ヘッドと同じくらい 大事なのがグリップの形状
たしかに最近、太さや形の変わったパターグリップが多くなった。ゴルフショップにいけば形も素材もさまざまなグリップが並んでいる。その理由を村上プロに尋ねてみた。
村上 一番の理由は、パターのヘッドバリエーションが増えたことです。ひと昔前からあるピンタイプ、L字型に加えて、最近はマレット型やM字型など、バリエーションも増えています。同時にグリップの素材も増え、軽くて太いグリップが作れるようになった。プレーヤーの打ち方も多様化しており、それに合わせてグリップも様々な形状のものが開発されています。
いまは「自分のスタイル」と「グリップの特徴」を一致させられる
では、どういうタイプが自分の打ち方や愛用中のパターに合うグリップなのか。それを知るため、流行の異形グリップを集めて村上プロに試打してもらった。まずは、特徴的な2つのグリップについて、村上プロの評価はこうだ。
村上 まずは「フラットキャット」。握りが太くて長方形なのが特徴で、自分の好みによってタテにもヨコにもグリップを差せますね。ヨコに差すと両手親指を合わせて握る人に合うし、タテに差すとふつうの握り方でもいい。グリップが太く角張っているので、ストローク中にフェースの面が狂いにくく、オートマチックに打ちたい人にお勧めです。
フラットキャットBIG BOY(ラムキン)
重量:105g
横幅:32mm×42.7mm
長さ:約310mm
おすすめヘッド:フェースバランスタイプ、マレットタイプ
2つめの『G-Promax』はグリップの握る部分に特徴がある。
村上 グリップの正面が山型になっているので、右手を下から添えるように握ったとき、自然に両手の位置が決まる絶妙なフィット感がすばらしい。グリップの握りがしっくりこないという人は、一度ぜひ試してみるといいですよ。左右の手の収まりは抜群にいいですね。
G-promax(ガーセン)
重量60±5g
グリップ直径:38mm
長さ:約260mm
おすすめヘッド:ピン型
そのほかのグリップもそれぞれの打ち方の傾向に合ったものを使えば、スコアアップにつながるも のばかりだ。
村上 「ピストルGTR2.0」のような太いグリップは手首を使わずにオートマチックに打ちたい人向き。スーパーストロークの「フラッツォ1.0」やJOPグリップ「No.6-0°」などの細いタイプのグリップは手首の操作性を生かしてパチンと打ちたい人向きと言えるでしょう。
ピストルGTR2.0(スーパーストローク)
重量50±5g
横幅:約30mm
長さ:約267mm
おすすめヘッド:ピン型、重心深度が浅いマレット型
フラッツォ1.0(スーパーストローク)
重量82.5±5g
横幅:約27mm
長さ:約267mm
おすすめヘッド:ピン型、重心深度が浅いマレット型
No.6-0°(JOPグリップ)
重量150±8g
横幅:約23mm
長さ:約340mm
おすすめヘッド:ピン型
太めのグリップが流行だが、極細にこだわるプロも。
女子プロ界でも「太めグリップ」が多数派だが、3月に行われた「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」で優勝した上田桃子は「細グリップ」愛好者として有名。今季もテーパーのピストル型細グリップを使用。特徴は右手の握る部分が細く、利き手の感性を出しやすいので、オーバーめに打っていける点。繊細なタッチと操作性を重視する職人肌向きのグリップだ。
自分にぴったりのグリップを見つけられれば「パター」というクラブは、より「自分の体の一部」という感覚に近づくことだろう。
週刊GD2019年4月23日号より
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