「左手が何かするから丸いスウィングに角を作ってしまう」。今週の通勤GDは、名師弟・高松志門プロと奥田靖己プロによる「一行レッスン」です。その第十六話。
【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
【ゴルフ芸人 高松志門】
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
【志門流一番弟子 奥田靖己】
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。
奥田 スウィング写真いうんは非常に参考になりますね。
高松 若いころはどうしても成績ばっかりに目が行って、なかなかスウィングの本筋に迫れん。大きな回転にも種類があるのに、スウィングの本筋に迫ってないから、これひとつがおぼつかない。そういう意味でスウィング写真見れば自分はこないなっとるいうことが分かるからね。
奥田 ちなみに先生のスウィングはご自分ではどう思われますか。
高松 暑っ苦しいのう。この右足が。
奥田 頑張りすぎですかね。
高松 そうやろな。筒一杯振って引っぱ叩いてるわ。この右脚じゃ大木切ったら、ボーンと跳ね返えされそうやな。もう3分の1くらい右足が残ってたらええけどな。
奥田 僕のは足の動きは静かやけど、上がちょっとあきませんね。先生のはクラブと左腕が1本に見えるけど、僕のは左腕のつっぱりが先生よりも少しある。この左手首が折れてる分が、ズレとる言うことですわね。
高松 グリップ半個分のズレやけど、手首に角ができてるわね。左足の親指がちょっとめくれてるやろ。
奥田 ほんまや。右足は僕の方がベタ足やけど、左はちょっと浮いてますね。
高松 この写真を見てもどこをどう直せばええのかはまた別の話やけど、少なくとも左手がなんかしとる言うことはわかる。
奥田 左手が何もせんかったら、こないなってないですからね。
高松 そういえばこないだ、あるお客さんに「スウィングでは左手を消したい」いう話をしたら、突然、「志門さん、剣道やるんですか?」いうて聞かれたんよ。「そんなんやったことない」いうて答えたら、薩摩の示現流の極意がやっぱり左手を消すことにあるらしいわ。
奥田 居合いですか。幕末最強と言われたあれですね。
高松 そう。その示現流の練習が、走っていって高さと長さと硬さの違う3本の木を叩かすいうのはやるらしいわ。ふつうは1本叩いたらバランス崩して次を叩かれへんらしい。
奥田 なるほど。ゴルフもクラブの収まる位置に入っていればちゃんと打てる。刀も同じっちゅうことですわね。
高松 そういうことや。収まる位置に入っとれば、走ってでも人を斬れるっちゅうこと。その動きを邪魔するのがやっぱり左手の存在らしいんよ。
奥田 僕の居合いのことはよう分かりませんけど、スウィングは過度のない丸が一番。でも、飛距離いうもんが頭に出てきた瞬間に、左手が大きく動き出してスウィングに角を作って丸いもんやなくなってまうんですわね。
高松 結局、(右打ちの場合)左手の存在を消すことが必要やねん。
奥田 なるほど。ちなみにスウィング写真は体全体が大人しく見えて、シャフトだけがビュッとこないなって走っとるのが一番ええんですよね。
高松 そうやね。このシャフトのブレがあれば、一番飛ぶスウィングいうこと。もちろん“正確に”の話やけどな。
奥田 この“正確に”いう言葉がつくかつかんかではえらい違いですから、一般の人には特に忘れんといてほしいです。
【通勤GD・今日のことば】左手の存在を消すいうことやね
EDIT/長田編集事務所
志門プロに直接教えてもらえる上達ゴルフコンペ、参加しませんか↓