体のアドレス、余計な力みのない腕、地面に吸い付くような脚使い、横の移動を大きく使いつ
つも上下にブレない動き、R・マキロイばりのキレイでバランスのよいフィニッシュ。いまボクが日
本人のなかで最も好きなのが、今平周吾クンのスウィングです。

特徴的なのは、トップからインパクトにかけて左ひじを曲げ、両腕が作る五角形をキープして使うところでしょうか。

これはL・ウエストウッドやJ・スピースにも見られる動きですが、球を曲げずにラインを出していこうという強い意思が感じられます(ただし、本人が意図してやっている動きではないのでマネをするのはやめましょう)。

注目してもらいたいのは、フォローのクラブの抜き方、腕の返り方です。方向性を重視したインパ
クトから一瞬でシャープにヘッドを走らせる。その能力があるからこそ、小柄でも飛んで曲がらない
ショットが実現できるのです。

スウィングプレーンは日本人選手のなかでもっとも美しい

基本的に、点よりは線、線よりは面、小さな面よりは大きな面でとらえたほうが、球は曲がりにくくなります。そういう意味で言うと、今平クンのスウィングには、いくつもの大きな面が見えます。

なかでもわかりやすいのはスウィングプレーンの面でしょう。後方から見ると、ダウン、インパクト、フォローの面がキレイに揃っているのがわかると思います。さらに、その面に対してフェースが
まったくねじれていません。

この美しいスウィングプレーンとフェースローテーションの少ない動きがあるから、フォローでシ
ャープにヘッドを走らせても、球がつかまりすぎたり、ねじれたりすることがないのです。

正直に言って、彼はいま日本人選手のなかで最もバランスがよく、スウィングプレーンのいいプレーヤーだと、ボクは考えています。仮に、自分がコーチになったとしても、もう教えることがないほど、スウィング的には完璧に近いのではないでしょうか。

今後世界に出ていくとき、その体の大きさが心配されることがあるかもしれません。しかし、彼には、どこに行っても自分を貫いていけるような強さも感じます。

あとは、270~280ヤード先の落とし所を3ヤード刻みで打っていける技術と自信をつけ、パッティングスキルを磨いて、ほんの少しの運を手に入れる。それができれば米ツアーでも安定して活躍できるプレーヤーになれると、ボクは信じています。

【解説】江連忠
えづれただし。多くのツアープロを勝利へと導いた日本におけるプロコーチの草分け的存在。週刊GD誌にて『新モダンゴルフ』連載中。

週刊GD2018年12月18日号より

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