日本一スウィングが安定していると言われるプロ、稲森佑貴。「僕は面で打つことしか考えていません。そのほうが合理的だからです。だから、結果的にフェースローテーションは少ないです」。稲森プロ本人に、フェースローテーションを抑えながらショットを安定させる仕組みについて語ってもらった。
稲森佑貴
いなもりゆうき。1994年生まれ鹿児島県出身。ここ数年間、連続してフェアウェイキープ率1位の「日本一曲げない男」。2018年、日本オープンで悲願の初優勝を挙げる
曲がらない秘密は「スクェアなゾーン長いインパクト」
稲森がスウィングで大事にしていることはクラブが体の正面から外れないこと。以前はコックを使ってテークバックをしていたこともあったが、今は手首の動きを使わず両腕のローテーションも抑えている。
「狙ったところに打つにはスクェアにボールに当てること。そのために『面を強く意識』しています。グリップしたら『左腕と手首、クラブ』に一体感を持たせます。それをキープして振ることが大事なんです。それが、結果的にヘッドを真っすぐ動かすことにつながっているんだと思います」
「面」でとらえるスウィングのポイント
①左上腕の外側で面を感じる
「左の壁とよく表現されますが、僕の場合は、左上腕から左手にかけた部分で面を感じながらスウィングします」。これによって体が左右にスウェイしなくなり、インパクトがスクェアに安定する。
②クラブを体の正面から外さない
手首の動きが大きくなるとクラブは体の正面から外れやすくなる。手首の動きは極力抑えることでフェース面の動きは安定し、なおかつスウィングアークも大きくなる。
「テンフィンガーもおすすめです」
「面を意識するには、まずは当てることから覚えるといいと思います」と稲森。〝当てにいく〞と聞くとネガティブな表現にも感じるが、「小さな振り幅」で面を真っすぐに当てる感覚がわかれば、自然に過度なローテーションは抑えられていくはず、と付け加えてくれた。
週刊GD2019年2月19日号より