ピンが見えるゆえに、ヘッドアップを起こしやすい
坂井 パットはご存じのように技術面より、メンタル面の影響が大きいので、ショートパットなどでピンを差したままパットを打つことに抵抗のある人は、やはり、きちんとピンを抜いてからパットをするよう勧めています。
つまり、ピンを抜いていたとき以上に“慎重さ”は必要だということ。
坂井 たとえばショートパットなら、ピンが差してあると、視界に入りやすくなるので、ヘッドアップしやすい。ピンが差してあるだけでヘッドアップする傾向があることも覚えておいてください。
人間の体や筋肉は、強く意識しているものに反応する性質があり、ピンが視界に入る、もしくはピン に当てようとすると、目標への意識も強くなるのだという。
坂井 その意識が強くなりすぎると、現在の動作がおざなりになり、その時点で行うべき動きに乱れが生じる。言い換えると、パッティング時に頭や手などの体の一部が、速く目標へ動きすぎてしまう。これがヘッドアップの正体です。
ピンを意識しすぎるために
①視界に入って余計な意識が働く。
②バックスウィングが大きくなり、ストローク中にフェース面が変わりやすい。
③「ヘッドを真っすぐ出そう」という意識が過剰に出て、フェースが開く。
こういった悪循環にもはまりやすい。
もちろん、しっかり打てない人やゆるむ人には「ピンに当てる」意識が好結果にもなるのだが……。スコアメークに結びつけるには、これまで以上の細やかな観察力や丁寧さが必要となる。
ピンを抜いたほうがいいとき悪いとき
1.「ピンはまっすぐ?」
坂井 しっかり差さっていなかったり、風がふいていたりして、ピンが傾いていることがあります。そんなときは、ひと手間かけて差し直すか抜いてしまいましょう。
2.「 風でピンが揺れている」
坂井 プラスチック製などのピンは軽いため、少しの風でも揺れやすい。揺れていると、ボールの入る隙間が広がったり、狭まったりと一定しません。そんなときはピンを抜いたほうがいいでしょう。不確定な要素はなるべく取り除くべきです。
3. 「追い風が吹いている」
坂井 風で不規則にピンが揺れているのとは違い、追い風で安定しているときはピンが向こう側に傾くのでカップの入り口は広くなります。差したままでもピンに弾かれる心配がなく、追い風で多少転がりが強くなってもピンが助けてくれる可能性が高いです。差したままパットしたほうがいいでしょう。
週刊GD2019年4月2日号より
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