【実験ルール】通常のグリップからシャフトぎりぎりまで4段階で試打
浦プロのドライバー「ピンi15」と7番アイアン「三浦技研MB-5003」を「通常」から、「指2本分」、「指4本分」、「シャフトぎりぎり」と徐々に短く握って試打。それぞれ5球打ち、最も良いデータを比較。計測にはトラックマンを使用した。
それでは実験開始!
短く握ってどうなるか、さっそく試打をスタートし、通常の握りからスタートし、指2本分短く握ってもナイスショットを連発していた浦プロから驚きの発言が…。
【通常握り】1Wで300Y余裕超え、7Iは180Y近く飛んだ
【指2本分短く】1Wのヘッド速度は落ちたが、初速とミート率はアップ
飛距離はやや落ちるが「指2本分短く」は確実性が増しミート率アップ
「実は短く握って打ったことが今までなかったんですよ。今、指2本分短く握って打ってみて驚きました。すごく振りやすくなりましたね。弾道が少し低くなったんですが、狙い打ちしやすい感じです」(浦プロ)
なぜ短くなると振りやすくなるのか、ボールとの距離が短くなるので芯に当てやすくなる気はするが、ほかには理由があるのだろうか。物理の専門家・星谷先生に聞いてみると…
「クラブを短く握ることのメリットは絶大です。理論上クラブバランスは1インチ短く握ると約4ポイント軽くなります。その分クラブを速く振れるようになるんです。またカウンターバランス効果といいますが、手元側の重量が増えるこるので、その増えた重量がスウィング中にヘッドと逆に動くことでヘッドがより走るようになります。またシャフトのしなりが少なくなるのでスクェアインパクトが実現しやすくなるはずです」(星谷先生)
その後、絶好調の浦プロに徐々に異変が……
続いて「指4本分短く」、「シャフトギリギリ」と、どんどん短くなっていくにつれ、浦プロに変化が現れる。
「ボールに近いってことや、シャフトが硬いっていう感覚が徐々に強くなってきて、振りにくさを感じてしまいます。いつもシャフトをしっかりしならせ、そのしなり戻りで飛ばしていたので、その部分が使えないと振りにくくなってしまいますね」(浦プロ)
【指4本分短く】1Wが低スピンになりすぎ、アイアンの飛距離は大きくダウン
【シャフトギリギリ】ヘッド速度が上がらず、打ち出しが極端に低くなる
「指2本分」まではバランスを保っていた浦プロ。短く握るメリットを実感したそう。
「振り遅れミスが出てしまうアマチュアの方には、すごく有効ですよ。極端に短く持たなければ。振り抜きが良く、むしろ飛距離が伸びると思います」(浦プロ)
【短く握るポイント】 体を使いすぎずに胸の前でインパクト
最後に浦プロが短く握るときのアドバイス。
Point.1 体の回転を少し遅く
「体を回しすぎるとボールにクラブが届かないことがあるので、少し待って胸がボールを向いたときにインパクトしましょう」(浦プロ)
Point.2 体を回しすぎず手を返す
「ヘッドが軽い分、自分で返す動きを作ることで、よりクラブが走って飛距離を出すことができます」
月刊GDとBS-TBSがコラボ。「ゴルラボ.TV」毎週木曜23時から放送中
ゴルフに関するあらゆる謎や様々な疑問を徹底解明。毎月第三木曜日の放送は月刊GD"実験マルシェ"とのコラボ企画で放送しています。
PHOTO/Kazuo Iwamura THANKS/大千葉CC
月刊GD2019年2月号より