厚い信頼関係で結ばれている芹澤信雄プロと藤田寛之プロ。20年以上続く二人の師弟関係のきっかけとなった出会いは、あるバンカーショットにあるという。当時のエピソードと、アマチュアが苦手とするバンカーショットの打ち方のコツを教わった。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

芹澤信雄プロ
1959年生まれ。ジャンボ尾崎に「世界一パーパットが上手い」と評されたパットの名手。1987~2000年にツアー5勝。その後シニア1勝。飛距離優先時代をショットの質で生き抜く。チーム芹澤ゴルフアカデミー主宰。

藤田君が「バンカーショットの音に惚れました」と弟子入り

藤田君との出会いは、彼がやっと試合に少しずつ出られるようになったところですから、95年ごろでしょうか。三菱ギャラントーナメントだったと思うのですが、「練習ラウンドをご一緒させてください」って言われて一緒に回ったのが最初だったと思います。

藤田君といえば、みなさん「遅咲きの大器」みたいなイメージを持っているようですが、実際は若いころから本当に上手かった。なにしろ、20代でジャンボさんを破って初優勝しているんですからね。そして30代でも5勝。若いころから十分大物でしたよ。

当時は僕も日本マッチプレーを勝つ前でしたから、弟子を取るような御身分じゃなかったので、
「どうして僕なんかのところに来たの?」って聞いたんです。そしたら、「バンカーショットの音に惚れた」って言われて驚きました。

藤田君によると、僕が彼の前の組で練習ラウンドをしていたことがあって、そのときの僕のバンカーショットの音が、セカンド地点で打つのを待っていた藤田君のところまで聞こえたそうなんです。それがとてもいい音だったと。

たしかに僕はバンカーショットは得意ですが、藤田君の言いぐさはちょっと大げさですよね(笑)でも、プロアマなどで見ていて思いますが、アマチュアってバンカーショットが苦手な人が多いですよね。ダフればいいだけなんだから、本当にとても簡単なのに。

もちろん、細かな距離感を調節したり、硬いグリーンに止めたりするのには相応の技術がいります。片山晋呉君なんかはコック少なめで上手いこと打つし、丸山茂樹君のフワリと上げるバンカーショットなんかは芸術的ですよね。

ジャンボ尾崎さんもそうでしたが、今田竜二くんみたいにフェースをものすごく開いて使える人は、バンカーショットが上手い証拠です。

バンカーショットは、直接球を打ちません。ウェッジのソールの出っ張り、バウンス部分をボール手前の砂にぶつけることで砂を爆発させ、砂と一緒にボールを飛ばすんです。ソールから設置できないと、リーディングエッジが刺さってクラブヘッドは砂を爆発させられません。この辺の仕組みがよくわかっていないのかもしれませんね。

バンカーショットの基本は、フェースを開いて鋭角に打ち込むこと。そして思い切りよく打つことです。これさえできれば、ウェッジのバウンスが砂を飛ばして、乾いたいい音がします。そして、少しでいいから練習してください。皆さんは練習もせずに「苦手だ」って言うんですから、困ったものです(笑)

さっきもいったようにバンカーショットは簡単です。ちょっと練習すればすぐにうまくなりますよ。

【通勤GD・今日のポイント】バンカーではフェースを開いて「V字」に振る

【ポイント①】アドレスはガニ股、6対4で左足体重
下半身がぐらつかないようにアドレスはガニ股。両股関節に上体を乗せて、6対4の左足体重で立ち、少しハンドファーストに構える。

画像1: 藤田君が「バンカーショットの音に惚れました」と弟子入り

【ポイント②】フェースを目標に向けスタンスなりに振り抜く
バウンスを使うためフェースを開いて、オープンスタンスで構える。スタンスなりに振ることで、目標に対してはカット軌道になる

画像2: 藤田君が「バンカーショットの音に惚れました」と弟子入り

【ポイント③】トウを上に向けて上げV字軌道で鋭角に振る
スウィングはV字軌道で鋭角に打ち込む。テークバックではトウを上に向けて上げ、ダウン以降は思い切って振り抜くことが大事

画像3: 藤田君が「バンカーショットの音に惚れました」と弟子入り
画像4: 藤田君が「バンカーショットの音に惚れました」と弟子入り

月刊GDより

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