
【解説/佐藤大平】
1993年生まれ。兵庫出身。AbemaTVツアー賞金王で、2019年レギュラーツアーに参戦。AbemaTVツアーで断トツのパー5“バーディ男”
きつい傾斜の1メートルは、カップのどこから入れるのか、これを決める
── 傾斜の強い1メートルは本当に難しいですよね。海外のトーナメント中継で、プロが何度も往復してしまうシーンを見たことがあります。
佐藤 ラインとタッチが完全に一致しないと入らないので、プロでも油断できないんです。
── ズバリ、カップインさせるコツはなんですか?
佐藤 曲がるラインでもっとも大切なのは、ボールの入り口を見つけること。入り口は、グリーンの傾斜がきつく、スピードが速くなるほど、どんどん横に回り込んでいきます。入り口を見つけられたら、そこから入れるラインをイメージするんです。
ボールの入り口を見つける

傾斜が強く速いグリーンほど横に移る
── 曲がり幅が大きいほど、どんどん横から入れるイメージになるんですね。
佐藤 そうです。フックは3時方向、スライスは9時方向から入れることもあります。
── なるほど。
佐藤 入り口を見つけたら、入り口からボールまでスーッとラインを引くんです。『このくらい曲がって、このあたりを通って』と想像するんですよ。
入り口からラインを想像
佐藤 ボールがカップのどこから入るか、入り口を見つけたら、その入り口からボールまでのラインをイメージします。ボールがどんな曲がり方をしてどのくらいのスピードで転がるかを想像して、カップからボールまでを1本の曲線で結びます。

ラインに沿ってマークを合わせる
佐藤 スパットに向かって真っすぐ打ち出すタイプもいますが、僕はスパットは要らないと思っています。曲がるラインの向きにマークを合わせて、その方向にストロークします

曲がるラインほどジャストタッチで打つ
── タッチの強さはどう決めますか?
佐藤 大きく曲がるラインほど、ジャストタッチです。曲がるラインを強く打つと、カップをなめて飛び出してしまいます。
カップの入り口の見つけ方には手順がある
佐藤 よくボールの後ろからラインを読む、と言いますが、カップの横からのラインはグリーンの低い側から、つまりボールとカップが自分の左右になる場所から見ると、傾斜の度合いがわかりやすいんです。
ボールの後ろから見る

正確には、曲がりの頂点の真後ろ。目線を低くして見て、曲り幅の見当をつける
ラインの低い側から見る

ボールとカップを左右にして、目線を下げる。この位置が、傾斜がいちばんわかる
入り口を見つける

反対側にまわってカップ付近の細かい傾斜を確認して、入り口を決める
今年からルール改正! ピンありのほうがカップイン率は上がる
── 今年からルールが変わって、ピンを挿したままパットできるが、どっちのほうが入る?
佐藤 慣れの問題もあるので、僕はショートパットはピンを抜くことが多いですが、確率的にはピンをさしたほうが入るようです。

ラインに乗せるストローク術
── 打ち方のコツは?
佐藤 実はこれ、あまり人に言ってないんですが、両わきの下を使うんです。

両わきの下を意識して動かす
── 両わきの下ですか……。はじめて聞きました。
佐藤 ここを意識すると、ストロークがすごく安定します。
佐藤 なぜかはわかりませんが、両わきの下(大円筋のあたり)を使って振るとストロークが安定します。プロのなかでは少数派ですが、僕は絶対にここです。


両わき下を意識するとストロークが安定
── ヘッド軌道は?
佐藤 イン・トゥ・インです。真っすぐ振るプロもいますが、僕はより自然に振れるイン・トゥ・インでストロークしています。軌道に沿って、フェースもわずかに開閉します。
イン・トゥ・イン軌道でフェースは開閉
佐藤 わずかなイン・トゥ・イン軌道で、自然にヘッドも開閉させています。フェースを真っすぐ動かそうとすると、ひじを抜いたり、肩を上下させたり、不自然な動きを入れなくてはなりません。

フェース開閉はあったほうが自然
イン・トゥ・インは自然な動き

「立って行ってみるとよくわかるはず」
真っすぐ軌道はこういう動き

テークバックでひじを引き、フォローで肩が上がる
PHOTO/Yasuo Masuda
週刊GD2019年3月19日号より

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