【試打・解説/平野義裕】
スウィング碑文谷内の「クールクラブス」で日夜フィッティングに従事。数多くのヘッドとシャフト性能を知り尽くす
薄いフェースをカバーする、バックフェース「斜めの橋」
「M5」「M6」アイアンで共通するのが、バックフェースに橋を架けたようなブリッジ形状のデザインだ。
通常、フェースを薄くすれば反発力が高まるが、その反面、ヘッド剛性は弱まっていく。薄くするといっても限界があった。ところが「M5」「M6」は、この斜めのブリッジによってヘッド剛性を高めながらフェースを薄くして、初速アップを実現させたという。呼び名も、まさに「スピードブリッジ」。
フェースを薄くするともうひとつデメリットが生じる。それは「打感・打音」が損なわれること。これをクリアするために「ハイブラーダンパー」という振動を減衰させる素材を取り入れたヘッド構造となった。
まずは分解ヘッドで、初速アップ、剛性力、打感、打音の性能を確認。
![画像: 薄いフェースをカバーする、バックフェース「斜めの橋」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/ba10bfa056475dfc0ff361820e8161aa0d7480ed_xlarge.jpg)
A. フェースを薄くし反発力アップ
スピードブリッジの効果でフェースを薄肉化。反発力が上がり、ボール初速アップに貢献している。
B. 新素材が打感と大音を最適化
新テクノロジー「ハイブラーダンパー」。薄いフェース等の振動や音の響きを抑え、心地よい打音・打感を生み出す。
C. ホーゼルを削り重量配分を最適化
M5は180度、M6は360度ホーゼルを削り軽量化。ここでの余剰重量を最適な箇所に振り分けている。
D. 360度アンダーカットで外周の反発力アップ
フェース外周を取り囲むように削られた「360度アンダーカット」でフェース外周の反発力と余剰重量を生む。
E. エネルギーを効率よく伝える「スピードブリッジ」
フェースの剛性を高め、ねじれを抑制する 新テクノロジー。フェースの薄肉化や貫通型のスピードポケットを実現させ、ボール初速をアップさせている。
![画像: 【スピードブリッジ&衝撃吸収材なし】高音(赤い部分)が発生し、かつ音の響きも長い](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/792ef102c66c3a6ba2c21860b44ec013e1328f71.jpg)
【スピードブリッジ&衝撃吸収材なし】高音(赤い部分)が発生し、かつ音の響きも長い
![画像: 【スピードブリッジ&衝撃吸収材あり】高音が抑えられてフェース面上でバラつきがない。音の響きも短い](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/d7bb4da2a3765749682a9b71d09af23c2e70b84a.jpg)
【スピードブリッジ&衝撃吸収材あり】高音が抑えられてフェース面上でバラつきがない。音の響きも短い
F. 余剰重量をソールに集め低重心に
深いキャビティやホーゼルの軽量化による余剰重量をソールに集めることで、ストロングロフトの飛距離と球の上がりやすさを両立。
G. 貫通型スピードポケットで芯を広く
フェース下部の反発力を向上させたことで、アマチュアに多いフェース下寄り打点でも安定して飛ばせる。
【M6アイアン】グースネックでつかまりよし。やさしく飛ばしたい人へ
7Iのロフト:28.5度
![画像1: 【M6アイアン】グースネックでつかまりよし。やさしく飛ばしたい人へ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/613f7832479c6229152cfc53a385f0d02a812461_xlarge.jpg)
![画像: 余剰重量をソールに集中させているので、ストロングロフトながら低重心でビッグボールが打ちやすい](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/2ad3aa974dedbb3e9bb4e9a4965ed2006d38acb5.jpg)
余剰重量をソールに集中させているので、ストロングロフトながら低重心でビッグボールが打ちやすい
ロフトは7番で28.5度と激飛び系ほどではないがストログロフト。グースネック、厚いトップブレード、幅広ソール、大型ヘッドとやさしさ満点だが、「ハイブラーダンパー」により打感と打音の良さも追及。レディスモデルもある。
![画像: ボールが上がりやすい「低重心」にこだわっている](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/a417822654b768a8a815fb973d15b30e07b6e265.jpg)
ボールが上がりやすい「低重心」にこだわっている
![画像2: 【M6アイアン】グースネックでつかまりよし。やさしく飛ばしたい人へ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/874e565c392216d7fd95f37dba6e1b9a4dcb7537.jpg)
試打をした平野氏によると、「ヘッドが長いので、構えたときの安心感が大きいです。打ってみるとやさしいし響きもいい。UTを打っているような感覚ですね。ロフトは立っているけど球は良く上がる。これならグリーンでもしっかり止まります」との評価。
【M5アイアン】センター重心でコントロール性能よし。狙い打ちができる
7Iのロフト:30度
![画像1: 【M5アイアン】センター重心でコントロール性能よし。狙い打ちができる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/a99159e176b87bb48338bf701938b1b2bbfd8b33_xlarge.jpg)
ロフトは7番で30度と現在のアイアンとしては標準的。本格派アイアンの雰囲気を醸し出すルックスでありながら、幅広い腕前のゴルファーが使える。「DG」と「NSプロ950GH」2種類のシャフトがある。
![画像: センター重心でコントロール性能が高い。スピンが適度に入る](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/c0443eed9c5ebf0b4cfdaa0fdb7554c3c1f9a684_xlarge.jpg)
センター重心でコントロール性能が高い。スピンが適度に入る
![画像: スウィートスポットはセンターで、打ち込んでも払い打ってもしっかりコントロールして飛ばせる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/50d4b8a6960a10cb8b2dbd0a7c11b8b307044c69.jpg)
スウィートスポットはセンターで、打ち込んでも払い打ってもしっかりコントロールして飛ばせる
![画像2: 【M5アイアン】センター重心でコントロール性能よし。狙い打ちができる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/450aadd44881b69deebb7ccbff6f40d2b60caf6a.jpg)
「最初に感じたのはボール初速の速さ。音は非常に抑えられているのに、弾きがいいんです。トウ側にタングステンが入っているせいか、ヘッドの直進性もすこぶる高いですね。ヘッドの形もきれいで、これなら違和感なく上級者も使えます」(平野)
![画像: 「M5は真っすぐ、M6高く上がる」と平野氏。特にM5の直進性には感心した様子](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/b7bd9ba391af34732a29cf7cc7085e3546738ba1_xlarge.jpg)
「M5は真っすぐ、M6高く上がる」と平野氏。特にM5の直進性には感心した様子
![画像: 「UTや中空モデルのような弾き感」と、スピードブリッジの初速性能を実感](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/d60d119d29da2db056e3375b68429465f3a5c5d8_xlarge.jpg)
「UTや中空モデルのような弾き感」と、スピードブリッジの初速性能を実感
![画像: 超複合ヘッドなのに打感がソフト。「振動吸収材のおかげか、打感もフィーリングも抜群にいいです」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/6ae4deff8062f4ab3f87da182dce0e4d1c0267a4_xlarge.jpg)
超複合ヘッドなのに打感がソフト。「振動吸収材のおかげか、打感もフィーリングも抜群にいいです」
![画像: 「M6はヘッドが大きいけど、ぽってりしていなくて構えやすい。M5、M6ともに弾き感があって飛距離は申し分ありません」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/3d58a1d4ce9b46d6f11895aacbe319f7ca49c768_xlarge.jpg)
「M6はヘッドが大きいけど、ぽってりしていなくて構えやすい。M5、M6ともに弾き感があって飛距離は申し分ありません」
【平野氏による7I試打データ】
![画像3: 【M5アイアン】センター重心でコントロール性能よし。狙い打ちができる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/cc12249b4e5a6aca3f377f85ba7bb70104ab30e5.jpg)
![画像4: 【M5アイアン】センター重心でコントロール性能よし。狙い打ちができる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/03/04/1ca067b8d2203e3929c4975a967e7c0b6f883b06_xlarge.jpg)
「飛距離はどちらも申しぶんなし。共通のテクノロジーが使われていても『M5』と『M6』では、それぞれ個性が全く違います。『M6』はやさしく飛ばしたいアベレージにいいです。『M5』は直進力を活かしてスコアメークしたい中上級者へ」と平野氏の総評だ。
月刊GD2019年4月号より