立春を過ぎたとはいえ、まだまだ冬ゴルフ。ボールが飛ばず、芝は薄く枯れていて地面が硬い。日向と日陰、凍ってたり、溶けたり…神経質になりがちだが、グリーン周りで「転がしのコツをマスターしておけば5打は違います」と桑原将一プロ。コロコロアプローチと冬用パットの基本を教わった。
手前から攻めるが基本中の基本
冬のグリーン周りの芝は薄くてペタペタしている。地面が硬いときも軟らかいときもあるが、ライがよくない状況に変わりはない。
桑原 できるだけ低く転がすのがベスト。クラブはボールコンタクトがやさしい9番アイアンがお勧めです。手先ですくおうとする動きは厳禁。冬のアプローチでは上げるという概念を捨てて徹底的に転がしたほうがスコアを作れます。
桑原 ピンまで30ヤード(写真/ケース①)、グリーンまでの間にラフがあっても、枯れていれば転がしで十分グリーンに乗ります。
【CASE①】グリーン手前ピンまで30Y
ウェッジよりロフトが立っている9番アイアンのほうがボールコンタクトがやさしくなるため、9番での転がしがお勧め。体の回転で、手首の角度をキープしたまま、振り抜くようにしよう。
桑原 重要なのは手前から攻めること。直接グリーンを狙ってしまうと凍っている場合、グリーンの外に跳ねてしまうからです。
【CASE②】グリーン奥の逆目
桑原 凍ったグリーンでボールが跳ねてしまうと、奥の逆目に止まることが多い。ここで失敗すると大叩きになりかねないので、よりやさしい打ち方を選択するのがベターです。枯れた芝といえども抵抗があるので、ヒールを少し浮かせて芝の引っかかりを最小限にします。
桑原 当然、手元の位置は上に上がります。そのぶん短く握り、パッティングと同じ打ち方で転がしていこう。
白く凍ったグリーンは遅く、緑色に見えたら速い
スコアメークの一番の決め手はパットだが、一番やっかいなのがスタートして数ホール続く“まだら”グリーンだ。
桑原 白く見えるのは霜が凍ってシャーベットが乗っている状態ですから、表面は硬くてもシャーベットの摩擦で転がりが悪くなります。
桑原 緑色に見える部分はシートがかぶせてあった部分で、シャーベットが乗っていないので速いです。この緑色部分でも日が当たっているところと日陰では転がりが違います。日向よりも日陰のほうが速くなります。
見た目だけでは判断できないため、足の裏の感覚に頼るのも判断材料だ。
【ポイント】足裏から硬さを探る
【CASE①】緑色部分から打つ速いパット
桑原 強めのタッチを出そうとロフトを立て気味にストロークすると、インパクト後にボールが跳ねてラインを外れることがあるので注意。ハンドファーストを弱めてテークバックを低く引くと、インパクトでロフトが立つことがなく、ボールが跳ねるリスクを抑えられる。
【CASE②】緑色部分から打つショートパット
桑原 グリーンが速いほど行方が気になりヘッドアップしやすい。構えたときの頭の位置と手首の角度を絶対に変えないでストロークすることが大切です。
週刊2019年2月12日号より