ドライバーヘッドの巨大化に伴う絶不調。一番悪いときでフェアウェイキープ率が35%まで低下したこともあったという。伊澤プロ考えた巨大ヘッドへの対処法とは?

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伊澤利光プロ
1968年生まれ。プロも憧れる美しいスウィングの持ち主。2001年、03と2度賞金王に輝き、2001年マスターズで4位入賞。大崎と碑文谷で「伊澤ゴルフアカデミー東京」を開校。
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昔は鋲のついたスパイクで地面に足を押し付けていた

GD 伊澤プロは、ある時点から自分のスウィングとドライバーの相性が悪くなったということ(vol.6)ですが、もう少し具体的に説明してもらえますか?

伊澤 そうですね。一言で説明するとしたら、今のクラブというのは、自分でシャフトをしならせなくていい、ということなんです。昔は、重くてかたいスチールシャフトを、一生懸命、自分でしならせて打っていたわけですよね。そのためには、切り返した後に、左への体重移動を強く強く使わなきゃいけないし、そうすることでいわゆる「タメ」が強くなって、ヘッドがやや上から入る形になります。こういう、一連の動作が、極端に言えば、今のクラブでは一切、必要がないんです。

GD シャフトは勝手にしなるし、ボールはヘッドが勝手に上げてくれるという感じですか?

伊澤 そうですね。今のクラブに合ったスウィングというのは、切り返しであまり左に移動しないで、右足の上でくるんと回転する感じですね。ヘッド軌道も、昔に比べたらかなりレベルだと思いますね。力感もかなり違うと思います。昔だったら、鋲のついたスパイクで、ものすごく地面に足を押し付けないとスウィングできなかったですが、今のスウィングだったら、スニーカーでも十分振れるんじゃないかな。

GD 伊澤プロが、一番扱いやすかったヘッドの大きさというのは、どれくらいですか?

伊澤 300ccくらいじゃないですかね。年代でいうと、2000年前後。そこから先は、ちょっとずつ合わなくなっていきましたね。フェアウェイキープ率が少しずつ下がっていきましたから。

GD やはり、ツアーで戦うには、ティショットがフェアウェイに飛ばないと苦しいですか?

伊澤 トーナメントで優勝争いする時は、4日間通して、ティショットが大体フェアウェイに飛んでるし、フェアウェイから打つから、アイアンだってきちんと乗る。あとはパットの調子次第というところはあります。だけど、1年間通してとなると、そんな80%も90%もフェアウェイをとらえることはできないですよね。普通は60%未満。それでもそれが45%を切ってくると、これは優勝争いに加わっていくこと自体が、すごく苦しくなるんです。私の場合、一番よくなかった時で35%を切っていましたから、これはもう苦しいどころの騒ぎじゃない(笑)。

ヘッドの巨大化とヘッド速度の相関関係

画像: 2000年頃のドライバー。300cc程度のドライバーだとヘッドスピードが速い人(当時の伊澤プロのように急加速するタイプ)でもスピン量が最適で飛距離・方向性ともバッチリ!

2000年頃のドライバー。300cc程度のドライバーだとヘッドスピードが速い人(当時の伊澤プロのように急加速するタイプ)でもスピン量が最適で飛距離・方向性ともバッチリ!

ヘッドが巨大化しフェアウェイキープ率は30%台にまで低下

画像: 2014年ころから、ドライバーのヘッドは460ccと大型化。スピン量が増えて、曲がりやすくなってしまった

2014年ころから、ドライバーのヘッドは460ccと大型化。スピン量が増えて、曲がりやすくなってしまった

GD 伊澤プロとほぼ同年代で同じくパーシモン世代のプロの中で、460ccをうまく使いこなしている人もいますか?

伊澤 例えば、藤田(寛之)くんとか、(片山)晋呉とか、そうじゃないかな。この2人はスウィングが「等速」というか、インパクトに向かって急激にヘッドを加速させないタイプだからいいんです。さっきも言ったように、重心距離の長いヘッドは、インパクトに向かってブワッとスピードを上げるタイプと相性が悪い。今のクラブ、インパクトゾーンでバチンとやるんじゃなくて、スウィング全体を早く振らなきゃダメ。まぁ、わかっていても、長年のクセって抜けないもんですよ(笑)。

藤田プロや宮本プロ、片山プロはヘッドの巨大化に上手く対応できた

画像1: 昔は鋲のついたスパイクで地面に足を押し付けていた

世界のプロが惚れた! ビューティフルスウィング

2001年、日本ツア―賞金王となり、マスターズで4位に入賞したころのスウィング。よどみなく、キレッキレの振りが写真でも伝わってくる。特に、ダウンスウィング後半からフォローにかけての加速が凄い。

【通勤GD・今日のポイント】460の大型ヘッドはトップからフォローまで「急加速」よりも「等速」がいい

画像2: 昔は鋲のついたスパイクで地面に足を押し付けていた

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