アマチュアはミスの許容範囲が狭いため、メンタルが持たなくなってしまうんです、と伊澤利光プロ。では、その対処は?

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

伊澤利光プロ
1968年生まれ。プロも憧れる美しいスウィングの持ち主。2001年、03と2度賞金王に輝き、2001年マスターズで4位入賞。大崎と碑文谷で「伊澤ゴルフアカデミー東京」を開校。
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理想が高すぎると全部のショットが「ミス」になる

男子ツアーを盛り上げる方策を話していた伊澤プロと記者。

GD ツアーには、やはりスターの存在が不可欠だと思います。

伊澤 今の若い選手はみんな飛ぶし、能力がありますから、育つ環境さえあればスター選手は必ず出ます。ただ、それには、選手が育つコースセッティングじゃないとダメなんです。

GD 飛ばすこと以外の技術のレベルアップが必要ですか。

伊澤 例えば、いくら飛ばしたところで、イーグルなんて多い人でも年間15個くらいだから、1試合に1個も取れませんよね。それより、100ヤード以内の技術とかが本当は大事。谷口(徹)さんが飛ばし屋じゃなくても賞金王になれたのは、そういうところです。でも、今の日本ツアーだと、そういうところでは差がつきにくいんですよ。日本ツアーに慣れちゃった選手が、急に海外メジャーで本当に長くてタフなコースに挑戦したって、活躍できるわけがないんです。

GD 伊澤プロは、日本で賞金王になる前から、海外を視野に入れてましたよね。

伊澤 まぁ、私の場合は、それで完璧を求めすぎたのが、難点だったかもしれません。

GD というのは、具体的にはどういうことですか。

伊澤 これは結構、アマチュアの人の方が当てはまるかもしれないんですが、自分に求める理想が高すぎると、ゴルフって苦しいんですよ。例えば、今、私のところに通っているアマチュアの生徒さんで、「アプローチが苦手」という人が結構いますが、じゃぁどうなりたいのか聞くと、30ヤードくらいのアプローチを、「いつも“ぴったり”に寄せたい」って言うんです。それって自分に課すハードルとしては高すぎるんじゃないかと思うんですよね。30ヤードって、パターで転がしてもなかなか寄りそうにない距離じゃないですか。それをウェッジでやるわけだから、ある程度まで寄れば、それでOKと思ってやらないと。

GD ミスの許容範囲が狭いと、メンタルが持たないと。

伊澤 そうなんです。それにもっと早く気づいていたら…。もし、昔の私にも、「まあまあのショットで全然問題ない」って納得させてくれる人がいたら、きっと今でもツアーで戦っているでしょうね。

【通勤GD・今日のポイント】ミスの許容範囲をもっと広く持たないとね

イザワの法則/「ミスかどうか」の基準は人によって違う
例えば、10メートルのパットがOKにつかなかったら「ミスパット」と考える人もいれば、1メートル以内によれば「ナイスパット」と考える人もいる。前者の方が圧倒的にメンタルの消耗が激しく、それによって調子を崩しやすいのは明らかだ

画像: 理想が高すぎると全部のショットが「ミス」になる

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