「行くと思うたら最高の球を思えばええんです」。今週の通勤GDは、名師弟・高松志門プロと奥田靖己プロによる「一行レッスン」です。その第二十話。
【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
【ゴルフ芸人 高松志門】
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
【志門流一番弟子 奥田靖己】
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。
高松 こないだな、ある弟子がちょっとええことをオレに聞いたんよ。「先生がスウィングでこれだけでは気を付けているということは何ですか?」言うてな。
奥田 なるほど。なんて答えられたんですか?
高松 うん。「頭に活字が出たら終わりや」と言うた。
奥田 あそこからフックとか、この風でグリーン乗せるには何番とか、活字で思うのやなく、その絵がでてこないとあかん言うことですわね。頭の中でぐちゃぐちゃ言い始めたら、自分の持ってる感性なんて絶対出てこんですから。
高松 そういうことや。例えば過去の彼女かてそうやろ。何人かおる中でごっつうええ体の彼女がおったとするがな。
奥田 まあそれもそうですし(笑)、自分がいけると思うたら、その自分の最高の球を思えと。そして、思うたらそうなるということですわ。こういう高さで飛んで、ピンの手前にポトッと球が落ちて、コロコロと転がってピンに寄る絵がでるからこそ、そう打てるということ。
高松 ただ一般のアマチュアの人は、最初に最高の球なら乗りそうやと思うても、次にそれを否定する自分が出てくる。ちょっと曲がったらバンカーやとか。
奥田 あんなピン位置でそない上手いこと行くかいうて、頭の中で勝手に言い出すんですよね。最高の絵を思うだけであとは何も思わんでええのに。
高松 そうよ。それで結局、最高をあきらめて、ほんなら安全にちょっと右にしとこかとなる。最初に乗りそうやと思うた自分はどこに行ったんや。
奥田 でも一般の人にそう言うと、絵をかいても、それと全然違う球しか出えへんいうて文句言うんですわ。
高松 それは本当は絵が出とらんと思うわ。風とかライとか集めた情報が悪いから、すかたんの絵になっとるかもしれんしね。隣のおばはんの家を思うとるようなもんで。
奥田 厳密に言うと、絵を描くというより、打っていくピンがそういう絵を伝えてこないかんのです。
高松 そうそう、そこがちょっと入れ替わりやすいところなんよ。
奥田 自分の都合のええように描いたり、無理やり描くのはあかんのです。
高松 女の流し目に、「こいつ、絶対オレに気がある」いうのと同じやろ。ただのゴミやっちゅうねん。その入れ違いが起こりやすい。
奥田 ただ間違いなく言えるのは、スウィングのことをあれこれ考えていると、絵は出にくくなりますよね。
高松 もちろんよ。スウィングのこと考えてるのは、スウィングもうあかんから考えてるんやろ。あかんのに考えてもしゃあないやん。しかもクソ忙しい最中に、どないもならんちゅうねん。
奥田 一般の人も同じで、どっちかいうたら、絵だけでやっとる方が絶対ええ。スウィングがあかんかってもね。
高松 最初は下手打つやろうけど、それがだんだん合うてきたらしめたもんや。
【通勤GD・今日のことば】頭に活字が出たら終わりや
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