クラブを"引く"と頭が突っ込む。プロは"押し"で振っている
今のクラブにも「ビハインド・ザ・ボール」は絶対必要
森プロ ギアの進化によってスウィング理論も進化しているとはいえ、クラブを効率よく使うためのインパクトゾーンの動作は今も昔も同じです。「ビハインド・ザ・ボール」もそのひとつ。不変であり、基本中の基本です。
森プロ プロはインパクトからフォローで、ボールを「押す」意識で振っています。目標方向にボールを強く押そうとすれば、「押す方向とは逆に頭を右に動かす」、あるいは「残す」のが自然です。引いて振る意識を変えない限り、頭の突っ込みは直りません。
森プロ クラブを目標方向に放り投げるような意識でボールを押し込んでいくから、上体が目標とは反対方向の右に傾き、頭が残ります。飛ばし屋になるほどその度合いが強くなるんです。
森プロ たとえば、重い引き戸を左に引いて開けるには、頭と体を左に動かさないと力が入りません。これが飛ばない人のスウィング。引く動作はヨコ振りになるのでスピードも出ません。頭を残して上体を右に傾けることで、クラブをタテに振れればスピードも出せて、ボールも押せるんです。
「リストターン」も重要
森プロ アドレスの姿勢から上体を右に傾けたインパクトの形を作ると、フェースは開きます。「ビハインド・ザ・ボール」で真っすぐ飛ばすには、フェースターンが絶対に必要です。腕をタテに使い、左手の甲を地面に向けるように、左腕を回していきましょう
「押す」感覚は、3つの手順でマスターできる!
ではプロのような「ビハインド・ザ・ボール」を手に入れるには、どうすればいいのだろうか。
森プロ プロのように「押す」イメージで振らないと頭は後ろに残せません。その感覚をつかむためのコツを紹介します。使用クラブは8番アイアンです。
1.「引いて振る」から「押すスウィング」へと意識を変えるドリル
森プロ 左足を極端に後ろに引き、オープンスタンスで打ちます。体を少し目標に向けることで、ボールを押していくイメージが出やすくなります。左腰を後ろに引かず、上に切り上げる意識でボールを押し込んでいきましょう。
2. タテの腕使いを覚えるドリル
森プロ クラブはヨコに振るよりも、タテに振ったほうがスピードが出せるし、より強く長くボールを押せます。その結果、頭が後ろに残るんです。これも8番アイアンを使い、左右の手を放してグリップします。左手は下に押し込み、右手は引き上げるようにバックスウィング。ダウンは逆に左手を引き上げ、右手は下に押し込む。てこの原理で腕をタテに使ってヘッドを走らせるコツがつかめます。
3. 低いティから「低いドローが打てるか」ドリル
森プロ ダウンからインパクトで上体が右に傾くとフェースは開きます。スクェアにインパクトするためのドリルがこれです。低いティでフェースをターンさせずに打つと、手前をダフッたり、右にボールが飛び出します。左腕のひじから下を回旋させ、左手甲を地面に向ける意識でフェースを返しましょう。低いドローが打てれば正しくフェースターンできた証拠です。
「ビハインド・ザ・ボール」で打てたら、HS41m/sでも250ヤード越え!
ヘッドスピードを約6倍にした数値が、その人の出せる最大飛距離だと言われる。では「ビハインド・ザ・ボール」で打てれば、一般アマの平均的なヘッドスピードでも本当に250ヤード飛ばせるのだろうか。
森コーチが挑戦した結果が、写真のスウィング計測器の数値。
森プロ ボール初速÷ヘッドスピードでミート率を計算すると約1.5。最高値が1.56ですから、かなり効率のいいインパクトができた証拠ですね。ただ、頭を残しただけではこの数値には届きません。フェースターンも重要ですよ
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