【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
「入れに行く」気持ちが3パットの最大原因
“3パット”や“4パット”をどう防ぐか、これがテーマです。そのためには前回紹介した“振り子”パットが大前提になります。なぜ、3パットや4パットをしてしまうかですが、理由は簡単。
ファーストパットで「入れに行く」からです。「なぁんだ、そんなことか」と思うかもしれませんね。でもほとんどの3パットが「そんなこと」が原因で起こっているのです。プロでも勝負師と呼ばれるような、トッププロなどは、常にカップに入れることしか考えていないかもしれません。
でもこれは我々アマチュアにとっては、3パットと背中合わせであることは間違いありません。カップをオーバーするケースが多い強気な人ほど、3パットの危険性は高い。これは統計的にも証明されています。
例えば、ボールを投げる時、的に当てようと思えば強く投げると思います。入れに行くパットとは、まさにそんな感じ。しっかり打とうとするため、その距離に対してタッチが強すぎるんです。
「的に当てる」感覚は3パット地獄への第一歩
的当てなら仮に外れてもそれ以上傷口は広がりませんが、パットでは大問題。長い返しが残り、簡単に3パットや4パット、ということになってしまうのです。
3パットをしないためには、的に「寄せる」気持ちで打つことです。「そこに止めてやろう」と思えば自然に“そ~ッ”と打つようになり距離感があってきます。
2パットで収められる「残し方」がある
1発で入れに行こうとする気持ちが3パットを招くと話しましたが、それだけではありません。グリーンには傾斜がありますし、傾斜の途中にカップが切られていることもしばしば。そんなときは、思いのほか難しいパットが残って3パット、なんてケースもあるでしょう。
そんな場合は、ファーストパットで「どこを狙うか」がポイントになってきます。下の図のような傾斜にカップが切られている場合、セカンドパットで真横のラインや曲がる下りのパットが残ると、3パットの確率は高くなります。
3パットを防ぐファーストパットの狙い目
たとえば、上りのパットの場合、上りだからといって強く打つと、外れたときに下りのラインが残りやすいので、やや弱めの力加減で打つ。かつ横からの曲がるラインも残したくないので、膨らませない①のラインで狙っていきたいところです。
下りのパットであれば、上りのラインが残るようにやや強めに打ち、確実にカップを越すこと。こちらも上りと同様に山をかけずに薄めのラインで狙うことで、入る確率の高いセカンドパットが残るようになるのです。
もちろんこの方法だと、1パットで入れることは難しいのは確かです。しかし、2パットで収められる確率は格段に高くなります。3パットや4パットというのは、プレーのリズムが狂いやすい大きな原因の1つです。
心に波風を立たないパッティングを覚えておくことで、スコアは格段にまとまるようになるのです。
【通勤GD・今日のポイント】ラインを薄めに読み、必ず“下”に残す
【科学の広場】パットでもボールによって「初速」が変化する
スピン系1.88m/s、ディスタンス系1.97m/s、これはパットでのボール初速の違いです。つまりスピン系の方がボールとの接触時間が長いので、冬場の速いグリーンではコントロールしやすいのです。パットに関してはスピン系の方が有利と考えられます。
転がりのいいパットってどういうこと?
3パットを防ぐには、「転がりのいい」パットを打つことも大切です。そのためには、アッパーに打って少し“キャリー”を出すこと。芝には長さがありボールは若干沈むし、グリーン面がへこんでいることもある。その抵抗を跨いでくれた方が距離や方向の精度が上がるのです。
【即効ドリル】ショートパットはボールの「ちょっと先」を見ながら打つ
ショートパットだとクラブの引き方を考えすぎる人が多い。すると、テークバックで頭が動き、簡単に外してしまいます。それを防ぐには、ボールの先を見たまま打つこと。これで頭も目線も動かず入る確率が上がります。
Illust/Shigehisa Kitatani 月刊GDより