アイアンヘッドの秘密「8番を境に形状が変わる」
最後にアイアンについて喜多氏に聞いてみたところ、アイアンヘッドには、ゴルファーにあまり知られていない秘密があるという。
喜多 アイアンのヘッドは、7Iまでと8I以下で形状が変わります。具体的に言うと、7Iまでは「直線」をベースにしたシャープな顔つきが特徴ですが、8Iからその顔つきに「丸み」が出てくるのです。これはクラブの用途が変わるからなのです。
上級者やゴルフ歴の長い人はご存知だろうが、その理由についてまで理解している人は少ない、と喜多氏。
喜多 7Iまでは“フルショット”を想定しているのです。ですから直線がベースで作られており、フェースをスクェアにセットしやすい=構えやすいように設計されています。
喜多 一方、8I以下はフルショットももちろん想定していますが、“コントロールショット”を重視した形状に変わります。つまりフェースを少し開いてカットに打ったりする時に違和感がないよう、形を丸くしているのです。要は8I、9I 、PWになるにつれ、ウェッジの形状に近づいていくわけです。
8Iも9Iもフルショットしか打たないゴルファーは多い。だが実は、ウェッジのようにフェースを開いて高さを出したり、飛距離を抑えたり、スピンを入れたりといった、コントロールショットができる設計になっているのだ。
ウッド、アイアンといった単体だけでなく、14本のクラブをトータルで理解することも重要だと喜多氏は言う。
喜多 整った14本のクラブセッティングには必ず“流れ”があります。クラブの長さは『長い→短い』、クラブの重さは『軽い→重い』、ロフトは『小さい→大きい』、ライ角は『フラット→アップライト』とフロー(階段)させるべきです。それが振り心地の統一や飛距離の打ち分けにつながります。
喜多 14本のなかに“異質”なクラブがあると、そこだけスウィングを変える必要があり、結果として全体のスウィングに悪影響を及ぼします。上達するうえでもクラブを理解することが大切なのです。
クラブ選びのポイント①
アイアンはウッドより、つかまりやすい
クラブ選びのポイント②
ライ角が合っているか確認する
ソールにテープを貼り、ゴム板などの上で素振りすれば簡単に分かる。真ん中に痕が残ればライ角は適正。トウやヒール寄りならライ角が合っていない証拠だ。全番手チェックしてみよう。
クラブ選びのポイント③
バウンスは角度より高さが大事
クラブ選びのポイント④
パターはヘッド形状より総重量をチェック
週刊GD2019年4月23日号より
最新のレッスン・ギア・プロ情報をチェック↓