「これまでは、上の番手でのキャリーの階段について試打検証してきました。今回は、それに合わせたウェッジセッティングです」と伊丹大介プロ。PWのロフトから考えて、ウェッジを何本入れるか。ウェッジを2本入れるのか、それとも3本か。「キャリーの階段」を揃える14本セッティング。いよいよ最終回です。
画像: 【試打・解説/伊丹大介プロ】 東北福祉大ゴルフを経てプロ入り。豊富な試打経験をもとにギアを的確に分析。スコアにつながるセッティング術を解説

【試打・解説/伊丹大介プロ】
東北福祉大ゴルフを経てプロ入り。豊富な試打経験をもとにギアを的確に分析。スコアにつながるセッティング術を解説

ウェッジは「ロフト2度違い」で4~5ヤード差。これが目安

ウェッジ選びで大切なのは、「気持ちよく振った時のキャリー」が大切ということ。大振りして上手く打てた時の飛距離をあてにしてはスコアメークになりません。

画像: これぐらいの振り幅での「キャリー飛距離」をチェックする

これぐらいの振り幅での「キャリー飛距離」をチェックする

ピッチ&ランの延長で、手首の角度をキープして、フォローも肩の高さまで。この時の「キャリー」をそのウェッジの飛距離だと見なしましょう。

弾道の違いを「ボーケイSM7」(タイトリスト)でロフト別検証

48度から60度のウェッジから選んでいきます。私の場合は56度のウェッジがもっともスピンがかかりました。ロフト54度か56度のウェッジは、転がしたり、上げたり、色々なアプローチに使いやすいので、入れておくのがお薦めです。

画像: 弾道の違いを「ボーケイSM7」(タイトリスト)でロフト別検証

ロフト別伊丹プロの試打結果(3球の平均値)

ロフトキャリー打出角スピン
48F90.4y27.5度8057rpm
50F85.6y28.7度8328rpm
52F80.3y30.1度8991rpm
54F74.7y32.0度9684rpm
56S69.6y33.4度10502rpm
58S65.0y35.1度9873rpm
60D59.8y36.9度10030rpm

ロフト別アプローチの目安

【48~52度】 8割ショット&足を出すアプローチ

【54~56度】 8割ショット&バンカーとグリーン周りで色々なアプローチがしやすい

【58~60度】 ロブショットなど無理せずボールを上げたいアプローチ

「ウェッジ2本体制」は重めシャフトを選ぶ

PW以下を2本でまかなうため、どうしてもキャリー差が大きくなります。ウェッジで距離を加減する必要があるので、シャフトの重量が欲しいところです。クラブが重いとスピードが安定するので、距離感のコントロールがやさしくなります。

「ウェッジ3本体制」はロフト4度刻みがいい

例えば50度、54度、58度のように、ロフトを4度刻みの3本体制にすると、キャリーのピッチが揃いやすくなります。ただし、ヘッドの特性やヘッドの入れ方によって飛距離差が前後するので、その場合はロフト1~2度変えたモデルも試打してみて選ぶとよいでしょう。ショップでロフト調整するのも手です。

「2本+お助けウェッジ」の3本体制もアリ

アプローチやバンカーが苦手な人はソール幅が広くてやさしいお助けウェッジをエキストラの1本として入れるのもお薦めです。アベレージの人にはこのセッティングも強い味方になるかもしれません。

画像: 例えば、バンカーから抜群にやさしい「DW118(キャスコ)」をエキストラの3本目に入れる

例えば、バンカーから抜群にやさしい「DW118(キャスコ)」をエキストラの3本目に入れる

画像: 「CBX(クリーブランド)」スクェアに打っても、開いても打っても、やさしい!

「CBX(クリーブランド)」スクェアに打っても、開いても打っても、やさしい!

画像: 「スマートソール タイプS(クリーブランド)」ライを選ばず、スピンが強くかかるソールが特徴

「スマートソール タイプS(クリーブランド)」ライを選ばず、スピンが強くかかるソールが特徴

画像: 「D-036(キャスコ)」バンカーから真っすぐ構えたまま打って出るように設計されている

「D-036(キャスコ)」バンカーから真っすぐ構えたまま打って出るように設計されている

伊丹プロによる、「キャリー」を重視して飛距離の階段を揃えるクラブセッティング。スコアメークの参考にしてください。(了)

月刊GD2019年3月号より

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