「セオリーはただのセオリー。縛られすぎたらあかん」。今週の通勤GDは、名師弟・高松志門プロと奥田靖己プロによる「一行レッスン」です。その第十八話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

高松 お客もいろいろおって、とんでもないゴルフの病気持ちもあるからレッスンは難しい。プレーンの話も内側や、外側やいうと、その一言が大変なことになる場合がある。

奥田 外や言うたら、のぞけるようにとんぼり返ってクラブを外に上げる人もおりますしね。軌道図で言えば、外でも内でも基本的に飛球線を越えてクラブが動くことはあり得ないわけです。一瞬はあるかもしれんけど。

高松 そう。通常は最大のインと最大のアウトは飛球線までの話。そやけどな、こないだお客さんが球がバンカーの手前の縁にくっついたことがあってな。

奥田 クラブを上げるスペースがほとんどないわけですね。

高松 そう。下手したら真上にテークバックせなあかん状況や。それでそうアドバイスをしたら、そのお客さん、「そんなアウトに上げたらクラブが飛球線の外に出るけど、それはいかんのちゃいますか」というわけよ。

奥田 非常事態宣言が出てるのに、まだセオリー言うてるわけですね。

高松 そやねん。お国の戒厳令が出てるときに、誰もいない交差点で信号が赤やから言うて止まっとる奴と一緒や。

奥田 そのお客さん、家が火事のときに同じようなことがあったらしいんですわ。火が出た時に、慌てたおじいちゃんがお風呂にお湯汲んできて消そうとしたら、「おじいちゃんアカン、それお湯や~!」言うてしもうたらしい。

高松 非常事態に水もお湯もあるかっちゅねん。オレもボーっとしとるほうやけど、非常事態宣言は常に持っとるで。多くのゴルファーは平和ボケしてるし、自分に縛りを多く持ちすぎているから、パニックになるんよ。一口に歩く言うても、真っすぐにしか歩けんかったら、新宿あるけんで。誰でもぶつからんようにいろんな歩き方するやろ。

奥田 例えば後ろに木があってスタンスも取れない状況で、それでもスタンスは真っすぐ、という縛りを持ってる人は、もう頭を木に突っ込んで、こないなって構えてますからね。

高松 それで10センチくらいしかテークバックできへんから、無茶苦茶なフォローで何とか飛ばそうとしてな。そしたら、後ろ向いて構えて、フェースの向きだけ合わせて振れる方向に振るしかないやろ思うわ。

奥田 ディボット跡からバンカー越えのアプローチする時も同じですわね。緊急事態やけど、例えばまずバンカーに入れてもええと思うて打てばやさしい。

画像: ディボット跡からバンカー越え

ディボット跡からバンカー越え

画像: 「バンカー入れてもええ」と思えば、何でもできる

「バンカー入れてもええ」と思えば、何でもできる

高松 そういうこっちゃ。絶対バンカーにだけは入れないという縛りを自分にかけたら、もう何もでけへんからね。逆に入ってもいいという気持ちで行けたら、何でもできるわ。ましてやそのディボット跡に砂でも入っとったら、それはソールできるバンカーショットや。

奥田 絶対バンカーには入れん思うて自分を縛るのとえらい違いですわ。

高松 ゴルフは常にそういう縛りを生む魔物との勝負なんよ。自分の中におる魔物とのな。

【通勤GD・今日のことば】非常事態にセオリーは通用しない

EDIT/長田編集事務所

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