2018年の日本プロ選手権では大会最年長で優勝を果たした谷口徹。「20ヤード以内のグリーン周りなら、ベタ寄せが当たり前」と話す、誰もが認める寄せ名人だ。プロたちすら舌を巻く超絶アプローチ技を特別公開!

【指導】谷口徹プロ
40歳を過ぎてから日本プロゴルフ選手権で3勝。50歳で迎えた2018年の「日本プロ選手権」では大会最年長優勝を遂げるとともに、ツアー通算20勝目(メジャー5勝)を記録した。

「狙った傾斜に7Iで当てる!」転がしは地面の"硬さ"をチェック

シチュエーションは、ボールからグリーンまでは登り傾斜で、グリーンエッジからカップまでは下りというアプローチ。寄せるには手前の土手にクッションを入れる打ち方しかないですが、問題は当てる場所です。

多くの人は土手の頂点近くを狙うと思いますが、傾斜がきつく球の勢いが落ちすぎてショートする危険があります。

画像: この場合、手前の緩い斜面を狙うほうが計算しやすい。地面が硬いと当たった時に弾いてくれるので計算しやすいですが、柔らかい場合は予測が難しくなります

この場合、手前の緩い斜面を狙うほうが計算しやすい。地面が硬いと当たった時に弾いてくれるので計算しやすいですが、柔らかい場合は予測が難しくなります

僕は7番アイアンで手前の緩い斜面を狙います。構えは小さく、クラブも短く持つのがポイント。当てる場所の芝(地面)の柔らかさをチェックし、どのくらいのスピードで当てたらどのくらい跳ねて、グリーンに乗ったらどれくらい転がるか、イメージ作りを大切にします。

画像: 落とし所の周辺を歩いてみると、足から読み取れて、硬いか柔らかいかが分かります。そのうえで狙い所と球の打ち出しスピードを判断するんです

落とし所の周辺を歩いてみると、足から読み取れて、硬いか柔らかいかが分かります。そのうえで狙い所と球の打ち出しスピードを判断するんです

画像: 52度(写真)という選択もありますが、上げようとすると振り幅が大きくなり、スピンがかかります。その結果、転がりの計算が難しくなります

52度(写真)という選択もありますが、上げようとすると振り幅が大きくなり、スピンがかかります。その結果、転がりの計算が難しくなります

上げにくい左足下がりでは、 バンカーショットを思い出そう

左足下がりでピンが近い場合は、重心を下げて構えることです。バンカーで足を砂に埋め込むと確実にボールの下にヘッドが入りますよね。あの感覚を思い出すんです。

画像1: 上げにくい左足下がりでは、 バンカーショットを思い出そう
画像2: 上げにくい左足下がりでは、 バンカーショットを思い出そう

フェースを開いて、コックをかなり入れて、下半身を使わず打ちます。すると、ヘッドがボールを追い越していくような感じで打て、高く上がる球が打てます。

画像: ボールの下にフェースをシャローに入れていく。バウンスを滑らせて打つバンカーショットを思い出して打ちます

ボールの下にフェースをシャローに入れていく。バウンスを滑らせて打つバンカーショットを思い出して打ちます

超左足上がりからのロブショットは、ダンクシュートをイメージ

左足上がりの急斜面から5~6メートル先のピンを狙うアプローチ。加減するとショートするので、かなり振りますよ。

グリップは芝の抵抗に負けないようにしっかりと握ります。傾斜なりに振ったのでは高さが出ないので、開いたフェースをアッパーに振り抜きます。

ピンの真上からボールを落とすダンクシュートのイメージです。

画像: 超左足上がりからのロブショットは、ダンクシュートをイメージ

アドレスのポイントは「フェースはオープンでアッパーに振る」こと。やや右足に体重をかけて構えます。目線を上に向けましょう。フェースを開いておいて、引っかからないよう注意しながらアッパーに振り抜きます。

画像: 真上から落とすのでランはナシ。直接カップインを狙うくらいでいいんです

真上から落とすのでランはナシ。直接カップインを狙うくらいでいいんです

よく転がせって言うけれど、本当の名人を目指すなら、とにかく上げましょう!

みんな転がしのほうがやさしいって言いますけど、僕は逆ですね。だって転がり具合の計算って難しいじゃないですか。アンジュレーションがあるグリーンでもピンの根本にキャリーで落とせば傾斜は関係ない。

つまり「キャリーで止める」ことが一番計算しやすく確実なことなんです。

僕はほんの数ヤード先でも球を上げて寄せます。いつまでも転がししかできないようでは、うまくはならない。上げることをもっと練習してほしいと思います。(了)

画像: よく転がせって言うけれど、本当の名人を目指すなら、とにかく上げましょう!

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