女子プロが選ぶ女子プロベストスウィンガー2018のアイアン部門トップに選ばれた成田美寿々。「どんなライからでもピンを攻められる技術がすごい」(福田真未)、「ライン出しが上手い」(穴井詩)という。女子プロコーチを務める辻村明志コーチが解説する。
成田美寿々
なりたみすず。1992年生まれ千葉県出身。サントリーレディスなど3勝、2018年賞金ランク5位に入る活躍。日本女子ツアーを引っ張る“つよかっこいい”プレーヤー
ライン出しができる「タテ振り」を生む‟右のお尻”
テークバックで“右のお尻”が後ろに引けない
アドレスで両足が地面をしっかり踏んでいます。テークバックでは、その両足のポジションが動きすぎずにトップへ。後方から見ると、右腰の部分がほとんどズレていません。下半身の踏み込みが弱いと腰が回り過ぎて、お尻の右側が後ろにズレてしまいますが、成田プロの右のお尻が引けていません。
この下半身の安定があるので、上半身の前傾角度が保たれて「タテ振り」スウィングができるというわけです。
アイアンショットが評価されている成田プロらしく、「縦振り」スウィングの要素が正面からも見てとれます。アドレスを見ると、右手の親指と人差し指でできるⅤ字が右肩とアゴの間を指していますが、これはクラブを縦に振りたいから。
逆にいえば、右手を下から添えるように握る人に、アイアンの名手はいません。なぜなら、横振りになってしまうからです。バックスウィングで体の右サイドが右に流れることもありません。右ひざや右のお尻が下がることなく、前傾姿勢を変えずにクラブを飛球線に沿って真っすぐ上げています。
これは、土台である下半身が安定していないとできません。実際、アドレスの安定感は抜群で、両足で地面をしっかりとつかんでいることが写真からも伝わってきます。
また、成田プロは傾斜からのショットも非常に上手です。これは下半身が安定しているからにほかなりません。
【解説/辻村明志コーチ】
上田桃子や小祝さくらなど、多くの女子プロを教えている
週刊GD2019年1月8・15日号より