【227ヤード・パー3】東京よみうりカントリークラブ18番でプロはどう考えた?
2018年11月29日から行われたツアー最終戦「日本シリーズJTカップ」。名物ホールの18番をプロはどんな考えで攻略していたのか。3選手に攻略法を聞くと「バーディを狙ったり、無茶な攻め方はしません」と口を揃えた。トッププロでも、難度の高いパー3では、"2"を考えずに、"5"を防ぐ"3"以上、つまり"3.5"で考えていた。
秋吉 まずはグリーンセンター狙いですね。バーディを狙いに行くというより、パーを確実に取りにいくイメージ。このホールに限らずですが、スタート前に距離が長いパー3があるかチェックして、最初からボギーで上がれればいいと割り切ることも大切です。その難しいパー3で少ない打数で上がれればモチベーションも上がりますし。パーを狙うより+1打と考えたほうが気持ちが楽になり、意外とパーが取れたりするんですよね。(18番ホール大会成績:初日パー・2日目パー・3日目ダブルボギー・最終日パー)
重永 まずはピン位置を確認して、どこのポジションなら外してもいいかを考えます。たとえばピンからどれだけ幅があるか、アプローチはどちら側が寄せやすいかなど。距離があるパー3では難しく考えすぎないで、確実にパーを獲るマネジメントをしています。(18番ホール大会成績:初日パー・2日目パー・3日目ボギー・最終日パー)
出水田 普通のパー3ではまずバーディを考えますが、距離が長かったら大叩きしないことを考えます。手前から攻めることを基本に、ピンのニアサイドに外さないことを心がけます。パーが取れる一番安全な場所に攻めていきますね。そうすれば最悪でもボギーで抑えることができます。(18番ホール大会成績:初日パー・2日目ボギー・3日目パー・最終日パー)
【日本シリーズ初日の結果】ワンオンは半数以下でも、8割以上がパーセーブ
ホール:18番(227ヤード)
ピン:手前から12ヤード
外した場所:左1人、右16人(ワンオン13人)
プロでも長いパー3だと半数以上がグリーンをとらえられなかった。しかし、ほとんどの選手が寄せやすい右側に外し8割以上がパーセーブ。プロの技術があっても、ピンを狙わずに外していい場所を狙って攻めてることがわかった。
アマチュアこそ、長いパー3は「ピンが右なら左狙い」が正解です
── プロでもピンを狙わないのですから、アマチュアは長いパー3でピンを攻めるなんて考え方はやめたほうがいいのでしょうか?
野内 そもそもアマチュアの皆さんは、長いパー3になると方向性の意識が薄れ、"飛ばし"に集中するケースが多いようです。3.5を狙うには、しっかり狙いどころを定めることが大切です。
── では、狙いどころは?
野内 グリーンを二分割して考えてください。ピン位置と逆のエリアに打てばいいんです。ピンが右なら左、左なら右ですね。狙いどころをグリーンの外に設定すると、いい意味で適当に打てますよ。仮にワンオンできなくても、ピン近に外したアプローチより断然やさしい2打目が打てます。
【OKゾーンを狙うことのメリット】
【NGゾーンを狙うことのデメリット】
── ピンがど真ん中にあったり、前後にある場合は?
野内 ピンがセンターや奥なら花道を狙いましょう。ピンが手前なら奥が狙い目です。
── グリーン奥からは難しいラインが残りませんか?
野内 東京よみうりCCの18番のように、グリーン傾斜がきついならピンが手前でも花道を狙います。でもそんな傾斜のあるグリーンは世にまれ。やはり「ピンと逆サイドに打つ」が3.5を狙うための基本的な考え方です。
千葉よみうりCCのパー3でアマ50人を定点観測
ホール:18番(202ヤード)
ピン:右奥
左外し(19人):パー6人、ボギー10人、ダボ以上3人
右外し(19人):パー1人、ボギー6人、ダボ以上12人
ピンの逆側に外したほうがボギー以内の確率が圧倒的に高かった!
週刊GD2018年12月25日号より