【227ヤード・パー3】東京よみうりカントリークラブ18番でプロはどう考えた?
![画像: 東京よみうりカントリークラブ18番(227ヤード・パー3)トッププロでも嫌がる日本一有名な長いパー3だ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/6687a814f71bd449899f94390797042aba355dc3_xlarge.jpg)
東京よみうりカントリークラブ18番(227ヤード・パー3)トッププロでも嫌がる日本一有名な長いパー3だ
2018年11月29日から行われたツアー最終戦「日本シリーズJTカップ」。名物ホールの18番をプロはどんな考えで攻略していたのか。3選手に攻略法を聞くと「バーディを狙ったり、無茶な攻め方はしません」と口を揃えた。トッププロでも、難度の高いパー3では、"2"を考えずに、"5"を防ぐ"3"以上、つまり"3.5"で考えていた。
![画像: 秋吉翔太プロ 1990年生まれ。2018年はミズノオープンで初優勝。ダンロップ・スリクソンオープンでも優勝し、ツアー2勝を挙げた](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/4d98be913a43e867d63db4bfb594e12735f03b57_xlarge.jpg)
秋吉翔太プロ
1990年生まれ。2018年はミズノオープンで初優勝。ダンロップ・スリクソンオープンでも優勝し、ツアー2勝を挙げた
秋吉 まずはグリーンセンター狙いですね。バーディを狙いに行くというより、パーを確実に取りにいくイメージ。このホールに限らずですが、スタート前に距離が長いパー3があるかチェックして、最初からボギーで上がれればいいと割り切ることも大切です。その難しいパー3で少ない打数で上がれればモチベーションも上がりますし。パーを狙うより+1打と考えたほうが気持ちが楽になり、意外とパーが取れたりするんですよね。(18番ホール大会成績:初日パー・2日目パー・3日目ダブルボギー・最終日パー)
![画像: 重永亜斗夢プロ 1988年生まれ。2018年は初戦の東建ホームメイトカップでツアー初優勝](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/3bcf0a25a040f56ff806af304f2aa21618f2f6f7_xlarge.jpg)
重永亜斗夢プロ
1988年生まれ。2018年は初戦の東建ホームメイトカップでツアー初優勝
重永 まずはピン位置を確認して、どこのポジションなら外してもいいかを考えます。たとえばピンからどれだけ幅があるか、アプローチはどちら側が寄せやすいかなど。距離があるパー3では難しく考えすぎないで、確実にパーを獲るマネジメントをしています。(18番ホール大会成績:初日パー・2日目パー・3日目ボギー・最終日パー)
![画像: 出水田大二郎プロ 1993年生まれ。2018年はRIZAP KBCオーガスタでツアー初優勝](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/ceb9efcfebf7b971a8ae1070311ecb120c8a5fe2_xlarge.jpg)
出水田大二郎プロ
1993年生まれ。2018年はRIZAP KBCオーガスタでツアー初優勝
出水田 普通のパー3ではまずバーディを考えますが、距離が長かったら大叩きしないことを考えます。手前から攻めることを基本に、ピンのニアサイドに外さないことを心がけます。パーが取れる一番安全な場所に攻めていきますね。そうすれば最悪でもボギーで抑えることができます。(18番ホール大会成績:初日パー・2日目ボギー・3日目パー・最終日パー)
【日本シリーズ初日の結果】ワンオンは半数以下でも、8割以上がパーセーブ
ホール:18番(227ヤード)
ピン:手前から12ヤード
外した場所:左1人、右16人(ワンオン13人)
プロでも長いパー3だと半数以上がグリーンをとらえられなかった。しかし、ほとんどの選手が寄せやすい右側に外し8割以上がパーセーブ。プロの技術があっても、ピンを狙わずに外していい場所を狙って攻めてることがわかった。
アマチュアこそ、長いパー3は「ピンが右なら左狙い」が正解です
![画像: 【指導】野内尚美プロ 男女問わず多くのアマチュアを指導。所属の千葉よみうりCCではコースマネジメントを取り入れたラウンドレッスンを行っている](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/62c8bd119d18eb5c74b5655d2cc7aa3f148710d4_xlarge.jpg)
【指導】野内尚美プロ
男女問わず多くのアマチュアを指導。所属の千葉よみうりCCではコースマネジメントを取り入れたラウンドレッスンを行っている
── プロでもピンを狙わないのですから、アマチュアは長いパー3でピンを攻めるなんて考え方はやめたほうがいいのでしょうか?
野内 そもそもアマチュアの皆さんは、長いパー3になると方向性の意識が薄れ、"飛ばし"に集中するケースが多いようです。3.5を狙うには、しっかり狙いどころを定めることが大切です。
── では、狙いどころは?
野内 グリーンを二分割して考えてください。ピン位置と逆のエリアに打てばいいんです。ピンが右なら左、左なら右ですね。狙いどころをグリーンの外に設定すると、いい意味で適当に打てますよ。仮にワンオンできなくても、ピン近に外したアプローチより断然やさしい2打目が打てます。
![画像: NGゾーンを狙って外すと、ピンまでの距離が短く、難しいアプローチが必要になるなどリスクが大きい。OKゾーンを狙って「乗ったらいいな」の気持ちで打てれば、力みが取れてリズムもよくなりナイスショットが出やすくなる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/f67cce5c348550b29ba0c2e3878b7eb158a09267_xlarge.jpg)
NGゾーンを狙って外すと、ピンまでの距離が短く、難しいアプローチが必要になるなどリスクが大きい。OKゾーンを狙って「乗ったらいいな」の気持ちで打てれば、力みが取れてリズムもよくなりナイスショットが出やすくなる
【OKゾーンを狙うことのメリット】
![画像: ①1打目が楽に打てる グリーンを外れてもやさしいアプローチで寄せワンが狙えると覆えば気楽に打てる。ピンばかり意識すると力みやすくなってしまう](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/e8b516a9e6af73daa9ffb14f5936e1038c40492c_xlarge.jpg)
①1打目が楽に打てる
グリーンを外れてもやさしいアプローチで寄せワンが狙えると覆えば気楽に打てる。ピンばかり意識すると力みやすくなってしまう
![画像: ②アプローチの選択肢が広がる 仮に1オンできなくてもピンから遠くなるので、ピッチエンドランなど得意なクラブで寄せることができる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/b0ad63c7e81595752a49e92b38d0836763f3e476_xlarge.jpg)
②アプローチの選択肢が広がる
仮に1オンできなくてもピンから遠くなるので、ピッチエンドランなど得意なクラブで寄せることができる。
【NGゾーンを狙うことのデメリット】
![画像: グリーンを外したときのリスクが大きい ピンがある側に外すとアプローチで寄せるのは至難の業。SWで上げる難しいアプローチしか選択肢がなくなる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/b46f3010ccc6fddf022667429d89925e4f651513_xlarge.jpg)
グリーンを外したときのリスクが大きい
ピンがある側に外すとアプローチで寄せるのは至難の業。SWで上げる難しいアプローチしか選択肢がなくなる
![画像: ティショットのコツ ピンと同じサイドに立つのが基本。ピンが右なら、ティグランドの右側に立つと狙いたいピンの逆側を広く使えます](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/11c41b009709079e3dcea8bcc3e6b88d500a4205_xlarge.jpg)
ティショットのコツ
ピンと同じサイドに立つのが基本。ピンが右なら、ティグランドの右側に立つと狙いたいピンの逆側を広く使えます
![画像: 右のピンに対してティグランドの左側に立つと、より右を向きやすくなり、ピン近に外しやすくなります](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/fd4a80ca9a27bba4aa0b7b9b8958e628009d8ab1_xlarge.jpg)
右のピンに対してティグランドの左側に立つと、より右を向きやすくなり、ピン近に外しやすくなります
── ピンがど真ん中にあったり、前後にある場合は?
野内 ピンがセンターや奥なら花道を狙いましょう。ピンが手前なら奥が狙い目です。
── グリーン奥からは難しいラインが残りませんか?
野内 東京よみうりCCの18番のように、グリーン傾斜がきついならピンが手前でも花道を狙います。でもそんな傾斜のあるグリーンは世にまれ。やはり「ピンと逆サイドに打つ」が3.5を狙うための基本的な考え方です。
![画像: アマチュアこそ、長いパー3は「ピンが右なら左狙い」が正解です](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2018/12/18/733c7f4acbb4a259e739442e4ff1a026d1de1660_xlarge.jpg)
千葉よみうりCCのパー3でアマ50人を定点観測
ホール:18番(202ヤード)
ピン:右奥
左外し(19人):パー6人、ボギー10人、ダボ以上3人
右外し(19人):パー1人、ボギー6人、ダボ以上12人
ピンの逆側に外したほうがボギー以内の確率が圧倒的に高かった!
週刊GD2018年12月25日号より