物理的に、小さいほうが空気抵抗が少なく、重いほど運動エネルギーは大きい。ゴルフボールもしかり。「直径」や「重さ」、一定の条件下での「初速」など、現行のルール内で作れば、現在のゴルフボールにたどり着くが、研究開発の進化により、これまでより「軽い」ボールや「大きな」ボールが有利になるケースがあることがわかった。そこで登場した大胆発想ボール、その真相はいかに。

ヘッドスピードが変われば、最適な重さの解は変わる

画像: 左がムジークの軽いボール「コルテオライト」、右が規制値ギリギリの従来モデル

左がムジークの軽いボール「コルテオライト」、右が規制値ギリギリの従来モデル

通常よりも軽いボールを開発したムジークのスタッフは「USGAとR&Aのボールテストでは、HS53.64m/sで打ったときに、初速が77.2m/s以下でないといけないと規定されています。しかしHS50m/s以上といのは、プロやパワーヒッターのみ。多くのゴルファーはそんなに速く振れません。同じボールを使っていていいのか、一般的なゴルファーがいちばん飛ばせるのはルールぎりぎりの従来ボールではないのではないか、そう考えて開発に着手しました」と語る。

そして生まれたのが、これまでの常識を覆す軽量ボール「コルテオライト」だ。

コルテオライト39(ムジーク)

画像: マットなネオンカラーも斬新

マットなネオンカラーも斬新

「コルテオライト39」は通常のボールより7gも軽い。これはHSごとにインパクト時のヘッド減速度を調べた結果。HS37m/s以下のゴルファーの場合、39gのボールがもっとも減速スピードが少なく飛距離がアップすることがわかったことが理由だそう。

画像: 内部には反発性能の高い軽量コアを採用。シニアや女性、ジュニアにぴったりといえる。

内部には反発性能の高い軽量コアを採用。シニアや女性、ジュニアにぴったりといえる。

コルテオライト42(ムジーク)

画像: ヘッドスピードが変われば、最適な重さの解は変わる

「コルテオライト42」は、通常のボールより4g軽い42グラム。「コルテオライト39」と同様の調査により、HSが42m/s以下ゴルファーがもっとも飛ばせる重量なのだとか。

画像: 軽量コアとソフトアイオノマーカバーのツーピース構造。ディンプルは浮揚力を高めるデザイン

軽量コアとソフトアイオノマーカバーのツーピース構造。ディンプルは浮揚力を高めるデザイン

キャロウェイはサイズに着目。芯に当てやすい「大きな」ボール

画像: キャロウェイはサイズに着目。芯に当てやすい「大きな」ボール

キャロウェイが2019年3月に売り出す「スーパーソフトMAGNA」は同社の通常サイズ「スーパーソフト」よりも3%大きい。直径で1.3mm大きいのだ。数字で見ると小さな差だが、手にしてみれば大きな差だ。もちろんルール適合だ。

通常のボールより大きい分だけ空気抵抗を受けやすくなるが、データを調べたところ、初速やスピン量は同社の「スーパーソフト」と変わらないという。大き目の「MAGNA」は重心が高いために地面からでも、初心者でも芯でとらえやすく、打ちやすいという。また、パットの転がりも安定するそうだ。大型ヘッド的な視覚的安心感も心強いはず。

唯一のビッグサイズボール「スーパーソフトMAGNA」(キャロウェイ)

画像: スーパーソフトMAGNA(キャロウェイ)

スーパーソフトMAGNA(キャロウェイ)

画像: 基本構造は「スーパーソフト」と変わらない2ピース構造。もちろんルール適合

基本構造は「スーパーソフト」と変わらない2ピース構造。もちろんルール適合

アベレージゴルファーにとっては、空気抵抗のマイナス面よりも、結果として飛距離を伸ばすプラス面のほうが大きいと言えるかもしれない。

あれ? MAGNA? 聞いたことがあるような気が……
と思った往年のゴルファーも多いはず。そう、MAGNAというビッグサイズボールは、いまから25年前にトップライト社から発売された「トップフライト マグナ」があった。当時から「安心感がある」「打ちやすい」などと反響が多かった代物。2003年にキャロウェイゴルフがトップライト社を傘下におさめ、改良に改良を重ねたボールなのだ。キャロウェイのテクノロジーで進化した飛び性能にも注目だ。

週刊GD2019年2月12日号より

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