PGAツアーの下部ツアー「ウェブドットコムツアー」で大暴れしていたキャメロン・チャンプ。2019年シーズン開幕からPGAツアーに登場するやいなや、出場2戦目の「サンダーソンファームズ選手権」で優勝。現在の賞金ランクは8位、世界ランクも1年間で1057位から97位まで急上昇。注目は平均328ヤードの飛距離だ。驚異的な飛ばしの秘密を、プロコーチ・内藤雄士が解説。

キャメロン・チャンプ(Cameron Champ)
1995年、米国カリフォルニア生まれ。2018年「ウェブドットコムツアー」賞金王。2019年シーズンはPGAツアー出場2試合目で優勝を飾った大注目のツアールーキー。183センチ

「右サイドの締まり」と「左サイドの壁」、いずれも強烈

弾道計測器の数字によると、ヘッドスピードは58.8m/s、ボール初速は87m/s、スピン量は2767回転。キャリーは350ヤード超え。昨シーズンの平均飛距離は343.1ヤード。

右サイドのパワーを余すことなくボールにぶつけていきます。その準備がテークバックに表れています。右足太もも、右ひざ、右足が正面を向いたまま、しっかりと右股関節にパワーを充填させてトップの体勢を作ります。(正面2コマ目)

ダウンスウィングからは左サイドがまったく流れません。左足を伸ばして、右サイドのパワーを逃がさずにボールに伝えます。(左足が伸びるインパクト/正面4コマ目)

コーチのショーン・フォーリーによって磨き上げられた技術と高い身体能力がハイレベルで融合したスウィングです。

回旋運動によどみがない。叩かずに「押す」

後方から見ても、トップからダウンスウィングにかけてのエネルギーの凝縮の仕方が強烈なのがわかります。例えば、右腕の使い方は、160キロの球を投げる野球のピッチャーの右ひじと同じような使い方です。右ひじが先行するのに、インパクトの直前までリストコックは解けません。(後方3コマ目)

インパクトの写真を見ると、回旋運動が止まらずに胸が開いています。叩くだけでなく、ボールを押し込んでいるので、飛距離だけでなく、方向性も良くなるのです。

【解説/内藤雄士】
プロコーチ。コーチングのかたわらPGAツアー中継の解説も務め、ツアーの最新技術情報に精通。

PHOTO/JJ Tanabe

月刊GD2019年1月号より

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