ドライバーなど長い番手は低スピン、ショートアイアンやウェッジはスピンで止めたい。ボールの構造が3ピース、4ピース、ついには5ピースと多層化しているのは、この「飛んで止まる」を実現するためでもある。ところが、スリクソン(ダンロップ)ではこの相反課題を「新しいコーティング技術」でクリアしたという。その新技術を追った。
摩擦係数が14%アップする高分子材料「セルム」
「飛んで止まる」を実現するために、ダンロップは各分野で注目を集めている高分子材料「セルム」を、コーティング剤として採用。
これにより①スピン量の増加 ②打感の向上 ③耐久性アップを果たした。そればかりか反発性能を上げるために内部構造を少し硬くしても、従来のボールよりも打感が柔らかく、スピン性能も上げられるようになったという。
粘度の高い新素材「SeRM(セルム)」
東京大学で発明され、世界が注目している高分子材料で、大きな力が加わっても切れにくく、形状復元性、耐傷特性、衝撃耐性、振動吸収制に優れている。
結果、「飛んで・止まって・ソフトな打感」。良いこと尽くしの新技術。
新しい「スリクソンZスター」は3ピース構造で中間層を硬く、4ピース構造の新しい「スリクソンZスターXV」はアクターコアを厚くすることで、反発性能が向上。スピン量と打感を犠牲にせずに飛距離性能を伸ばすことができた。
ボールの性能を大きく引き上げる、たった0.05ミリ厚の新コーティングがボール性能を劇的に変えたわけだ。
スリクソンZスター(ダンロップ) 2019年2月8日発売
ミッド層の硬度を高めて反発力をアップ。高打ち出し、低スピンを実現した3ピースボール。飛距離性能を高めながら、「セルム」のおかげで打感とスピン性能も向上している。
スリクソンZスターXV(ダンロップ) 同発売
前作までは外側と内側で違っていたアウターコアの硬度を一定にした上で、より厚く、より柔らかくすることで打感が向上。カバーもZスターと同じよりソフトなウレタン素材に変更されている。
週刊GD2019年2月12日号より